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嫉妬さがし中
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さがし中




ドラッグ オン ドラグーン2

 そして、狂気と悪夢は帰ってくる……。当サイト的には、前作よりも見るべきものがある続編です。

概要
 再び、戦いの業火へ――。
 前作から十八年後の世界が舞台。今回は喋ることはできるけれども棒読みな主人公が、飛んで斬って殺しまくる! マゾ育成機だったゲーム性と正気の沙汰とは思えないシナリオで、今もなおゲーマーの間に語り継がれる前作……その名を継ぐ続編が、ここに見参なのです! 前作はキモウトが溢れたから、本作ではキモ姉が来る? ……いいえ、今回大暴れするのは「キモ馴染み」ですよ!


螺旋くれ曲がった狂気の世界。そして最も美しい狂気とは、「嫉妬」。
 
 男のコには、どうしようもなく年上萌えな時期があります。
 人にもよりますが、十代前半〜中盤あたりが最も旺盛ですね。ま、はしかみたいなものなんです。若い毛のいたり先輩というやつです。しかしオスとしては至極理に適った生態でもあります。まだ未成熟な自分でも安全に子を産ませることができる相手が、成熟した年上の女性です。母親に甘えていられる年頃でもないが、かといって母性に包まれていなければ外界の風に耐えられぬほどに脆い――そんな男の子を導ける存在が、年上の女性です。さらに大人である彼女らが時折見せる頼りなさは、自分の力を過信したい少年達の虚栄心を存分に刺激して、後の成長のための糧となるでしょう。
 嗚呼、若人よ若人よ。君、よろしく年上に萌え給え。二十代、三十代になってから年上萌えをやろうとすると、お相手の女性の方も少々年齢がキツ目になって参りますからね。ですから思春期の七誌さん達には、今のうちに年上萌えを体験しておくことをお奨めします。つーか、中坊がこんなサイトに来てんじゃネーヨ。

 しかし、これだけは忘れないでください。年上萌えの時期とは、少年たちにとって最も危険なタームでもあるということを。

 年上の魅力というものが、あまりにも強烈すぎるからです。どんなに性根の卑しい悪女であっても、どんなに意地汚い泥棒猫であっても、その時期の少年には年上フィルターがかかって、魅力的な女性に映ってしまいます。すると……すぐ傍らにある、一途で健気で純粋な本当に報われるべき“真実の愛”――例えばキモウト(キモい妹)やキモ馴染み(キモい幼馴染)やキモ級生(キモい同級生)の曇りなき想い――が、見えなくなってしまうのです。あまりにも眩い光というものは、時に人を盲目にしますよね? 年上萌えに目を奪われて、彼女らの気持ちに応じてあげることができなくなるのです……。

 「悲劇」です。これ以上に陰鬱な物語などありません。単に年上だからという理由で、“真実の穢れなき愛”が敗北するなど、本来ならば許されることではないのです。
 ――どうして!? どうしてそんな女に付いていくのッ!? あの女は間違っている! あの女に導かれれば、貴方は間違ってしまう! 貴方は、あの女に、騙されているッ!! 私こそが――なのに……。私こそが……約束したはずなのに……。……どうして……。

 この物語は、そんな年上萌えの前に“真実の愛”が破れ、狂い、堕ち、無残に散っていくサマを描いた、狂った世界のお伽話である。


本作の嫉妬ヒロイン・エリスのそっくりさん。
脳内で髪の毛を黒く塗りつぶしてみよう。
 前フリはこのぐらいで済ませておいて、早速嫉妬ネタを拾っていきましょう。本作の嫉妬ヒロインの名は、“エリス”。ささ、まずは右の画像を見てください。
 全然関係ないヒロインのフィギュアです。
 やーい騙された。











 ではなく、右の女の子“セイバーさん”の髪の毛を黒髪にしてください。それでほぼ本作のエリスになります。今回、肝心のエリスの画像がどうしても見つからなかったので、皆様がイメージしやすいようにそっくりさんにお越し頂いたわけです。もっと正確に把握したい方は、セイバーさんの頭から生えているアンテナを切り、もみ上げは短くして、上に着ているシャツは半袖に、ロングスカートの下は生足に、ついでに剣をとりあげて槍を持たせてみてください。もう完璧です、どこからどう見ても本作のヒロイン・エリスです。ただし、管理人は「Fate」を観たことも読んだこともプレイしたこともないので、性格までセイバーさんに似ているかどうかまでは言及できません。そっくりなのはあくまでも外見だけです(おっぱいは、エリスの方がもうちょっと大きかった気がしますが……)。
 さて。上に述べた作例通りに(脳内で)このフィギュアを改造してみて、その女の子の印象はどうですか? 「なんか生真面目そう」という感じがしませんか? ……エリスはその通りの娘さんです。というか真面目を通り越して、頑固で頭が固く、融通の効かない一面を見せる女の子です。でもそういった性格を違う視点から語れば、一途で純粋で想い込んだら一直線の清純少女とも言い換えることができるでしょう。エリスはそんな、堅さと可憐さと清潔さを兼ね備えた戦乙女なんです。訓練の後の彼女を抱きしめたら、すごくいい匂いのする汗が鼻腔をくすぐりそうです。――どうです? 貴方の中で、エリスのイメージが固まってきましたか? それでは嫉妬レビューに入りますよ。
 
 前作のエンディングから、十八年後の世界のことです。
 本作の主人公は“ノウェ”と言います。井上じゃなく、ノウェです。その出生の秘密は前作の登場人物と密接に関わっているのですが、嫉妬には関係ないので華麗にスルーしときましょう。彼はまだ赤子の頃に“レグナ”というドラゴン(前作にも登場したブラックドラゴン)に拾われて、その翼に守られながら育っていきました。人間は誰も近寄らない忘れられた渓谷で、ドラゴンとノウェはまるで親子のように生活していたのです。
 しかしその谷にも、やがて人間の騎士団が踏み込んできました。少年に成長したノウェを発見した騎士団長は、彼がドラゴンのような強大な生物と心を交わしあっていることに驚きます。この子は竜の子、人類を導く救世主に違いないと確信します。そこでこの少年を騎士団本部に連れ帰って、人間の手で育てたいとドラゴンに申し出ました。ドラゴンもそろそろノウェに人間社会(の愚かさ)を教えてやるのもいいだろうと思い、谷から連れ出すことを許可します。ただしドラゴンまで騎士団についてきてしまいました。彼にとってノウェはよほど大切な存在らしく、ノウェが呼びかければいつでも空から降り来るのです。
 こうしてノウェは人間界で暮らすことになりました。連れて来られた場所は、「封印騎士団本部」と言います。十八年前の大破壊では、世界はなにがなんだかもうわけのわからない混乱状態に陥ってしまいました。今はなんとか平和になりましたが、それも騎士団が“何か”の封印を守護しているからだそうです。この封印を守ることこそが、騎士団の任務です。

 ノウェは封印騎士団長“オロー”の庇護の下で、すくすくと成長していきます。そしてそんな彼と仲良しになって、よく一緒に剣の稽古をしたりする同じ年代の女の子がいました。彼女こそが――エリスです。ノウェの幼馴染になるわけですね。前述の通り真面目で芯の強い少女であるエリスは、ノウェにとって切磋琢磨する格好の相手であり、見習うべきことの多い存在でありました。そんな幼き日々の、二人の……「約束」。


幼エリス「ねぇ、ノウェ。この前は、ありがとう」
幼ノウェ「うん? ああ、そういえばお前、毒へびに噛まれて危なかったよな。騎士団の連中は何もしてくれなかったし……」
幼エリス「ノウェが咄嗟に毒を吸い出してくれなければ、わたくしは死んでいたかもしれません」
幼ノウェ「エリスが死んだら、俺も困るよ。稽古する相手がいなくなっちゃうからな
幼エリス「……」
幼エリス「……わたくし、今日、女になったの」
幼ノウェ「?」
幼エリス「わたくしは、これからずっと、こうやって血を流して生きていかなければいけない」 (生理!!!)
幼エリス「身体も丸くなるし、胸も重くなってくるわ。……悔しい。ノウェとわたくしは、根本的に違うの。男と女なのよ。分かるッ?」
幼ノウェ「う、うん」 (←分かってない)
幼エリス「ですから今後、わたくしに力で勝ったとしても、喜ばないで頂戴!」
幼ノウェ「……わかったよ。これからは、オレがエリスを守るよ。俺は男だし、エリスは女なんだしな」



 とかなんとか言いながら、エリスは天性の才能と地道な努力によってメキメキと力をつけていき、史上最年少で騎士になってしまいます。ノウェは未だに見習いです。エリスはそんな彼の上官の任につき、やっぱりつきっきりで稽古の相手をしてあげるのでした。
 ところがそうやって暮らしているうちに、ノウェの保護者であるオロー団長が不可解な死を遂げてしまいます。元々ノウェに対して好意的ではない空気のあった騎士団ですが、団長の死によってそれが一気に表に噴出します。新たに団長に就任した“ジスモア”という男も、明らかにノウェのことを煙たがっている様子です。「得体の知れない竜の子」「気味の悪い奴」「調子にのりやがって」――陰に日向にノウェの背中に突き刺さる、そのような誹謗の数々。大小のいじめに遭うことも日常茶飯事でした。気の許せる相手は、もうエリスとドラゴンくらいです。そうしてノウェはいつしか、笑うことすら忘れてしまうのでした……。

 ゲームは、そんなノウェが正騎士に叙任された直後から始まります。成り立て騎士のお披露目として、“天覧試合”という騎士団主催の武闘大会に参加することになったノウェ。世話焼き幼馴染であるエリスは、ノウェが立派な勝利を収めることができるようにあれこれと気を揉みます。でも肝心なノウェにイマイチやる気が見られないことが、歯痒くて仕方ありません。彼はいつからこんな冷めた目をするようになったのだろう? ちょっぴり寂しいエリスでしたが、試合前のウォーミングアップとばかりに彼の稽古相手を務めてあげるのでした。
 「……フン。あいつらいつも二人っきりで、一体何の“稽古”をしているのやら」――そんな同僚の陰口なんか、気にしません。エリスはノウェに、早く一人前の騎士になって欲しいのです……そして自分を守ってほしいのです。あの日交わした、約束通りに。

 ところが試合が始まると、ノウェはたった一人で大量の騎士達と戦わされる羽目になりました。意地悪なジスモア団長の差し金によるものです。これではノウェが集団リンチに遭ってしまいます! 傍らで試合を見守っているエリスはなんとか演目を止めさせようとしますが、団長も同僚達も薄笑いを浮かべるだけでスルーです。居ても立っていられないエリス。
 ……けれどもどうやら、そんなに心配する必要はなかったみたいですね。さすがは竜の子、ノウェは対峙した騎士たちを全員叩きのめしてしまうのでした。エリスも彼の無事と勝利に大喜びです――が、彼女はまだ気づいていません。ノウェが、「封印騎士団」に対する不信感を募らせていることに。

 次の任務です。騎士団が守備している封印のうちのひとつ、“明命の直轄地”がモンスターに襲われているという報を受け、エリスが兵を率いて出撃します。一方ノウェは、ジスモア団長直々に「いつものように」「単独で」「先陣を切って敵を殲滅せよ」と命令されるのでした。
 城門を開いて、たくさんの将兵軍馬を引き連れて出陣するエリス。彼女がふと空を見上げると……たった一人で戦場へと赴こうとしているノウェを背に乗せて、風を切って飛ぶドラゴンの巨大な影。去っていく翼に空を振り仰ぎ、エリスは眩しそうに、そして熱っぽい視線で彼を見送るのでした。

 ドラゴンの戦力は圧倒的、かつ暴力的です。エリスが戦場に辿り着いた時には既に、モンスターの群れはあらかた殺戮された後でした。ドラゴンの背から降りたノウェと二人で、残敵の掃討戦に移るエリス。しかし一つの鉄格子の前で足を止めた幼馴染に、首を傾げます。なにかおかしな点でもあるのでしょうか?

「おい、あんたら。なぁ頼む、助けてくれ! ワシらを自由にしてくれよ!」
ノウェ「なぁエリス。彼らはどうして、こんなところに捕えられているんだ?」


 鉄格子の向こうには、沢山のみすぼらしい人々が監禁されていました。全員、十八年前に世界を破滅へ追いやった元帝国兵たちです。エリスは説明します。彼らに罪を償わせるために、ココに閉じ込めてあるのだと。“何か”の封印の維持のためには生贄が必要になるのですが、そこで彼ら大罪人の“命”の出番となるわけです。

ノウェ「それでは人柱じゃないか!」
エリス「ノウェ、口がすぎるわ! 彼らは選ばれし“殉教者”なのです!」
ノウェ「殉教者じゃない! 彼はあんなに怯えていたじゃないか! 騎士団は弱い者に犠牲を強いる集団なのか!?」
エリス「慎みなさい、ノウェ! それ以上騎士団を侮辱したら、この場で貴方を切るわ……。本気よ!」


 喧嘩してしまいました……。まったく、ノウェの騎士としての自覚の足りなさときたらありません。こういう時、エリスはいつももどかしく感じるのです。もっとしっかりして欲しい。もっと自分の仕事に誇りを持って欲しい。そして……早くわたくしを守れるようになって欲しい。あの日交わした、約束通りに。
 そんな想いを胸に秘める彼女。その傍らで、ノウェの「封印騎士団」を見る目がまた一つ曇っていきます。そしてエリスは、未だにそれに気づいていません……。

 すれ違う想いをよそに、また新たな任務が入ります。今度も封印の一つ“気炎の直轄地”に現れたモンスターの掃討です。まったく、次から次へと忙しいことですねぇ。前回と同じ様にノウェは空から、エリスは地上から討って出ることを命じられ、これまた同じ様に軽く敵勢を蹴散らしてしまう二人です。しかし一仕事終えてホッとしたのも束の間、直轄地の奥の方から魔法を使ったような地響きが聞こえてきました。……封印の核である、“鍵”に何かがあったのかもしれません! 急いで“鍵”の安置された祭壇へ向かうと、そこには“鍵”を破壊しようとしている赤い目をした女性の姿が……。

「マナ様だ……!」「マナ様がいらっしゃった!」「マナ様を守れー!!」「マナ様と共に戦うぞー!!」

 監禁されていた元帝国民たちは彼女の姿を見て元気づき、次々と牢を破って駆けつけてきます。まるで降臨した女神のように彼女を敬い、慕い、付き従おうとする罪人たち。“鍵”を守ろうとするノウェとエリスですが、彼らに阻まれて女性に近づくことさえできません。

ノウェ「やめろ……お願いだ、抵抗はやめてくれ!」
エリス「ノウェ、何を迷っているの!? わたくしたちは正しいわ!」


 ろくに武装もしていない貧弱な連中ですが、やたらに数が多いです。殲滅に手間取っている間に、遂に“鍵”が破壊されてしまいます。殺戮を終えて祭壇の下へ駆けつけた二人の見た物は、無残に砕け散った鍵の残骸と、力を使い果たして倒れている赤い目の女性でした……。
 
大人になって帰ってきた悪女・マナ。
今回は泥棒猫として、やっぱり悪女の限りを尽くす
 女性の名は、“マナ”。
 そうです、あのマナです! 覚えていますか? 十八年前――前作において帝国軍を扇動し、世界を滅ぼしかけた張本人! 空飛ぶ巨大幼女! スカートの中は作りこみなし!  あの悪女中の悪女が、どのツラ下げてかヒロインみたいな振りして再登場なのです! ちっくしょう、大人になったマナは良い腰つきをしてますぜっ。今度はパンチラぐらいしやがれよ、糞女!

エリス「この女は、ひとまず閉じ込めておきましょう。……恐らくは極刑が待っているでしょうね」
ノウェ(……馬鹿な……。確かに彼女は鍵を壊した。でもそれは、民のためではないのか……)


 ノウェは自分たちがしていることが信じられなくなってきました。はたして俺たちは正義なのだろうか? 答えを見つけたい彼は、深夜一人でこっそりと、マナが監禁されている牢獄へと足を向けます。ノウェ一人では解けそうもないパズルの、重要なピースを持っているはずだ――そんな気がしたからです。

ノウェ「なぜ気炎の鍵を壊した?」
マナ「きみも見たでしょう? あの聖火台を維持するために、犠牲になっている人達の姿を」 
ノウェ「それは……」
マナ「苦しんでいた人々に自由と笑顔が戻るのは、不都合ですか? 貴方たち封印騎士団の守りたいものは、己の利権だけかしら?」
ノウェ「言葉を慎んだ方がいいぞ。あんたは今、その封印騎士団員を前にしているんだ」
マナ「貴方たちが鍵と呼んで守る物は、人々を縛る鎖でしかない。わたしは諦めません。必ずや全て断ち切ってみせます」


 マナの一貫した言動に、ノウェは不快感よりも清々しさを感じます。彼女の話を、彼女の信念を、もっと聞いてみたい。
 と、その時――

エリス「ノウェ! 何をしているのですか!!」
ノウェ「いや、別に何も。見回りだよ」
エリス「……随分と距離の近い見回りなのね?」
ノウェ「エリスこそ、何の用だ」
エリス「ジスモア団長閣下の裁決を伝えに来たのです。この女は、明日、処刑されます!」


 そうか……と言い残して、ノウェは去っていきます。その後ろ姿を見送るエリス。
 やがてノウェが見えなくなると、彼女は薄暗い牢の中を睨みつけます。
 燃えるような瞳――激情を宿したそれは、マナの赤い目よりもなお紅く、炎を以って焼け焦がさんとばかりにマナを射竦めます。
 
 ……この女、ノウェに、何を……。

 そして翌日。マナの処刑が、いよいよ執行されます。執行人はエリスです。

エリス「火あぶりと斬首、さぁどっち? 言っておきますが、どちらも楽ではないわよ」
マナ「……より時間がかかる方にしてください」
エリス「自ら苦しみを選ぶ罪人も珍しいわね」
エリス「……よろしい。犯罪者マナは、火あぶりの刑を選びました。これより、処刑を開始します!」


 磔台に縛り付けられたマナ。その周りにはたくさんの柴が積み重ねられています。大勢の将兵たちが見守る中、エリスは松明を手に持って台上に上りました。
 人形のように無表情で、ただまっすぐにどこか遠くを見つめているマナ。……怖気づいたのでしょうか? エリスは小気味よさを感じながら、そんなマナに顔を寄せます。死を目前にした悪女の表情の一つ一つを、見逃さない距離。いや、「見ている」という事実そのもので相手を蹂躙するような、そんな距離。――頬擦りにも似たその距離から、エリスは侮蔑の言葉を絡みつかせました。

エリス「言い残すことはなくて?」

 何か言い残すのなら、嘲ってやろう。言い残さないのなら、哂ってやろう。悪女が選んだのは後者のようでした。清純なる女騎士は、喉の奥から零れ出る愉悦を抑えるのに、いくばくかの努力を要してしまいます。……楽しい。とても、楽しい。でも、まだだ。饗宴はこれからなのだから。
 エリスは思い返します。ここのところ、何かを思い悩んでいるノウェの様子を。彼のそんな表情を見ていると、おなかの底から込み上げてくるような苛つきを感じるのです。それはあの日……女になった日、ノウェとの絶対的な違いを思い知らされたあの日の苛つきによく似ていました。何を迷うことがあるのだろう? 何を悩む必要があるのだろう? わたくしと、騎士団と、この世界と、そしてあの日の約束の正しさに、疑いを差し挟む余地なんかないのに。逆にこの女の言っていることは、全て間違いだらけなのだ。この女のやっていること、口から出る言葉、態度、仕草、顔、身体、吐く息、すべてが、全部ぜんぶ間違っている。この女は、ノウェを惑わせるモノの象徴だ。きっとそうだ。
 この世界の安全を弄び、騎士としての使命を侮辱し、そして……そして……ノウェを、迷わせる。

 わるい、おんな。

エリス「さようなら」

 先ほどの悦びと同量の感情が、エリスを充たしていきます。この女への、憤りです。
 ベクトルの相反する二つの想いが混ざりあい、相殺しあい、やがてはゼロになります。最後に残るのは、ただ冷酷なる断罪です。
 冷たく見据え、言い放つ。それが宣告でした。エリスは、松明を、放り投げます。

 赤く燃えていく、赤い目をした魔女。
 立ち上る紅がエリスの瞳の中にも映り込み、昏い光を灯していきます。
 自然、感情の均衡が崩れます。彼女の身体を支配し始めるのは、純一色の喜び。快感。さらに、確信。
 身体の奥からの震えが止まりません。頭も、おなかも、女である証も、紅に照らされて熱っぽく、疼きます。
 
 うれしい。
 これで、これでノウェは、もう悩まない。
 
 うれしい。その気持ちが溢れていく。彼女の口の端に宿り、清純なる戦乙女の仮面を溶け崩していく。
 口角が吊り上がり、吊り上がり、真っ白な歯が煌き、うれしくて、たのしくて―― 
 

※このムービーのエリスはとてもイイ表情をします! 管理人の文章力では↑の程度でしかそれを再現できませんが、嫉妬好きなら一見の価値ありです!


 ハイ、小説モードおしまい。
 んで、その直後にですね、どかーんと地面に亀裂が入って、大量の水が噴き出すんですね。エリスびっくり。
 魔法なんです。前作のラスボスを舐めちゃいけませんぜ。観念したように見せかけてずっと魔力を練っていたんですな、さすがは悪女の中の悪女です。マナは刑場の大混乱に紛れて、その場から逃げ出します。ずっと救出の隙を伺っていた彼女の仲間たちが、脱出のために飛空挺を盗んでいたのです。

エリス「ノウェ、艇の足を止めるのよ! あの罪人には死よりも重い極刑が必要です! 分かった?」
ノウェ「……あの人のやっていることは、本当に悪なのだろうか……?」
エリス「ノウェ! 何寝ぼけたことを言っているの!!」

ドラゴン「何だ小僧。ワシの知らんところで女のことで揉めとるのか? 女はやめとけ。道を誤ることになるぞ」
 ドラゴンのツッコミが、なんかえらく真理をついているような気がします。

エリス「ノウェ! あの艇を撃ち落してしまって!!」

 足を止めるだけじゃなかったんでしょうか……。
 ともかく。ドラゴンの炎は的確に逃亡する飛空挺を捕えて、これを撃墜しました。しかし不時着していった先には、これまた彼女の仲間たちが待ち構えていたのです。
 あれやこれやの妨害工作に遭い、遂にはマナに逃げ切られてしまいました。

エリス「フン。罪人がみんなそうであるように、あの女も逃げ足だけは一流のようね」
エリス「このまやかしもあの女が……。いやな女!
エリス「反逆者たちの用意していた艇に乗り換えたようね……。小癪な女!


 ……もうお気づきですか? エリスたんは、マナのことを決して名前で呼ぼうとしないのです。「あの女」とか「この女」としか言いません。こういう拘りはたいへんよろしい。よろしすぎます。そして声を当てている人(CV:相武紗季)も、嫉妬関連のボイス「だけ」には素晴らしい演技力を魅せつけてくれます。なんかもう、いたせりつくせりです。

 さて、マナを取り逃がしてガックリしているエリスです。一方のノウェは、早急に騎士団本部に出頭せよとの命令を受けます。なんでもジスモア団長直々の用があるとか。エリスと別れて一路、本部のある建物へと向かうノウェ。一人で団長室の前までやってきました。
 中に入ると、妙に慣れ慣れしいジスモアがいました。嫌味ったらしい奴ですが、これでも上官です。ノウェは誘われるままに椅子に座って話しを聞くことにします。「舌を滑らかにしようじゃないか」と、団長に杯を差し出されました。断るわけにもいかず、ノウェはそれを飲み干します。
 してやったりと、表情を崩すジスモア団長。実は酒の中には、毒が入っていたのです!! 
 「な、どうして……?」問いかけるノウェを嘲笑いながら、ジスモアは全ての真実を告げるのでした。ノウェの父代わりだった前団長のオローも、同じ様に毒を盛って殺してやったことを。今の地位に登りつめるために、邪魔になる奴や強そうな奴は、こうやって始末してきたことを。特にノウェのような目立つ奴は、最初から大嫌いだったことを。

 毒の回りが早くて動けなくなっていたノウェ。しかし育ての父親を殺した犯人だと聞かされて、頭に血が昇ってしまいました。
 その時、妙なことが起こります! ノウェの身体が白く輝いて、スーパーサイヤ人化してしまったのです!!(……安易なシナリオライター……)
 自分でも破壊衝動に抑えが効かず、突撃してジスモア団長の片腕を切り落としてしまったノウェ。団長ビックリ。ノウェもビックリ。管理人はゲンナリです。

 そこへ、団長室での騒動を聞きつけた――エリスが駆け込んできます。

エリス「何事ですか、ジスモア団長閣下! 今開けます!」
エリス「こ、これは!? ノウェ、あなた……」


 ノウェはその場から逃げ出します。しかし反逆者ノウェを捕えるために、既にたくさんの兵がまわりを取り囲んでいました。なんとか、なんとかドラゴンの下へ辿り着かなければ。今のノウェの味方は、彼一人しかいないのです。彼の背中の上だけが安全地帯なのです。身体に残る毒のせいでふらつきながらも、かつての同僚たちをなぎ倒しつつ屋外へ出ようとするノウェ。そんなノウェの背中に、幼馴染の声が追いすがります。

エリス「ノウェ、戻ってくるのです! 今ならまだ、罪も軽く済むかもしれません!」(即、死刑だったマナの時とはえらい違い)
ノウェ「ごめん、エリス。俺はもう帰らない……」
エリス「なぜ!? 封印騎士団の騎士として、わたくしを守ってくれるって約束したでしょうッ!?」
ノウェ「……約束……か……」


 幼き日に交わした、あの日の約束。それはエリスにとって神聖不可侵の存在でした。
 ノウェにも言えない、辛い宿命を背負わされた彼女の、唯一の心の支えだったのです。

ノウェ「ごめん、エリス……。約束は守れないかもしれない……。でも俺は、ジスモアを許せなかったんだ!!」
エリス「ノウェ!!」
ノウェ「さよなら、エリス……」


 去っていく、幼馴染。捨てられた片翼。引き裂かれた約束。でも――

エリス「……さようならなんて、そんな悲しい言葉は聞きたくありません。わたくしが絶対に連れ戻すわ……ノウェ!!」


 一方、ノウェは首尾よくドラゴンと合流していました。ドラゴンがついている限り、彼は地上最強の生き物です。そうそうやられることはありません。騎士団の追っ手を振り切ったノウェ達は、幼い頃に二人だけで暮らしていた“忘れられた谷”へ逃げ込んで、そこで後のことを考えることにします。眼前に広がるのは、懐かしい渓谷の風景です。

ノウェ「あの頃の俺は、大きくなったら自分もドラゴンになるとばかり思っていたよ」
ドラゴン「封印騎士団が踏み込んでこなければ、本当にドラゴンになっていたかもしれんな」
ノウェ「あははは、かもしれない!」
ドラゴン「ふふふ……。そのような顔を久々に見たな。笑うことなど忘れたかと思うていたが」


 思い出話に花を開かせていくうちに、随分と気も晴れてきました。ドラゴンも思いの他上機嫌なようです。ノウェを寝床のある遺跡に休ませて、自分は偵察に出るといって飛び立ってしまいます。
 ところがどっこい。遺跡には既に、騎士団の追っ手が先回りしていたのです! 彼らは、ノウェとドラゴンが離れ離れになる瞬間を狙っていたのです! 遠くまで行ってしまったのか、竜は呼びかけに答えてくれません。待ち伏せていたのはジスモア団長と――エリスでした。大勢の兵を引き連れて、ノウェを捕縛せんと取り囲みます。たった一人で彼らと切り結ぶノウェですが、いかんせん多勢に無勢です。やがて絶体絶命のピンチに陥ってしまいます。と、その時!

マナ「こちらへ!」
ノウェ「あ、あなたは!?」


 どういう魂胆でしょうか? あのマナが魔法で包囲網の一角を突き崩して、脱出口を開いてくれたのでした。
 彼女と一緒に洞窟を駆け抜けて、逃げて逃げて逃げまくります。しかしその途中、マナは崖から足を滑らせて谷底へ真っ逆さまに落ちてしまうのです!

マナ「きゃああああ!」
ノウェ「うぉおおおおおおお、レグナァァァアア!!」


 それを追って自ら奈落へ飛び込むノウェ。呼びかけに応じて飛んでくるドラゴン。竜の背中がノウェを受け止め、さらに下へと回りこんだノウェが、マナの身体を受け止めます。
 今までの大それた行動とは裏腹な、あまりにも華奢で軽いマナの身体でした――年上の女性の魅力に、ここで思わずドキリとしてしまうノウェなんです!

 そして空を駆けていく、漆黒の翼のドラゴン。
 先ほどの崖の上に、一人ぽつんと立つ人影があります。飛び去っていく彼らを、睨みつけています。握り締めたその拳が震えています。
 視線の先は、ドラゴンの背に乗る青年――の腕の中にいる“あの女”

エリス「……あの女……ノウェを!!!」


 さて、こちらはノウェたちです。助けてくれた礼を言うノウェと、そっけない態度でそれに応じるマナ。彼女はこれから次の直轄地の鍵を破壊しに行くんだそうです。コイツは根っからのテロリストのようですね。しかし年上女の魅力に参りそうになっているノウェは、「あんたの側で真実を見極めたい」と、そのお尻についていくことにしてしまいます。……まぁマナの尻は絶品ですから、その心が分からぬでもない管理人です。七誌さんもそうでしょ?
 次にエロ活動、いや、テロ活動を行う場所は、“神水の直轄地”です。ここでは封印騎士団が川の水を堰き止めて、下流の村々を干上がらせていました。辿り着いたノウェたちの目の前で、村の幼子が渇きのために死んでしまいます。

マナ「見ましたか、ノウェ? お願い、真実から目を背けないで」
ノウェ「見たよ。もう充分知ったさ! 俺もあんたについていく。できることを、言ってくれ!」
マナ「ありがとう……!」


 そのマナの儚げな微笑に、もう完全にKOされちゃったノウェでした。
 ……でも、あんまり深入りしない方がいいのにねぇ。なにせこの女は、あの“マナ”なんですから……。

 まぁともかく、ここでノウェは封印騎士団と決別し、マナと協力することを決意したわけです。運命の歯車がいよいよ回り始めます。
 主人公とドラゴンがついているわけですから、彼らの行く先々は悉く業火によって焼き尽くされていくわけです。この神水の直轄地の守護者もあっけなく敗北し、封印の“鍵”はノウェの手によって破壊されます。一仕事終えた途端、「さぁ次へ行きましょう」と言い出すテロリスト・マナ。そのお尻に魅せられて、ひょいひょい付いていくノウェ。するとそこへ――

エリス「ああ、なんてことを!」

 単身で二人を追いかけてきたエリスが、飛び込んでくるのです。遂に一線を踏み越えてしまったノウェに、詰め寄るエリス。

エリス「ノウェ! 自分が何をしているのか分かっているのですか!? あなたは、その女に利用されているだけですッ!!」
エリス「マナ、と言ったわね。ノウェをたぶらかさないでッ!!」
マナ「……随分、彼を見くびっているんですね」
エリス「なんですって!? ……この、女狐ッ!!


 マナに向かって、平手を振り上げるエリス。
 その手の平をノウェが掴みます。

ノウェ「やめろエリス! 俺は彼女にそそのかされたわけじゃない!」  (正確には『彼女の尻に惑わされた』ですからね)
ノウェ「俺には決められないことが、まだ沢山あるんだ! 今の俺に言えるのは、封印騎士団には戻れないし、戻らない。……それだけさ」
ノウェ「さよなら、エリス」


 去っていく、ノウェとマナ。取り残されるエリス。
 二人の背中に、うわ言のようなエリスの声が追い縋ります。

エリス「ノウェ、あなたはまた一人守護者を殺した……。直轄地を壊した……。罪はますます重くなるわ。なのに、なぜッ!?」

 そして誰もいなくなる祭壇。エリスの声が低く、重く、そして虚しく響き渡りました……。

エリス「……マナ、わたくしはお前を、ゆるさない……」


 その後しばらくは嫉妬なしのストーリーが続くことになります。だから適当に端折っちゃいますね。
 要するに、戦ったり新たな仲間を見つけたり、変な街で情報を収集したり、各地でテロ活動を行ったりするわけです。マナはどこへ行っても「封印を壊すの。封印を壊すのよ」などとばかり提案してきます。さすがは前作で巨大幼女やって世界を滅ぼしかけただけのことはある、貫禄のある破壊魔っぷりです。しかしそんなマナの言動も、主人公には――

ノウェ「貴女には、信念があるんだな。……羨ましいよ」

 ――こんな風に映るようです。年上の女の魅力に惑わされ、虜になってしまった青年の末路なんです……。もはや前作からの伏線も、ここまでのシナリオも、キャラクター設定も、そしてプレイヤーの意思までも置いてけぼりな、主人公のマナたんラブっぷり。恐るべし、年上の女の魅力。そして、その美尻の形!
 まぁそんなわけで、色々ありました。今、ノウェたちは次の直轄地の情報を得るために、タレコミ屋に会いに行くところなんです。

 しかし待ち合わせ場所の野原へ赴いても、そこには誰の姿もありません。静かなもんです。
 ……いや、あまりにも静か過ぎます。この静寂は……変です。

仲間「おかしいな。ここで間違いないと思ったが。こりゃ、つかまされたかもしれないな」
エリス「……いえ、ここで合っているわ!」


 エリスです!
 エリスがものすごい数の兵を引き連れて、今度こそノウェを捕まえようと決死の覚悟で待ち伏せていたのです!! 平原を埋め尽くす大軍勢が、津波のように押し寄せてきます。第二波、第三波、第四波と、次々と無限に繰り出される援軍。乱戦状態もいいとこになります。流石の仲間たちも、長引く戦闘にもうヘロヘロ状態です。

ノウェ「エリス! 目を覚ませ!」
エリス「ノウェ、いつまでそんな女と!? 目を覚ましなさい!」
エリス「その女、わたくしの思った通り、ノウェを惑わせているのね!」

 徐々に追い詰めれらていくノウェ。しかしこの苛烈な包囲網の一角が、“黒い隻眼の男”(実は前作の主人公・カイム)という謎の戦士の攻撃によって崩れてしまいます。その隙をついて、ドラゴンの背中に乗って逃げ出す主人公一行。

エリス「待ちなさい! ノウェ!」
ノウェ「エリス!? 追ってきたのか!?」


 そんなことで彼女がノウェを逃すわけがありません。飛空挺に乗り込んで、執拗に追い縋ってくるエリスです。

エリス「ノウェ、目を覚まして! その忌まわしき女から離れなさい!!」
ノウェ「忌まわしき!?」
エリス「ええ、そうよ! その女が世界を救えるはずないの!」
エリス「……マナ。お前こそが十八年前に世界を破滅へ導こうとした、“天使の教会”の司教なんですものねっ!」(※非常にイイ顔をしてます)


 遂にノウェに明かされる真実。……というか、今まで気づいていなかったのかよ?

ノウェ「まさか!? そんな、嘘だ! だって、あの災いは!」
エリス「世界中の人間を不幸にした災いよ。つまり、マナは全人類の敵!
ノウェ「……確かなのか?」
エリス「間違いないわ。わたくし、騎士団に残る過去の文献を調べたのよ。帝国軍、天使の教会、紅い空……全てこの女の悪行よ」
ノウェ「しかし、マナは苦しむ人達のために……」
エリス「あなたはこの女の悪事に利用されてるだけ! この女の赤い目には、毒がある!」
ノウェ「マナ、どういうことなんだ! 何とか言ってくれよ、なぁ!!」


 エリスの説得が効を奏したのか、ノウェの洗脳が解け始めます。プレイヤーもホッと一息です。
 しかし再び迷い始めたノウェの様子を見て、これでは埒が明かないと思ったドラゴンは、ヒステリーを起こしているエリスの飛空挺を撃ち落してしまいます。余計なことをしてくれるもんです。黒煙を上げて高度を下げていく、エリスたんの乗った飛空挺……。
 
エリス「待ちなさいノウェ! 話を聞くのです! そうすれば、あなたは救われる!」
エリス「ノウェ、目を覚ましなさい! その女は!!」


 一方、ノウェはマナを問い詰めていました。
 俺は騙されていたのか? 貴女に騙されていたのか!?

マナ「彼に命じられました……『忘れるな』と。あの男に……」
マナ「『忘れるな、忘れるな、お前の罪は死んでも終わらない。生きて、目を開いて、己の罪を見続けよ』と睨まれ続けた……」
ノウェ「鍵を壊して人々を救っているのは、罪滅ぼしのつもりだったのか!?」
マナ「私は……!」
マナ「私は最後まで自分を信じて、私の道を行きます。今までありがとう、ノウェ。そして、さよなら……」


 ノウェから離れ、一人でもテロ活動を続行するつもりのマナ。彼女を追いかけることができないノウェ。
 これで一件落着。一人の青年が年上の悪女に萌え、身を持ち崩し、そして更正していく物語でした。 ――THE END――

 ……と思ったら、あっさりと封印騎士団に捕まちゃったマナ。騎士団本部へと連れて行かれてしまいました。ノウェはそれを聞いて、『ああ、俺はなんて馬鹿だったんだ』と後悔します。彼女を救出するために、騎士団本部へ乗り込むのです。

ノウェ「俺は、マナを救い出す!」
ノウェ「マナにもしものことがあったら……。マナ、マナ、マナーーーー!」
ノウェ「俺にとって、世界を救うこととマナを救うことは、同じことなんだーー!」 (←アホ)


 あらゆるものを置いてけぼり(含プレイヤー)にして、年上萌えにトチ狂う主人公。コントローラーを放り出したくなる気持ちを、グッとこらえる管理人。ともかく騎士団本部へ突入して、マナの身柄を確保します。ごめんなさいもうしません一生貴女のお尻に付いて行きますと、マナに誓う主人公。これが年上萌えの恐ろしさなんです……。
 こうしてヨリが戻ってしまったノウェとマナ。あとは最後の直轄地“天時の塔”の鍵を壊すだけで、全ての封印が解かれます。最後の鍵を守っている守護者は、ジスモア団長です。積年の恨みをここに晴らさんと、殺る気マンマンなノウェでした。天時の塔に潜り込んでみると、案の定ジスモアが待ち構えています。その傍らには、エリスも……。

エリス「ノウェ、まだその女と!?」
ノウェ「エリス! 分かってくれ!」
エリス「分からないわ! あなたはどこを目指しているの!? あなたは何を見ているの!?」


 わたくしを見てよ!――と言いたげなエリスを無視して、ジスモアとの一騎打ちに挑むノウェ。
 ヘタクソなチャンバラで数合打ち合って、ジスモアにひと太刀浴びせることに成功します。

ノウェ「これで終わりだ、ジスモア!」

 ノウェは剣を構えて突撃します。その時、ジスモアの腕がうにょーんと伸びました。側に突っ立っていたエリスの首根っこを捕まえて、自分の盾にしたのです!
 剣は、エリスの腹に、突き刺さります。
 驚きに目を見開くエリス。入ってくる光景は、最愛の男に身体を貫かれているという事実。

エリス「……なぜ、わたくしが、倒れているのです……?」 
ノウェ「もう喋るな! 傷が開くッ!」
エリス「優しくて、繊細なのに、どこか、猛々しい……。あなたのそんなところに、わたくしは……」
ノウェ「エリスッ!」
エリス「……お行きなさい、ノウェ……。もう、とめないから……」


 愛おしそうにノウェの頬に撫でるエリス。最期まで年上の悪女に騙され続けてしまった、ばかな、幼馴染……。
 糸が切れたように、彼女の掌から力が抜けます。瞼を閉じる、純潔の戦乙女……。

ノウェ「おい、目を開けろよ!? エリス……エリスーーーーーーーーー!!」

ノウェ「エリス……。エリスが死ぬ必要が、どこにあったと言うんだ!?」
マナ「利用されるだけ利用されて、最後には捨てられるのね……」(馬鹿な女。プッ)



 ハイ。エリスがいなくなっちゃったので、今回の嫉妬レビューはここでおしまいです。

 やー、今回は盛りだくさんな嫉妬でしたねー。レビューしていて、管理人のお肌も艶々としてきちゃいました。エリスたんはよいキモ馴染みです。
 気分がいいので、もうちょっとだけお話を追ってみましょうか? 前作と深く関わる部分をご紹介しておきます。


<番外編:赤き竜の顛末>

 今までの恨みを込めて、ノウェはジスモアを倒します。最後の封印の鍵も壊されます。しかし――

ジスモア「好きにしろ。そして、思い知るがいい。貴様の正義など、所詮ハリボテであるということをな!」

 ジスモアの最期の言葉が気になるのです。「全ての封印を解いてしまって、はたして良かったのだろうか……?」 自分のしたことに、少しだけ不安を覚えるノウェです。そんな彼の胸中を嘲笑うように、かつて“女神の城”と呼ばれた聖地に炎の柱が立ち上ります!

 蘇ったのは――赤き竜、アンヘル。前作のドラゴンです。
 直轄地の封印とは、アンヘルを押さえ込むためのものだったのです。アンヘルは前作のラストで、「再生の卵」を封印するための女神になったこと、覚えていますか? 全てはカイムのためでした。しかし封印の女神に与えられる負荷と苦痛は強烈なものです。封印騎士団は、楔になっているアンヘルが苦痛のあまりに逃げ出さないように、直轄地の“鍵”で抑えつけていたのです。しかしマナの手によって、アンヘルは解き放たれてしまいました。
 女神としての十八年間の苦痛と、“鍵”によって与えられたさらなる苦痛。この二つの負荷によって、アンヘルは狂ってしまっています。もう誰のために封印の女神になったのかも、思い出せません。何か大切な存在があった気もしますが、その名前すら覚えていません。今の彼女を支配しているのは、こんな苦しみを与えた人間たちに対する怒りです。世界が、赤き竜の業火によって焼き尽くされようとしています。……全部、何か勘違いをしていたマナのせいです。

 暴れ狂う赤き竜。それを止めようとするも、苦戦するノウェと黒き竜。
 そんなノウェの元に、カイムからの思念が届きます。“アンヘルを倒せ”と。その時、ようやくノウェは悟ります。

 カイムは、ただひたすらに、アンヘルを救うために闘い続けていたということを。
 カイムは、ただアンヘルともう一度会いたいがために、十八年間も彷徨っていたということを。
 モンスターを使って直轄地を襲わせていたのは、カイムでした。少しでもアンヘルの苦痛を和らげようとしていたのです。

 激戦の末に、黒き竜の爆炎が赤き竜を撃ち抜きます。
 堕ちていくアンヘル。その先には……。

アンヘル「……カイ……ム……」

 ようやく名前を思い出すことができた大切な人間が、待っているのでした。

アンヘル「……我は……? カイム……」
アンヘル「お主、今まで幾度も我の声を聞き、ことあるごとに、救いに来てくれたのだろう……?」
アンヘル「どれほどの人間を敵に回したことか……。我は、何も、知らなかった……。気づくことができなかった……」
アンヘル「もう一度、お主に見えることを、あれほど待っていたのに……」

 アンヘルの鼻先を、撫でてやるカイム。彼女が大好きだった所作です。
 竜の目が気持ち良さそうに細まり……そして、そこから光が失われていきます。力尽き、崩れ落ちるアンヘルの巨体。

 紅い炎が、赤き竜の身体を包んでいきます。炎に包まれて崩れていきます。
 カイムはアンヘルに寄り添ったまま、その場から動こうともしません。

 思い出によぎるのは、竜と始めた会った時のこと。
 憎しみをぶつけ、侮蔑の目をぶつけられ、反目し合いながらも、ただ生き残るために手を取り合った。
 それから二人でどれだけの血を流し、殺し、生き抜いてきたのだろうか?
 彼女と離れ離れになる時に、とうに枯れ果てたはずの涙が自然に溢れてきた。その時、初めて自分の感情に気づいたカイムでした。
 今は……今は、涙は流れません。今の自分の感情に気づいているカイムには、その必要がないことが分かっているからです。

 最期に、振り向いたカイム。
 復讐に生き、怒りに燃え、人を信じず、思いを伝える言葉を失った戦士。
 灰になっていきます。塵と化していきます。
 命を共有している赤き竜が燃え尽き、同じ様に、消えていきます。

 一度だけ、穏やかに微笑んだような気がしました。


アンヘル「もうよいのか、カイム?」

 ――ああ、行こう。共に――


    (ドラッグ オン ドラグーン1は、ここで完結)




 さぁ、アンヘルの死によって最終封印が解けてしまいました。これでまた「再生の卵」が出現してしまいます。
 よく考えてみるとマナのせいです。よく考えてみなくとも、やっぱりマナのせいです。

 己の罪を直視することができなかった悪女が、罪滅ぼしと称して犯してしまったあやまち――
 この女、世界を滅ぼすのはこれで二回目なんです。もういい加減にしてください。

マナ「蛇が来る……蛇が来る蛇が来る蛇が来る! ごめんなさい、おかーさん! やめて、ごめんなさい!」

 そして当の本人は、真っ先に精神崩壊を起こして狂気の中へ引篭もってしまうのです。誰か、この女をなんとかしてください。

ドラゴン「来るぞ……」

 空が、割れます。
 十八年前の悲劇と狂気が、繰り返されようとしています。今度は何が降って来るのでしょうか? また、空一面をキモウトが覆い尽くすのでしょうか? それとも今回はキモ姉? ○○○○○が溢れて○○を○○まくるのでしょうか? ○○が○○して、××まで行っちゃったりするのでしょうか?
 はたして人類は生き残ることができるのか!? 縋るべき希望の光はあるのか!?

 
 ハイ。管理人がご案内できるのはここまでです。あとはいつものように、ご自分の目でしかと確かめてください。
 誰が、どのようにして、悪女の不始末の尻拭いをすることになるのかを。

 そしてその時、貴方はこのレビューの冒頭の一文を思い出すことになるでしょう。

 この物語は、年上萌えの前に“真実の愛”が破れ、狂い、堕ち、無残に散っていくサマを描いた、狂った世界のお伽話である……と。



ゲームとして
 もはや娯楽として成り立っていなかった前作とは違い、ちゃんと遊べるようになって帰って来ました。しかしその反面、シナリオが薄っぺらくなってしまっています。さらに声の演技も酷すぎます。メインキャラの内で上手いのはユーリックだけ、それ以外は壊滅的な大根役者ばかりであります。特に主人公とヒロインがどうしようもなく下手糞なので、これが作品全体に影響を及ぼして、シナリオの軽薄さを際立てているみたいです。

 ですが! ここで一つだけ断っておきたいことがあります。どういうわけか本作の声優さんは、「嫉妬イベント」になると演技が光り始めるのですよ! 特に顕著なのはエリス役の人です。普段は大根っぷりをあますことなく披露してくれるのですが、嫉妬イベントになった途端に別人のようにイイ声で鳴いてくれるのです。
 つまり、このサイト的には「だったらノープロブレムじゃん」という結論に落ち着くわけです。だから本作は「良作」。二千円前後で売っていたら、嫉妬好きならば買いですよ! ちなみに、普通の人なら「凡作」レベルではないかと。


ドラッグ オン ドラグーン2  総合評価
嫉妬度 ★★★★☆☆☆☆☆☆4
修羅場度 ★★★★★★★☆☆☆7
ヤキモチ量 ★★★★★☆☆☆☆☆5
変な魅力 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆2


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あやかしびと

 PN「田畑」様からのタレコミレビューです。


もとはPCゲームでしたがPS2に移植されたました。
ジャンルは青春学園物+伝記物+バトル物とごった煮感がしますが、それが上手く混ざった作品。
本作は、月姫、FATEでお馴染みの、奈須きのこ先生も絶賛するほどのもの。一度お試しあれ。
嫉妬度は高く、攻略ヒロインには必ず嫉妬描写があります。しかし、修羅場となるまでの嫉妬は一つぐらいしかありません。
コメディ系の嫉妬が大多数です。
変な魅力についてですが、この作品は、脇役の男性キャラが大変魅力的であり、主役やヒロインを食ってしまう脇役が多数というかほとんどです。
まぁ私から言えることは是非やってみて下さい。としか言えません。

あやかしびとPS2版についてですが、
追加の『逢難』ルートですが、なんかとってつけた感が強く、ドミニオンのメンバーは出て来ておらずエンディングは二つ有りますが、刀子と別れて、逢難を選ぶか、逢難を捨てて刀子を選ぶかの選択。
刀子のオマケ追加ルートみたいな感じで受け取って貰うとわかりやすいです。
ちなみにこのルートのラスボスは刀子さんです。
双一を斬りに来ています。
刀子好き、というか、刀子狂いにはお勧めします。
後追CGは漢度が高いが、所詮はCG…腹の足しにもなりません。嫉妬をもってこいと怒鳴りたいです。


あやかしびと  「田畑」様の総合評価
嫉妬度 ★★★★★★☆☆☆☆6
修羅場度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆2
ヤキモチ量 ★★★★★★★☆☆☆7
変な魅力 ★★★★★★★★★★10




 管理人です(補足レビュー)
 
 当サイトの常連である田畑様から、サイト内イベント「管理人のお葬式(5/7-5/8)」時に香典として頂いたレビューです。こういうモノを貰えるのならば、たまには不幸をアピールして同情を誘ってみるもんですねー。

 さて、管理人からも補足しておきます。PS2版「あやかしびと」は、2005年に18禁PCゲームとして発売された同名の作品のCS移植作です。2005年といえば、修羅場ゲーの代表作『スクールデイズ』・ヤンデレの代名詞『SHUFFLE!アニメ』が登場した超当たり年。その影響で普段は殆どエロゲーをしない管理人も(実はちょっと苦手なんです)、鬼のように買い漁ってはプレイしたものです。某所まとめサイトのリストをですね、プリントアウトするんですよ。そのリストを片手に握り締めて、毎日帰りにショップへ寄っては、新品の棚も中古の棚も新旧ソフトを問わずに手当たり次第に掴んで、レジへ持って行ったものです。そんで家に帰ったらインストールするなり、すぐに「スキップ」。嫉妬・修羅場シーンにかかるまではその時間さえも惜しいのです。お目当ての修羅場入ったら、データのバックアップをとるなり、ボイスを録音するなり、会話文をメモにとるなりして、あとはひたすらに萌えまくる……そんな生活をしていました。今はもうあまりエロゲーには手を出さなくなりましたが、当時は基本となる作品から応用作まで手広く見聞しましたよ。この荒行があってこそ、今こうして「嫉妬」を論じられるだけの下地ができたような気がします。……まったく人に自慢できることではありませんが。
 話がだいぶ逸れましたが、そんなわけで管理人は本作のPC版(エロゲー版)の方をプレイしたことがあります。ただ当サイトは建前上18禁ゲーを紹介しないことになっておりますので、管理人のレビューはあくまでも「参考に」ということで、お願いします。また、今回は全年齢で引っ張ってこれる画像が一枚もありませんでした。……ので、テキストオンリーです。残念です。

 本作の特徴は、菊地秀行系のシュブナイル伝奇小説の血統を色濃く継いでいることです。ゲームでは『東京魔人学園剣風帳』『九龍妖魔学園紀』なんかが非常に近い存在です。絵師がニトロ+の名作『吸血殲鬼ヴェドゴニア』の中央東口氏であることもあって、発売当時は「ニトロのゲームよりもニトロらしい」などと言われておりました。
 ――とにかく、キャラクターが熱い。熱いんです! エロゲー・ギャルゲーではまるで雑草のような扱いをされることが常である「男キャラ」、それが本作では異様にカッコイイんです!  シナリオを書いているのは、ヒロイズムというもののあり方をよく理解したライターさんだと思います。私にとっても印象深い作品であったので、語り始めると紙面がいくらあっても足りません。作品の概要は、とりあえずこの程度にしておきたいと思います。

 突然変異的に妖怪の力を手に入れてしまった人々――「人妖」と呼ばれる人々が、神沢市という一都市に隔離されるようにして暮らしている、そんな日本でのお話。人妖収容施設から脱走してきた主人公“如月双七”くんと、大妖怪九尾の狐の娘っ子である化け狐“すず”の二人は、この神沢市で生活していくことになります。辛い半生を送ってきた双七くんが、まわり全員人妖だというこの都市で学園生活を送ることになり、仲間との絆や守るべきものの価値に気づいていく……というお話です。この作品の見せ場となるのは、時には血を滾らせるバトルであり、時にはほろりと泣かせる人情話であり、そして時には背筋を凍らせるような――「嫉妬」なんです。

 本作の代表的な嫉妬といえば、次の二つですね。ちょっとだけいつものようにピックアップしてみましょうか。
  • 1..刀子先輩の「鬼嫁の嫉妬」
  • 2..すず vs 薫さん の修羅場
1.刀子先輩
 一乃谷刀子さんは年上の三年生です。妖怪能力は「怪力」であること。それを活かして剛剣を操る強力な剣士でもあります。設定的にはたぶん、主人公よりも強いのではないでしょうか。しかし普段の彼女は楚々とした日本美人で、家に帰れば神社で巫女さんをやっているくらい。というか、私服は巫女服しか持っていないとゆう慎ましさ。みんな憧れの大和撫子なんです。……が、そんな彼女にも、はしたないところはあります。
 その数少ない彼女の浅ましさこそが、「嫉妬」です! 彼女のやきもちは泥棒猫に対して向けられるものではなく、主に彼氏――主人公の方へと向けられます。すなわち、 「鬼嫁」なんです。

 *“トーニャ”というロシア人の女子をお見送りするシーンでのこと。

露女「刀子先輩にヤキモチ焼かれると怖いので、このへんで」
双七「刀子さんはヤキモチなんか焼かないだろ?」
露女「……そうですかね」


 トーニャは意地悪な娘さんなので、ここでいたずらを思いつきます。
 ニヒヒヒヒと微笑んで、双七くんに抱きつくんです。

露女「ん……ちゅ。おまけに……ちゅ」 (両頬にキス)
双七「とーにゃ!?」

 背後から、何か爆発音が聞こえてきます。

露女「何驚いているんですか。単なるロシアの挨拶ですよ? それでは如月くん、また明日、学校で」

 去っていく、ロシア娘。呆然と見送る主人公。
 そしてマンションへ戻ろうとすると……入り口の壁が、鉄球でもぶつけたように大きく窪んでいるのです。

双七「た、ただいま……」

 部屋の中に漂っているのは、闇のオーラ。
 すずが部屋の奥で、尻尾を丸めてガクガクブルブル震えています。

刀子「……双七さん」 (低く、奈落の底から響くように)
双七「……」
刀子「トーニャさんとお仲がよろしくて。ええ、実に結構なことです」 (にこやかな微笑み。背後には火山噴火)
刀子「双七さんって、だ・れ・と・で・も! ……仲良くなってしまうみたいですねぇ」 (菩薩の笑み。背後はボルケーノ)
双七「い、いや、あの、それはいきなりでですね、回避する余地がなくてですね」
刀子「別に言い訳しなくとも、仲良きことは美しきことかな、ですから……!」
すず(双七くん! さっさと謝りなさい! 言い訳、土下座! 言い訳と、土下座!)

双七「あ、あの、さっきのは……」
刀子「さっきの、キ・ス!」
双七「……」
刀子「……が、どうかなさいましたか?」
すず「キス? ……あの陶器女と、キス、したの……?」 (すずも不穏な空気を纏わせ始める)

双七「あれは、その、単なる、別れの挨拶で」
刀子「まぁ、そうだったんですか」 (一瞬、表情が柔和なものに戻る。主人公、ホッとする)
双七「そうです、ええと、ロシアの挨拶で!」
刀子「ここは……ニ・ッ・ポ・ン! なのですけれど!」 (鬼)



 なお、刀子先輩の嫉妬をテーマにして、かの『沃野』の作者である焼津様が二次創作を書いておられます。タイトルは『嫉狂い』です。「Method of Entry」本館の方で公開されているはずですので、今すぐ飛んでいって読んでみてください。本編の刀子さんよりもちょっぴり過激(アレを切り落とそうとします)ですが、ノリとしては上手に再現されています。そういう怒り方をする人なんです。


2.すず vs 薫さん の修羅場
 飯塚薫さんは主人公の初恋のおねえさんなんです。双七の人妖能力は非常に危険なものであるため、子供の頃は神沢市ではなく孤島の収容所で監視される生活でした。そんな幼少時代の心の支えだったのが、"薫お姉ちゃん”だったのです。
 しかしある日、施設職員たちによって薫さんが性的玩具にされているところを目撃してしまいます(実は薫は、身体を差し出すことによって主人公を守っていた)。怒って能力を発動させる主人公、ブッ倒されていく職員たち。もうここにはいられません。まだ少年だった主人公は、それでも大好きなおねえちゃんの手を引いて、収容所から脱走しようとします。金網を乗り越えて、森を抜けて――追っ手を巻いて、ともかくどこかへ。
 そんな逃避行の最中のことでした。ドン、と、背中を衝撃が突き抜けました。撃たれたんです。地べたに転がった主人公は、いったい誰が自分を撃ったのかを眼にすることになります。――手を引いていた、薫おねえちゃんです。薫お姉ちゃんの人妖能力が、主人公を撃ちぬいたのでした。自分たちの力で、ここから逃げられるはずなんかない。もしこの島から出たら、そうして捕まってしまったら、この子も私ももっとひどい目にあってしまう。だったら今ここで……そう思ったゆえの、薫の凶行でした。
 しかし双七の背中を撃った時、彼女は悟るのです。自分には“力”があると。大事なものを壊してしまった時、薫もまた壊れてしまったのでした。

 気を失った双七は、薫の手によって再び施設へと引き渡されます。薫はその時の手柄によって施設を抜け、「人妖」を取り締まる公安のエージェントになってしまいます。
 最愛の女性に、裏切られた主人公。守りたかった人に、背中を撃たれた主人公。心身ともにズタボロです。撃たれた傷によって歩くことができなくなり、辛いリハビリを必死にこなしていました。そんな彼をずっと眺めていたのが、子狐の「すず」だったのです。それ以来すずは双七のおねえさんとして、ずっと彼の側にあり続けました。そうして成長していった主人公は、「今度こそ」という想いを込めてすずを連れて収容所を脱出し、この神沢市へと逃げ込むことができたのでした。

 その薫が、どのツラ下げてか双七の前へ現れます。脱走した双七を連れ戻すエージェントとして。しかし彼女は公安内部の権力闘争に巻き込まれ、傷つき、双七の前で倒れてしまうのでした。かつての憧れの人の窮地に心乱された主人公は、彼女をかくまい、保護してやることにします。
 ……すずが、そんなことを、赦すはずがありません……。


<第一ラウンド(初対面)>

 病院で治療中の薫さん。その病室へ、すずが一人でやってきます。

すず「こんにちわ。はじめまして――よね。飯塚薫……」
薫「キミ……は?」
すず「すず。如月、すずよ」
薫「……双七君から、君の話は聞いている」
すず「彼の名を呼ぶなッ!」


 いきなり激昂するすず。

すず「オマエに、そう呼ぶ権利があるとでも思っているのッ!?」
薫「な、ちょっ!?」


 薫に飛びかかって、その首を絞めようとするすず。抵抗しようとすると――

すず「“逆らうな”」

 すずの能力である“言霊”です。すずは最高位の妖怪なので、言葉通りに相手を従わせることができます。非常に強力な呪いなのです。

薫「――ッ!?」(動けない)
すず「フフ。……怖いでしょう? なんだったら、失禁でもする?」(邪悪な笑み)
すず「なんで……なんでオマエがここに居るのよ! 双七くんを、一度裏切った癖に……! 裏切って、どのツラ下げて双七くんの目の前にいるのよッ! 犬畜生より劣るわ!」
すず「双七くんと同じ思いをしてもらうわ。双七くんがアンタに撃たれてどんなに苦しい思いをしたか、せいぜいその身で味わいなさい!」


 双七くんの苦しみ――それは薫に撃たれたせいで歩けなくなり、ズタボロになりながらリハビリを続けたこと。

“オマエの足は、動かなくなる”
“今、私と会ったことは、忘れなさい”


 ――その日から、薫さんは歩くことができなくなるのです。そしてどうしてそうなったのか、まるで思い出せません。


<第二ラウンド>

 双七は、すずを連れて薫さんのお見舞いに来ます。その最中に用事ができて中座することになり、病室にはすずと薫が二人きりになるのです。
 ……気まずい雰囲気が漂います。

薫「その、すずさん? りんごでも、食べる?」
すず「いらない、そんなの」 (忌々しげに)
薫「……」
すず「媚びても無駄よ。あなた、分かってるでしょ? 私があなたのこと、嫌っているって」
薫「……ああ分かる。嫌っているどころか、憎んでいることも」
すず「付け加えれば、殺したいとも思ってる。……やらないけどね、双七くんが悲しむから」
薫「……」
すず「分かっているなら話しかけないで。せいぜい、リハビリに励みなさい」


 すずに、どうして自分を嫌うのかを問います。

すず「……じゃ、教えてあげるから質問に答えて。『双七くんを背中から撃った時、どんな気分だった?』」
薫「ッ!?」


 そんなことをどうしてこの少女が知っているのか。薫さんにとっては不可解です。

すず「双七くんはわたしに、その時のことを何も話さないけどね。覚えていないのか、心に封じてしまったのか」
薫「……彼は、覚えていると言った」
すず「だから何? ハン、まさか! だから赦されたとでも思ってるの? 本当にそう思ってんなら吐き気がするわ! 双七くんは……双七くんはお人よしだから! アンタみたいな犬畜生にも哀れみをかけてあげんてんのよッ!」
薫「……」
すず「何か言い返すことはある? この下種ッ!」
薫「……ない」
すず「そうよ。それに、付け加えるならね――」

すず「アナタ、まだ双七くんの姉代わりでいるつもりなの? 生憎とそれはもう、わたしの役割なの。今の双七くんの姉は、わたしなの」
薫「――なッ!?」
すず「分からない? アナタはもう要らないって言っているの。飯塚薫は如月双七に必要ない存在なのッ!」



<第三ラウンド>

 またまたすずを連れて薫さんのお見舞いに来た主人公。病室に入ると、薫さんはシーツの中に何かを隠そうとします。それを見逃さなかったすず。
 すずは双七におねだりして、薫の前でことさらに自分のことを「お姉ちゃん」と呼ばせました。「お姉ちゃん」――それは本来、薫のための呼称です。勝ち誇った顔をするすずと、表情を曇らせる薫さん。いい気分です。

すず「ね、双七くん。女同士でちょっと話合いたいことがあるから、席を外してくれない?」

 いい気分ついでに、主人公を追い出します。薫と二人きりになると、本来なら幼さ爆発のロリキャラであるすずは、急に「女」の顔になるのです。
 情念を刻み付けた、「女」の顔に――

すず「あら、そんなにショックだった?」
薫「……別に」
すず「ふぅん、さっきは言葉を失っていたみたいだけど」
薫「……すこし、驚いただけだ」
すず「それより、さっき隠したものが何か、わたしは気になるなぁ」 (シーツの中を探ろうとするすず)
薫「……ッ!」
すず「“逆らうな”」


 言霊です。その一言だけで逆らえなくした薫から、隠したものを取り上げました。
 ……それは双七の写真でした。

すず「ふぅん」
薫「か、返して! それくらい、それくらい、構わないだろう!」
すず「どうしよっかなぁー」(破ろうとする)
薫「や、やめて……お願い、だから……」


 写真を破り捨てるか、双七に見せびらかすか、邪悪な笑みを浮かべて楽しそうに考えるすず。
 いや、そんなことよりもいいことを考え付きました。

すず「“足が動かなくなった時のことを思いだす”」

 その一言で、薫さんは思い出します。
 あの日すずに首をしめられて、そして言霊を――

薫「なぜ……」

 なぜ足を動けなくしたのか。
 なぜ足を動けるようにしたのか。

すず「第一の問いに対する答え。少しは双七くんの苦労も味わってもらおうと思ったからよ」
すず「第二の問いに対する答え。私があなたの生殺与奪の権利を持っていると、分かって欲しかったから」
すず「できれば双七くんの前から消えて欲しい。今すぐじゃなくてもいいけど、できるだけ早く」
薫「……断れば?」
すず「一生、歩けないままよ」



<第四ラウンド>

 主人公は今でも、いや、今だからこそ飯塚薫を愛していることに気づきます。その気持ちを告白し、薫もずっと彼のことを想い続けていたと返事をするのです。二人は結ばれました……その、肉体的に。で、ヤることヤって愛液臭い身体で家に帰ってきた主人公。それを出迎えるすず――

すず「どこ行ってたの?」
双七「え、いや――」
すず「んー……」(すずの顔が、どんどん険しくなっていく)
すず「ひょっとして――」

すず「飯塚薫のとこ……行ってたの?」(表情がなくなっていく)

双七「あのな、すず」
双七「薫さんのところに居た。それで――」
すず「……ッ!」


 双七に背を向けてどこかへ駆け出そうとするすず。彼女を止めようとすると――

すず「“手を離せ! その場に止まれ!”」

 双七は、言霊通りにその場で固まってしまいます。

すず「……どうして?」
双七「すず……!」
すず「どうして、あんな女を好きになるのよ! 双七くん、あいつはキミを殺そうとしたんだよ!? どうして……どうしてよ!」
双七「それ、は……」
すず「……ゴメン。わたし、自分でも分かってる。無茶なこと言ってるって、分かってる。でも……」


すず「あの女だけは、許せない!!!」

 すずの顔は、歪んだ泣き顔でした。
 そして出て行くすず。彼女の行き先は、もちろん、あの女の病室です――

すず「こ、の……雌豚! 双七くんに手を出したのねっ!?」
薫「……」
すず「そう、そうなのッ!? アハハハハ! 双七くんを篭絡していい気になってんのね、この下種ッ!」
すず「なら、こういうのはどう? あんたが双七くん以外の男が欲しくてたまらないようにしてあげる。あんたが他の男のモノを咥え込んでいる姿を見たら、いくら双七くんでも夢から覚めるでしょうよ!」
薫「……」


 はてさて、薫さんは淫乱ビッチに成り下がってしまうのでしょうか!? この続きはご自分でプレイして確かめてください。

 
 ……というわけで、PC版の嫉妬をいくつかご紹介しました。
 PS2版ではどこまで再現されているのか分かりませんが、管理人からの補足レビューは以上です。

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まぶらほ

誰が誰だか分からないけど、
なんだかヤキモチに溢れたこの表紙。
 PN「田畑」様からのタレコミレビューです。


富士見文庫から出版されている学園物のラブコメ小説。
魔法が誰にも使えますが、使用回数が産まれながらに決まっており、それを越えると死にます。

ちなみに使用回数の平均は
一般人が数十回
エリートが数百回
ヒロイン達にいたっては数万回

そんな中主人公は、祖先が偉大な魔法使い達で占められおり遺伝子的には最高なのですが、なぜか8回しか魔法が使えないというギリギリの存在。
それでも、遺伝子的には最高なのでその遺伝子を巡ってヒロイン達が押し掛けてきます。
これだけでは、エロゲーのノリですが、あまりエロくはありません。

メインヒロインの夕菜は最初こそ、主人公が他の女とイチャイチャしてても、泣いたり、目を伏せたりと清純路線でしたが
回を増すごとに攻撃的になり、主人公に対して魔法を筆頭に鎖、鋸等を使用。現在の彼女のポジションは清純風武闘派

他のヒロインも


ツンデレ
今現在はデレ期であるが、嫉妬すると日本刀を使用。
イメージ的には、ラブひなの素子

風椿
お嬢様系+お姉系
物語の司会進行役みたいなポジション
嫉妬描写は最近書かれ始めている。

現在も連載中であり
本編14巻
基本的には一話完結のドタバタラブコメ嫉妬度は巻を増すごとに強くなります。
長編4巻
シリアス、嫉妬度は期待できません。
メイド編3巻
嫉妬度は高め、主人公を巡り、ヒロイン達とメイド達が戦争しています。

この作品は、アニメも出てますが、正直お勧め出来ません。ウーム、灼眼のシャナとは逆ですね。
また鎖や鋸の使用は小説版のみですが、コメディ色が強いので、管理人様の期待に答えれるかは疑問です。



まぶらほ  「田畑」様の総合評価
嫉妬度 ★★★★★★★★☆☆8
修羅場度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆1
ヤキモチ量 ★★★★★★★★★☆9
変な魅力 ★★★★☆☆☆☆☆☆4




 管理人です(未レビュー)
 
 田畑様から、またレビューを頂きましたよ。管理人はまだ読んだことがないので、そのうち手に取ってみますね。


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