ガイド
嫉妬さがし中
みんなも何かあったら教えて。

さがし中




グローランサー2

 アトラスから2001年に発売された「グローランサー2」です。我ながら古い作品を持ち出してきたもんだ。

概要
 前作・グローランサー1から一年後の世界。戦乱の傷跡を残しながらも、人々は逞しく復興と協調への道のりを歩んでいました。そんな中、インペリアルナイトを目指す少年・ウェインは、王国の田舎街で起こっている異変の調査を任じられます……。
 あの名作の続編がPS2で登場! ――という触れ込みでファンを絶望のずんどこに叩き落した、クソゲー。


むむ、太もも……。い、いや、必要なのは嫉妬だ!
 最初に断っておきますが、本作は有名なクソゲーです。前作(グローランサー1)は作りこまれた世界観と長大なストーリーが好評を博し、隠れた名作とまで謳われたものなんですが、本作では「あからさまな手抜き」によってファンの期待を悉く裏切ってしまったからなんです。マップはなくなるわ、武器の概念もアイテムの概念もなくなるわ、十数時間でクリアできるわ。そんなわけで、クソゲーなんです。はい。
 しかしそれでも、見るべきところはあります。それが――太ももと“愛憎劇”です。(今回は、ここで敢えて“嫉妬”という単語を使いません)

 本作の主人公は“ウェイン”。→のパッケ画像の手前にいる、やたらと華奢なカチューシャ少年です(イラストレーターである“うるし原智志氏”本人の画集では、女の子化されているほど)。ゲームは、彼がバーンシュタイン王国(前作の敵国)の士官学校に入学するシーンから始まります。王国では「一人で百人の兵士を相手にできる力量を持った、学問・人格共に人々の模範になれる騎士」のことを“インペリアル・ナイト”と呼んで、これを国軍の最高責任者に据えています。現在のナイトはたったの三名で、彼らは大陸中の憧れの的です。主人公は、この“インペリアル・ナイト”になりたいという夢を抱いて、士官学校の門をくぐります。
 ところがここで、隣国ローザリアとの戦争が勃発します(この戦争をローザリア視点で語っているのが、前作グローランサー1の物語です)。最終的には、裏で糸を引いていた悪者を倒すことによって誤解が解け、両国は和平を結ぶことになります。しかし戦争によって死んでいった多くの兵士たちが、それで帰ってくるわけではありません。前作のエンディングから一年後、主人公は生き残っている数少ない士官の一人になっていました。
 そんな状態ですから、彼は若くして部隊長に抜擢されることになります。新たに二人の部下もつけられました。一人は“ハンス”という少年。主人公のことを「師匠」と呼んで慕ってくる、どこまでも忠実な舎弟です(パッケ画像の左下)。そしてもう一人が――はい、ここでヒロインの登場!

「シャルローネ・クラウディオスです」(キッ)

  俺の後輩になるんだな
  生意気そうだな
  けっこう可愛いな

シャルローネ「(…ジロ…)」

 パッケ画像右下の赤い服の女の子、弓使いの少女がシャルローネ(通称シャロ、CV:川上とも子)です。今回はこんな見づらい画像しか引っ張ってこれなかったのですが、素晴らしい太ももの娘さんなんです! しかも描いているのは、あのうるし原先生! ぷりんぷりんの質感肌を描かせたら五十年に一人の逸材ですから、そりゃあもう眩しいばかりの太ももです。もちろん、穿いているのは見えそうで見えないホワイトプリーツのミニスカートですので、みなさまご安心くださいっ!
 ……が、見栄えはよくともこの娘、、性格は可愛くありません。初対面の時からしてそうですが、上官であるはずの主人公をこれっぽっちも尊敬していません。イヤイヤながら従ってやっているという具合で、感じ悪いです。「アンタたちなんか、眼中にないのよ」――暗にそう言っているようにも見受けられます。
 それもそのはず、実はこの娘は、大貴族であるクラウディオス家のご令嬢だったのです。主人公もハンスも平民出身ですので、馬鹿にしているのでしょう。しかもシャルローネの夢は「王国史上二人目の女性インペリアル・ナイトになること」ときたもんですから、目標が被っている主人公に敵対心をもつのは、当然のことなのかもしれません。

シャロ「……」(キッ)
ウェイン「どうしたんだ、シャロ?」
シャロ「……別に」
ウェイン「?」
シャロ「私、あなたには負けませんから!」


シャロ「遺跡を見ると目つきが変わるのね」
ウェイン「そうかな」(主人公の父は考古学者だったので、遺跡が気になる)
シャロ「そんなに興味があるのなら、騎士じゃなくて学者になったら?」
ウェイン「……」

シャロ「インペリアル・ナイトは、強いだけではなく、知識や態度など全てにおいて模範でなければなりません」
ウェイン「知っているさ。だから、がんばっているんだ」
シャロ「……ふん」


 な、なんだかちょっと、マジで腹が立ってきました……。しかしここでヘソを曲げてしまってはゲーマーの名折れ。これはきっとアレですよ、ツンデレというやつですよ。今はツン期なだけであって、物語も後半になれば凄いデレが来るはずです。だから、今は我慢してプレイを続けることにしましょう。

 そんなこんなで、主人公に新たな使命が下ります。主人公の士官学校時代の親友(名前はマックス)が、今は大臣になっているのですが、彼におつかいを頼まれるのです。隣国ローザリア経由の長旅になるので、ウェインは部下の二人を引き連れてバーンシュタインを出発します。その道中、シャロの父親が統治している街に立ち寄ることになりました。
 彼女の実家は、ものすごい豪邸です。トイレへ行くのだけでも十分以上かかります。おしっこした帰り、お屋敷の中で迷子になってしまったウェイン。きょろきょろしながら廊下を歩いていると、奥まった一室からシャロの声が聞こえてきました。誰かと話をしているみたいです――

シャロ「お姉ちゃんも頑張っているから、あなたも頑張らないとね」
???「うん……」


 話相手は、シャロの弟のようでした。弟は病弱で、非常に難しい手術を受けないと大人になるまで生きられないそうです。しかし彼は手術を怖がって、治療を拒んでいました。そこでシャロは「お姉ちゃんも難しい夢を叶えてみせるから、あなたも病気と戦って」という約束を交わしたのです。つまり、シャロが『インペリアル・ナイトになる』という目標を打ち立てたのは、弟を勇気付けるためだったのでした。そんな経緯を、廊下から立ち聞きしてしまったウェイン。シャロも生意気なだけの娘さんではなかったようですね……。

 さてさて、旅は続きます。シャロの街を出発したウェイン一行は、一面にルリハコベが咲き乱れる花畑の側を通りがかりました。その美しい風景を眺めながら、主人公は過去に犯してしまった過ちを思い出し、寂しそうに心の傷を語り始めます。彼は父親に連れられて旅をしていた子供の頃、こんな感じの花畑で、蒼い髪の少女とよく遊んでいました。しかし会えるのがこれで最後になるというその日、彼女と一緒に遊ぶという約束をしていたのに、ウェインは事情があって遅れてしまったのです。夕刻、彼が急いで花畑へ向かった時には、もう誰の姿もそこにはありませんでした。ただ彼女が愛用していたオカリナだけが、残されていたのです――

シャロ「つまり、隊長はその女性との約束を守れなかったわけですか」(冷)
ウェイン「……」


 前言撤回。やっぱこの女、生意気なだけですっ!
 容赦なくトラウマをえぐるシャロをスルーして、思い出のオカリナを吹いてセンチメンタルに浸る主人公。……するとどこかから、人の気配が感じられました。目を向けると、そこには蒼い髪をした女性が……。(パッケ画像でシャロの上にいる女の子。名前は“アリエータ”)
 ……似ている。思い出の少女に似ています。きっと偶然なのでしょうが……。でも、モンスターが出没するこんな場所に、女性が一人でいるのは危険です。そう思ったウェインは、彼女に近寄って話しかけてみました。しかし少女は「私は大丈夫」とだけ言い残して、またどこかへ行ってしまいます。

ハンス「あ〜、師匠! 任務中にナンパですか?」
シャロ「任務中に、不謹慎です!」
ウェイン「ちがうって。一人でいたから、気をつけるように言っただけで」
シャロ「ふぅ〜ん……」


 さらに旅は続きます。“時空制御塔”と呼ばれる遺跡(前作のラストダンジョン)の近くまでやってきました。制御塔はかつて激しい戦いのあった場所で、今は観光名所となっています。どうせだから見学していこうか、ということになりました。
 おのぼりさんよろしく、ツアーガイドに連れられて制御塔内部を見て回るご一行さま。ウェインがガイドの説明に聞き入っていると、向こうの方に蒼い髪の女性を発見します。あの時の少女? ――無意識のうちに一団から離れ、彼女の方へと歩み寄っていく主人公。しかしアリエータは、何かわけのわからないことを呟いた後、彼に気づくことなくその場から立ち去ってしまいます。

ハンス「師匠〜!」
シャロ「えっ?」


 主人公がいないことに気づいたハンスとシャロが、追いかけてきました。

ハンス「……ああ、なるほど! そうだったのか! この間の彼女に目をつけていんだね!」
シャロ「隊長」
シャロ「隊長のプライベートに口を出すつもりはありませんが、今は作戦行動中です。そのような行動は慎んでください」
ウェイン「いや……そんなつもりは……」
シャロ「言い訳はしなくても結構です。それより、今後は気をつけてください」(向こうへ行ってしまう)
ハンス「…シャロの奴、何、怒ってるんだろ?」


 ……やきもち? やきもちなんでしょうか? 「女の子の嫉妬」専門家を名乗る管理人ですが、これは唐突すぎてちと判別に困ります。ここに至るまで、彼女の恋愛フラグを立てた記憶もありませんし……。ま、まぁでも、妬いてて悪いということは絶対にありません。嫉妬は正義。これはやきもちであるということにしておきましょう! ビバ、嫉妬!!

 そうして長かったおつかいの旅も無事に終わり、帰途につくことになったウェイン一行。
 しかしその途中で、マックス(ウェインの親友で大臣のことね)の使者が待ち構えていました。とある村の側で、マックスが主人公のことを待っていると聞かされます。待ち合わせ場所に行ってみると、そこは村はずれの水門でした。彼はこんなところで、一体何の話があるというのでしょう? 
 ウェイン達の姿を確認したマックスは、にやりと笑うと……突然、水門の堰を破壊しました! 堰き止められていた水流が一気にあふれ出し、村と人々を押し流していきます! 水門の傍らをよく見ると、警備をしていたローザリア兵たちの死体まで……。マックスが殺したのでしょうか? 彼はどうしてこんなことを?
 混乱する主人公達をよそに、現場に大勢の兵士たちが集まってきます。その場にいた主人公達は、水門を破壊した犯人に仕立て上げられてしまいました。濡れ衣を着せられ、ローザリア兵たちに追いかけられ、首に賞金までかけられて、自国に帰ることさえできなくなってしまったウェイン。完全に孤立状態です。

シャロ「どうして私がこんな目に……」
ハンス「あの大臣、最初からオイラたちをはめるつもりだったのかな?」
ウェイン「さあな……」
ウェイン「俺は未だに信じられないよ。マックスが俺をハメたなんて」
シャロ「あの状況を見て、まだそんなことを言うつもりですか!」

 追い詰められてパニック状態のシャロ……。
 もはや自制心を利かすことができず、ヒステリーを起こします。

シャロ「もう、信じらんない! あなたのような人が隊長なんて、最初から変だったのよ!」
ウェイン「シャロの言うことももっともだけど、やっぱり俺には信じられないんだ」
ウェイン「とにかく、マックスに会って直接確かめよう」
シャロ「どうやって会うつもりよ!」
ウェイン「シャロ……」


 上官への態度も、騎士としてのプライドも、どこ吹く風。ただもうぎゃあぎゃあ喚くだけの彼女。

シャロ「私たちを陥れた張本人が、会うわけないでしょ!」
シャロ「それどころか、バーンシュタインにだって戻れやしないわ!」
シャロ「ああ、こんな平民騎士の従者にされなきゃ……。こんな目に会わなかったのに!」
シャロ「なんて不幸なの……」
ハンス「そんな、オイラたちが悪いみたいな言い方……」
シャロ「だってそうじゃない!」
シャロ「あの大臣が、ウェインを狙った! だから私までとばっちりを受けたんじゃない!」


  素直に謝っておこう
  言うだけ言えば落ち着くだろう
  どうして俺のせいになるんだ?

 さぁて、貴方なら、どう返事をします? ここは上官らしく、ビシッと部下の甘えを叱りつけてやるのもいいですね。……ですがまぁ、今回は異常事態ですから。未熟なシャロがパニックを起こしてしまった気持ちも分かります。ここは彼女を落ち着かせるためにも、上に立つ者としての度量の深さを見せ付けてやることにしましょう。
 ……それにですね。ここでしおらしい態度をとった方が、シャロに「あの時、彼を傷つけてしまった」という“負い目”を作らせることができるじゃないですか。女性に作らせた“負い目”というものは、往々にして自分に従属させるための足がかりになります。ええっと、このサイトに来られる方ならば、“SHUFFLE!の芙蓉楓”を例に挙げればすぐにピンとくるのではないでしょうか? あれは二次元のお話ですが、狡猾に用いればリアルでも充分通用する手法ですよ? たぶん、プロのナンパ師の方も同じようなことを言うと思いますが――ま、まぁ、こんな偏屈なサイトでいつもヲタっぽい発言ばかりしている管理人が言っても、説得力はありません。その辺は専門のサイトで調べてみてください。

ウェイン「すまなかった」
シャロ「……」
ウェイン「君の言う通り、狙いは俺だろう。俺なんかといたばかりに……」
シャロ「……」
ウェイン「せめて君の潔白だけは証明してみせる。いざとなったら、俺のせいにすればいい」
シャロ「……隊長……」
ウェイン「だから、安心していろ。な?」
シャロ「……」(押し黙って俯く)


 よしっ! ちょっと効いたみたいです! 後でフラグを立てる伏線になるといいですねぇ。
 ……と、こんなことで喜んでいるわけにもいきません。まずは濡れ衣を晴らさなければいけません。マックス(?)が水門を破壊した時、その光景を目撃していた人物がもう一人います。“カレン”という看護婦さんです(1をプレイした人なら分かると思いますが、あのカレンさんです。近親相姦娘のカレンさんです)。自分達の無罪を示す証人になってもらうため、そのカレンさんの診療所へ向かうことになりました。
 ところが診療所はもぬけの殻でした。ムチムチボディの看護婦さんがいる代りに、ムキムキボディの戦士がいました。彼の名はゼノス、カレンさんのお兄さんにして近親相姦の相手です。ゼノスからカレンさんが薬草を採りに行っていると聞いた主人公たちは、早速彼女を追って山中へと足を向けます。その道中、彼らはこんな立て札を見つけました。

シャロ「……あ……」
ウェイン「どうした?」
シャロ「……」
ウェイン「なになに……」
ウェイン「『バーンシュタイン王国は、女性のみで編成されるユニコーン騎士団を組織する。騎士団長は現女性インペリアルナイト、ジュリア・ダグラスが務める』」
ウェイン「『入団試験は○月△日。当日までに直属上司のサインを所定用紙に記入の上、司令部まで提出のこと』」
ウェイン「そうか。いよいよか」
シャロ「わたしも、試験受けてみたかった……」


 史上初の女性インペリアルナイトであるジュリア(前作のジュリアン)は、シャロの憧れの人物でした。
 ジュリアの騎士団に入団できたならば、自分の夢にまた一歩近づけるかもしれません。でも……今のこんな状況で……。

ウェイン「諦めるのか? 君らしくもないな」
シャロ「だって……」
ウェイン「試験までは一ヶ月もあるじゃないか。急げば間に合うさ」
シャロ「でも……」
ウェイン「大丈夫。試験当日まで受け付けてるんだ。推薦状なら書いてやる」
シャロ「本当ですか!?」
ウェイン「ああ。だから早くカレンさんに会って、容疑を晴らそう」
シャロ「はい!」


 イイ感じで信頼関係が芽生えつつあります! ようし、これを契機に一気に落として見せますぜ! 美味しそうな太ももを180°に開かせてご覧にいれますぜ! げへへへ……。
 さて、カレンさんが薬草採取に使っている洞窟の前までやってきましたが、そこには沢山のならず者が待ち構えていました。どうやら賞金首である主人公たちを捕まえるため、先回りしてカレンさんを人質にとっていたみたいです。しかしゼノスとハンスが機転を利かせて、うまいことカレンさんを救出することに成功します。

ゼノス「カレン、無事か!」
カレン「ゼノス兄さん!?」
ウェイン「無事でよかったですね」
シャロ「うん」


 近親相姦兄妹が抱き合うのを、微笑ましげに眺めている主人公とシャルローネ。
 しかし傍らの草むらから、ギラリと光る鈍い金属の光が……毒矢です! 先ほどの戦闘で生き残っていた弓兵が、その矢の先をシャロに向けていました!

弓兵「……く……このまま帰すか……」
弓兵「せめてあの糞生意気な女だけでも……」
弓兵「ヒドラの毒を塗った特製の矢を、食らわせてやる……」
弓兵「……死ね!」

ウェイン「ッ!!」
シャロ「きゃあ!」
シャロ「な、何をするの! 早くどいてよ!」(赤面)


 咄嗟にシャロに覆いかぶさったウェイン。
 不埒な行為に及ぼうとする上官に憤慨したシャロは、慌てて押しのけようとします。

ハンス「違うよ! これを見ろよ!」
ハンス「師匠はシャロを守ったんだよ!」
シャロ「……えっ?」


 そんなシャルローネに手を差し伸べ、主人公は優しく微笑みかけました。

ウェイン「……怪我はなかったか?」
シャロ「……え? ……あ……うん……」
カレン「傷口を見せてください!」
ウェイン「大丈夫、かすり傷ですよ」
ウェイン「化膿したら大変ですから!」


 カレンさんの診察を受けている間、ずっと心配そうに主人公を見つめているシャロ。……これは……いよいよフラグが立ったかもしれませんねぇ。太もも観音開きまでもう一息……げへへへへ。
 さて、これで無事にカレンさんと接触できたわけです。妹の証言によりウェイン達の無実を確信したゼノスは、自らバーンシュタイン国王を説得してやろうと申し出てくれます。なにせゼノスは前作で世界を救った英雄の一人です。バーンシュタイン王エリオットとも戦友の間柄ですから、頼もしいことこの上ありません。しかし例の水門破壊事件を発端として、バーンシュタインとローザリアは再び戦争状態へと突入しています。なんとかローザリアの包囲網を突破して、自国に戻る手段を見つけねばなりません。協力者からのアドバイスにより、山間のけもの道を通って帰還することに決めたウェインたち。カレンさんの診療所を後にします――すると、その時、ウェインの袖が引っ張られました。カレンさんがこっそり耳打ちをしてきます。

カレン「ウェインさん。これ、頼まれていた薬です」
ウェイン「ありがとうございます、カレンさん……」
カレン「本当は立っているのも辛いのではないですか? やっぱり休まれた方が……」
ウェイン「心配かけてすみません。だけど、急いでバーンシュタインに戻らなければならないんです」
ウェイン「ナイトになるのを、シャロが楽しみにしてるんです」
カレン「無理をすれば、命に関わるんですよ?」
ウェイン「……」
カレン「いいですか? 今より少しでも悪くなったら、絶対に休んでくださいね」


 どうやらウェインの負傷は、予想以上に酷いことになっていたようですね。それでも(任務とシャロのために)強行軍を敢行する主人公。しかし強がってはいても、体力は刻一刻と限界に近づいていきます。それでも仲間達にはひたすら隠し続けていましたが、ある日――シャロの前で、ウェインは立ちくらみでよろめいてしまうのです。

シャロ「隊長!」
ウェイン「……ちょっと、つまづいただけだ」
シャロ「つまずいたって……。すごい熱じゃないですか!」
ウェイン「大丈夫だ。腰のポーチに、薬がある……」
シャロ「……これですね?」
ウェイン「すまん……。……ふぅ……」
シャロ「隊長……。まさか、あの時の矢に……」
ウェイン「そんなに心配するほどじゃない。薬さえ飲めばすぐにおさまるから」
ウェイン「さ。それより、見回りが優先だ!」
シャロ「……」


 そして数日後、さらに険しい山道を進んで行く主人公達一行。草むらを掻き分けている最中に――ウェインは、遂に倒れてしまいます。

シャロ「隊長ッ!」
仲間A「どうしたの?」
シャロ「毒が残ってるのに……」
ゼノス「毒って、あの時の矢に毒が塗ってあったのか? どうして言わなかったんだ!」
ウェイン「カレンさんに貰った薬が、もう一錠ある……」
ウェイン「それにコムスプリングスに行けば、ちゃんとした治療ができるさ」
仲間A「……しっかり休んで、体調を戻してから進んだ方がいいわね」
仲間A「足を踏み外して崖下へ……なんて、しゃれにもならないわ」
ウェイン「……」


(薬はあと一錠。どうやってもコムスプリングスまではもたない。どうする?)
  しっかり身体を治す
  シャロだけを先に行かせる
  無理して進む

 頑張れ、男の子。リーダーとしてどうかという気はしますが、女のために血みどろになって歯を喰いしばるのが、ヒロイズムの正しいあり方であります。
 真っ青な顔をして、立ち上がる主人公。
「俺の身体のことは俺がよく分かる。みんなに心配はかけさせないさ」

 以降、主人公は常に猛毒状態になります。時間経過と共にHPがドンドン減って行きますので、急いで先へ進まなければなりません。

シャロ「……隊長……」
ウェイン「何だ、シャロ? 早くしないと置いていくぞ」
シャロ「……辛くないですか?」
ウェイン「俺のことはいいから、急いで王都に戻るんだ」
ウェイン「それに、試験を受けたいんだろう?」
シャロ「……」

シャロ「だけど……」
ウェイン「俺なら心配ない。王都までなら、もつさ……」
シャロ「だって、もう薬は……」
ウェイン「この程度なら我慢できるさ」
シャロ「だけど……」
ウェイン「君の、弟との約束を、果させたいんだ」
シャロ「隊長……」


 シャルローネはもう涙目状態です。ハハーン……読めましたよ、これがツン→デレの転機イベントになるわけですね! これならもう、落としたも同然ですっ!
 こうして決死の山越えを敢行した主人公達。ウェイン死亡まで残り四日、残り三日――本当にギリギリのところで、転がるようにして王都に辿り着きました。シャロの受験票にサインをした直後、昏睡状態に陥ります。……病院送りです。
 ウェインが集中治療を受けている間、ゼノスらの説得によってその嫌疑は晴れ、シャロは試験に受かります。万事めでたしめでたし……というわけですね。ただ水門破壊の真犯人が未だに見つかっていません。回復した主人公は、国王から直々に真相究明の任務を拝命します。ところで、シャロはユニコーン騎士団に入団したはずなのですが、「ことの顛末を見届けたい」とか言い出して、何故か主人公達に付いて来ようとします。これは……。

ウェイン「そういえば、まだ『おめでとう』を言っていなかったね。合格おめでとう」
シャロ「ありがとうございます……」
ウェイン「これで弟さんの手術が成功すれば、全てはうまくいく」
シャロ「……でも、よかった。隊長が元気になって」(赤面)
シャロ「もし隊長に何かあったら、私……」
ウェイン「え?」
シャロ「……ね、寝覚めが悪いじゃないですか!」


 落ちたね? これはもう、落とせたね? やったー、糞生意気太もも娘を倒しましたッ! 実にいい気分です。それではもうメインストーリーなんか放り出して、一気に告白イベントまでレビューを進めてしまいましょう。名実共に恋人関係になって、あの太ももを思う存分撫でくりまわしてやるのですっ!
 最終戦前の休日に、意中の人物をデートに誘うことによって、ヒロインが決定されます。これまたシリーズ恒例というか、呆れるくらいにワンパターンです。十年以上も前のギャルゲーみたいですね。ここのライターの辞書には、進歩という文字は書かれていないようです……。
 まぁ愚痴ってても仕方ありません。それじゃ、シャロを誘いますよ。

シャロ「一緒に、ですかぁ?」
ウェイン「そう」
シャロ「それは上官命令でしょうか?」
ウェイン「えっ?」
ウェイン「別に休暇だから、上官ぶるつもりはないけど……」
シャロ「ならば、お断りします。今日は、静かに休みたいので」
シャロ「では、失礼します」
ウェイン「シャロ……」

 
 あれ? あれれ? あれぇええええ!?? 
 振られちゃったッ!? ここまでやったのに、どうして、なぜ……?

 ハイ。実は本作のヒロイン・シャルローネは、難攻不落なことで有名を馳せたキャラクターなのですっ!
 調べてみた結果、彼女を攻略するためには以下の条件を充たす必要があることが分かりました。

  ・ユニコーン騎士団に入団させることは必須。
  ・主人公がインペリアル・ナイトに昇格する必要がある。(全ミッションを優秀な成績でクリアしなければならない)
  ・ゲーム中の好感度アップイベントを、漏らすことなく全て見つけ出さなければならない。(時間制限があって、非常に難しい)
  ・イベント中の選択肢は、決して間違えてはいけない。(修羅場検定以上に紛らわしい選択肢ばかりです)

 なに、この女?
 なに、この高慢さ?
 なに、この驕り高ぶりよう?


 もはや本作のライターを罵る気力もつきました。いくらなんでも条件厳しくしすぎです、攻略本なしじゃとても落とせたものではありません!
 ちくしょう、オレの大切な時間を返せ!!

 というわけで、これから本作の「嫉妬レビュー」に入ります。
 ええそうですとも。ここまでは前フリですよ! ビックリしましたか? 管理人ももうビックリですよ!

 でも今回、こんな構成にしたのにはちゃんとした理由があるのです。レビューを読んでいる皆様にも、管理人と一緒にこの生意気女への怒りを共有してもらう必要があったのです。ムカつくでしょう!? 許せませんよねぇ!? 言語道断ですよねぇ!? しかしココで腹を立てておけばおくほど、後でとても気持ちよくなれるのですよ。
 ですから皆様、ここはひとつ可哀想な管理人になった気分で、糞女への怒りと憎しみを心に刻みつけておいてください。
 それではレビュー本番 ――二週目、いきますよ。



二週目 〜美しき反逆

 クソゲーの二週目ほど虚しいものはありませんよねぇ……。こんな作品の攻略本なんて、手に入れる気にもなりませんし。
 しかし細心の注意を払ってプレイしていますが、どう考えてもイベントの取りこぼしがありそうです。選択肢も間違っていそうです。
 ……なんでこんな糞女のために、ここまでしているんでしょうか……。

 そもそもこの女だけ、どうしてこれほどにも条件が厳しいのでしょうか? それはきっと、大貴族のお嬢様だからって普段から他人を見下しているせいだと思うのです。いえ、そうに違いありませんッ!! 上官への返しきれぬ恩義を歯牙にもかけず、あんな酷い振り方をするのです。
 コイツは、そういう高慢この上ないカンチガイ女なんですよ!

 貴族がなんだって言うんだ! 身分制がなんだって言うんだ!
 ちくしょう、世の中が全部悪いんだッ!! 畜生………ふともも………。

 プレイしているうちに、ドンドンと心がやさぐれていきます。鼻を啜りながら、二回もくだらないストーリーを追いました……。
 前述の『水門破壊事件』の真犯人は、ある傭兵団の団長だったことが分かります。前作のエンディングの後、戦争が終結したために傭兵はお払い箱になってしまいました。それどころか彼らは、社会的に迫害される身になってしまったのです。戦争中は血を流して戦っていたというのに、こんな仕打ちは納得できません。そのことを怨んだ団長は、もう一度自分たちの存在意義を知らしめるため、両国が戦争を再開するように陰謀をめぐらせたのでした。
 そして今、団長は『傭兵王国』の独立を宣言して、大陸中の全ての国家に対して宣戦を布告しました。
 ウェイン達は、彼等反乱軍の前線基地までやってきます。するとそこには、首謀者である傭兵団長が待ち構えているのです。
 あれれ? これは、一週目とは違う展開です……。

傭兵団長「ウェインよ。……どうだ、俺達と組まないか? お前の力を貸してくれないか?」

 スカウトされちゃいました。
 彼ら傭兵王国の理想は、職業などで差別されない平等な国、ということらしいです。そのために今の王政も貴族制も打破して、民衆の民衆により民衆のための政治体制――共和制を打ち立てるつもりだと熱く語ります。

 ……うん。いいじゃないですか……。
 身分制がよくないんです。貴族制なんかあるから、どこぞの誰かさんみたいにカンチガイした糞女が量産されるわけです。
 だったらそんな物、ブチ壊してしまえばいい!!

 ウェインは傭兵団長の誘いを受け入れます。
 ……そうです、本作には分岐ルートが設定されており、選択によっては故国を裏切ったり、かつての仲間たちと戦ったりすることができるのです!!
 さぁ、革命の狼煙を上げますよッ!!

シャロ「隊長! 本気ですか!?」
ウェイン「あぁ。俺達でどこまでできるのか、試してみたい」
ハンス「だったらオイラは、師匠についていくよ!」


 忠実な舎弟・ハンスは、どこまでも自分に付き従ってくれるようです。いい奴ですよ、彼は。
 しかし一方のシャルローネは……。

シャロ「見損ないました、隊長……」

 やはり反抗するようです。あぁあぁ、お前はどうせそうだろうよ。ハナから期待なんかしてないさ、フン。そうやっていつまでもお高く止まってろ!
 傭兵団の仲間になるための証立てとして、その場でシャルローネ達を攻撃するよう命令される主人公。迷うことなく遂行します。……どこに迷う必要がありますか? 前回の失恋の恨みをありったけに込めて、強烈な一撃をシャルローネに喰らわせてやります!

シャロ「あぁ!?」
仲間A「シャロ! 退きなさい!」
シャロ「……ゆ、許さない……隊長……」


 尻尾を巻いて逃げ帰る糞女。
 やーい、ざまーみろ! あっかんべー、っだ! あー、スッキリした!

 こうしてウェインの傭兵団暮らしが始まります。なにせ三ヶ国を同時に相手どらなければならないので、かなり難易度の高いルートです。それでもかつての恩師を倒してみせたり、出撃してきた二人のインペリアルナイトを同時に撃破してみせたりと、連戦連勝。主人公のチームは傭兵団中の最強部隊として、一目おかれる存在になっていきます。
 さらに、古代の異形の魔物に身体を乗っ取られていた初恋の少女“アリエータ”(覚えていますか? 上の方で登場した蒼髪の女性ですよ)も、助けだすことができました。彼女は命を救われたお礼として、ウェインに協力すると申し出てくれます。アリエータは強力な魔術師なんです。
 どこかの誰かさんとは大違いですよ! いい娘です! 初恋の相手ですし、今回のヒロインは彼女でOKですね。っていうか、もうシャルローネはどうでもよくなってきています。

 こうしてウェインの部隊を先頭にして、傭兵王国軍はバーンシュタイン領土へと侵入していきます。しかし一気に王都を陥落せしめようとしていた矢先に、とある街で頑強な抵抗に遭って進軍が止まってしまいました。――ここはあの、高慢貴族女が統治していた街です。
 突破の切欠を作るため、ウェインの部隊が夜闇に紛れて内部に侵入し、騒ぎを起こして撹乱することになりました。
 身のこなしの軽いハンスを先に立てて、街中に忍びこみます。すると――

???「やはり来たみたいね」
???「あなたがいるから、きっと忍び込むと思ったわ」
ハンス「うっ! シャロ……」
ハンス「みんな逃げて! 発見された!」
シャロ「逃げられると思っているの?」

 潜入作戦は読まれていました! 完全に包囲されてしまっている主人公たちです。

シャロ「お父様の街で、好き勝手なことはさせない!」
仲間「どうするウェイン! 逃げるか?」
ウェイン「いや! このまま戦う!」
ウェイン「彼女を倒せば、ここの守備兵に心理的ダメージを与えることができる。このチャンスを生かそう!」


 あの女は、どういうわけか冷静さを失っています。ならばこの程度の包囲網を破ることは、さして困難ではない――そう計算したウェインは、突撃を命令しました。
 飛び交う弓矢、炸裂する魔法。シャルローネの矢が、ウェインの陣中にいる唯一の女性……アリエータに目をつけて、放たれますッ!

シャロ「あなたが何者かは知らないけど、あんな男のために戦うなんて……」
アリエータ「わたしはウェインさんに助けていただきました。その恩返しをしたいのです」
シャロ「その結果、私に殺されるかもしれないのよ? 愚かな女……」


 アリエータが誰のために戦おうと、お前の知ったことか、糞女! ――そう叫びそうになったウェイン(と管理人)でした。
 防御力の低いアリエータを守るため、仲間の一人が彼女をかばおうと矢面に立ちます。彼は主人公の親友マックスのそっくりさんで、あの『水門破壊事件』の実行犯です。この男を確認したシャルローネは、眦も裂けんとばかりに怒りを露にします。

シャロ「……お前が私たちを狂わせた! お前がいなかったら、こんなことにはならなかった!」
実行犯「私の存在自体を悪にするつもりですか? そんな、酷いな……」

 な、なんだかシャルローネの様子が変ですね……。こんな奴でしたっけ?
 戸惑うウェインをよそに、荒ぶる少女は矢を滅多やたらに乱射してきます。流れ矢が、ハンスの足元の地面に突き立ちました。

シャロ「あなたも馬鹿な子ね。あんな男についていくなんて!」
ハンス「ひょっとして、シャロ……。やきもちやいてるの?」
シャロ「な、何を……!?」
ハンス「本当は一緒に来たかったの?」
シャロ「う、うるさいッ!!」


 色白の頬を真っ赤に染めて、シャルローネは咆えます。もはや弓矢の狙いも定まらぬようです。このままでは敵味方関係なく、彼女の乱射の餌食になりそうです。早めに叩いておいた方が良いと判断したウェインは、武器を構えて前線に踊り出ました。かつての上官の姿を捉え――シャルローネは唇を噛んで柳眉を逆立てます。

シャロ「あなたはバーンシュタインを……」
シャロ「私を裏切った!!」
ウェイン「言い訳はしないよ。自分に正直になった結果だからね」
シャロ「……許せない!!」


 あ、あれれれ? あれ? それはひょっとして……。

シャロ「きゃあっ!!」(HP:0)
ウェイン「……」
シャロ「悔しい……」
シャロ「……今は引いてあげる。だけど、次こそ……」

シャロ「次こそ、あなたを、倒すわッ!」


 あれだけ瑞々しかった身体、あれだけ眩しかった太ももも傷だらけにして、走り去って行く少女。
 その頬を伝う、一筋の……。

 あれれ? あれぇ? シャルローネさん、それはひょっとして……。
 “やきもち”ですかぁ?



 ハイ。いかがでしょうか? 皆様はどういう気分でしょうか? 管理人は、とても気持ちいいです。気分爽快です!
 この場合の「嫉妬」は、厳密には当サイトで定義づけられた「嫉妬」に当てはまりません。なぜならば、“特定または不特定の女性に対する敵対心を伴う”という要件が欠けているからです。ですが、とても似通った感情ではあります。自分が捨てられた理由が「他の女への愛」にあるのか、「主義・理想への情熱」にあるのかの違いがあるだけです。そしてそれでも「彼女が捨てられた」という事実には両者共に変わりはなく、そのために心を病んで、いじけて、みっともない行動に出るという点も一緒なのです。特に男の子にとって「主義や理想や夢」というものは、時に「恋愛感情」以上に大切なモノになりかねません。そういった意味では、恋する乙女には下手な泥棒猫よりも厄介な存在なのかもしれないのです。私は本作のシャロの感情を「嫉妬に非常に類似したモノ」として位置づけ、ここでピックアップして皆様にご紹介しました。
 初めてタクティクス・オウガをプレイした、幼き頃のあの日――カチュア姉さんに切りつけられたあの日から、「愛憎のもつれから主人公を(本気で)殺しにかかるヒロイン」ってゆうのが管理人は大好きなんです。「貴方は……わたしを見捨てた……ッ!」と、脇目も振らずに顔を真っ赤にして追いかけてくる女の子ほど魅力的な存在はそうはありません。そして結局は主人公を殺すことができずに(やっぱり愛しているんだから、当然です)、「ごめんね……」と悲しく微笑みながら自害してしまう女キャラが可愛くて可愛くて仕方ありません。どうでしょう? こういうのもよくはありませんか? 皆様のご意見を、一度伺ってみたいものです。

 それでですねぇ、この後どうなったかと言うと――これでおしまいなんですよ……。
 最初に断っておいたように、本作は手抜きばかりのクソゲーですから。次のステージをクリアした時点で独立戦争は終結し、エンディングになってしまうのです。シャルローネをもっともっと追い詰めることはできないんです……残念ですね。なお、この手のイベントを気に入った方がおられましたら、グローランサーの前シリーズである「ラングリッサー」の2と4を探してみるといいでしょう。2ではヒロイン・リアナと泥棒猫・シェリーを最期まで追い詰めることができます。4ではシェルファニール姫が執拗に主人公のことを狙ってきます。ただし本作のシャルローネのように、感情をむき出しにして襲い掛かってきてはくれません。それこそが本作の数少ない「美点」でありますので、まぁ、この辺で勘弁してやってくださいよ。


<余談>
 このシリーズに登場する女の子たちは、誰も彼も非常に可愛いです。というか、ぷりんぷりんのぷるんぷるんです。→には例として、グローランサー4に登場するメインヒロイン二人を召喚しておきました。イラストレーターであるうるし原智志氏の力量により、ぴちぴちのまちゅぴちゅです。
 今回ご紹介したグロランサー2のヒロインや、→画像のようなシリーズ他作のヒロインに興味のある方は、一度うるし原氏の画集に目を通してみることをお奨めします。というのも……この先生、実は“ドスケベ”なんです。公式のイラストレーター自らが、自身の画集でヒロインたちを裸に剥いておられます。それどころか、「ヤっちゃって」います。どうみても行為中としか思えないイラストが載せてあるんです。シリーズのファンの中には、この事実を知ってショックを受ける方もおられるぐらいです。管理人もまた品性下劣にして下品な男なので、コレ、買っちゃいました。
 うるし原智志マガジン「Σ」 というムック本です。今回のシャルローネも含めて、グローランサーシリーズの人気ヒロインはほぼヤられちゃっていますよ。→のお二人も当然に犯されてました。ま、興味があったら手に取ってみてください。コレ、こんなんでも18禁本じゃないんですよねぇ……。メディア倫理基準とやらはどうなっているんでしょうか? まぁ、だからこそ当サイトでも堂々と紹介できるわけですが。





ゲームとして
 クソゲーですよ。「駄作」です。これ、シリーズのファンの間では至極常識。……けれども、それは前作と比較した場合のお話、あるいは定価で買ってしまった人にとっての話であります。本作がクソゲーである理由はその「あからさまな手抜き」にあるわけですが、システムはそれなりにしっかりしていますし、シナリオは短いながらも結構燃える展開で、ゲーム自体はなかなか面白いんですよ。本作は現在、中古で500円以下で投げ売られています。このお値段ならまぁ、「良作〜凡作」になるのではないでしょうか? 休日の朝から部屋に引篭もってプレイし始めると、夕ごはんを食べる頃にはクリアできるという塩梅。忙しい社会人の方にはお奨めです。




グローランサー2  総合評価
嫉妬度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆1
修羅場度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆3
ヤキモチ量 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆2
変な魅力 ★★★★☆☆☆☆☆☆4
(ふともも補正有)


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 PN「以下、名無しがほざきます」様からのタレコミレビューです。


修羅場なら、「街」の陽平シナリオもなかなかです
と言うより、このシナリオは修羅場がメインです

陽平くんはモテモテ高校生、付き合った女の子の数は多すぎて分からないほど…
そんな彼の前に一度会っただけの女性が一言、「赤ちゃん、できました…」



以下、ネタばれ




女の子は3人、
冒頭の女性…妊娠2ヶ月
元彼女…既に陽平の子供を出産済み、「元」というのは陽平が思ってる事で、実は安全に出産するために一度陽平の前から姿を消しただけで本人は「現」のつもり
本命彼女…現在付き合っている大会社のお嬢様

当然、鉢合わせなどもあり、その時の修羅場度と言ったら…(まあ、そのたびに陽平君が「あの人とは何でもないんだ」と苦しい言い訳をして何とか切り抜けますが)

こんなどうしようもない男のシナリオですが、ラストは全ての三角関係や修羅場をテーマにした作品が見習うべき感動のエンディングです…
陽平…アンタ、男だったな…



 管理人です。(補足レビュー)

 これはまた、随分と懐かしい作品を紹介していただきました。
 少し補足をしておきますと、この作品はかの有名な「弟切草」「かまいたちの夜」に続くサウンドノベルシリーズ第三弾として、1998年にセガサターン用ソフトとして発売されたものです。その後PS、最近になってPSPにも移植されたと聞いています。人気シリーズの続編ながら、実写CG&人間ドラマをテーマにしているということで色物扱いされてしまい、残念ながら売上げが芳しくなかった作品です。けれどもよく練られたストーリーと、人との繋がりを意識させる斬新なザッピングシステムによって、今もなお一部の間で名作として語り継がれています。

 管理人も当時、友人宅でプレイした覚えのある作品です。今はもうソフトも本体も手元にないので、詳細レビューはちょっと無理ですね。しかし記憶にある限りを振り絞って、「以下、名無しがほざきます」様の後に続けてネタバレしてみますと……。

 このシナリオの修羅場の見所は、女の子同士のいがみ合いよりも、「主人公のその場しのぎの嘘が裏目に出て、どんどん追い詰められて行くスリル感」にあったような覚えがあります。ヒロインAを連れて街を歩いているとヒロインBと鉢合わせになり、「あの子は従妹なんだけど……」「あいつは精神病のストーカーでさぁ……」などと言い訳に言い訳を重ねながら、修羅場を切り抜けていくのです。そんなことをしていたら当然、事態は次から次へとややこしくなっていきます。お嬢様から結婚を迫られる主人公、子供の世話を頼まれる主人公、部屋に結納品が山のように積まれて途方に暮れる主人公、そこへ押しかけてくるヒロインにこれまたその場しのぎの嘘をつく主人公……と、そんな感じです。
 で、結局はバレちゃうんですよ。お嬢様と主人公の結婚式場に、妊娠した女が押しかけてきて、「この子を父親のいない子にするのっ!?」みたいに騒ぎ立てます。式場は大混乱。女三人はものすごい罵りあい。最後には妊娠・出産済みの二人の女性はブチキレてしまい、式場から飛び出して行ってしまいます。
 この瞬間まで最低人間だった主人公は、ここでようやく大切なことに気づくのです。二人を追いかけて、道端に停車中の街宣車に乗り込んで、そのマイクを奪って大声で呼びかけるのです。「待ってくれ! 君たちと、生まれてくる命は、大切な家族なんだ。だから、頼むから待ってくれ! 危ないことをしないでくれッ!!」みたいなことを、大声で叫ぶのです。
 これで一件落着。主人公は妊娠させた二人の責任をとることにして、お嬢様には土下座して謝ります。結婚は取り消しにしてほしいと。……ところがそのお嬢様の腕の中にも、見慣れない赤ん坊の姿があったのです。実はこのお嬢様、二年前に既に主人公にヤられちゃっていて、ご懐妊済みだったのでした。誰と寝たのかいちいち覚えていない主人公は、全く気づいていなかったのです。
 ……こうして、女性三人と三人の子供の責任を負うことになった主人公。まぁ自業自得というか、身から出たサビというか。

 こんな感じのお話だった気がします。……な、なんか違うかな?
 イマイチ記憶があやふやで自信がないのですが、でも、最後の一言だけはよーく覚えていますよ。
 

「まさか、四人目は出てこないよね……?」


 PS.
 ちょっと検索してみたら、こんなサイトを見つけました。ココの「街」の項目に、管理人のソレよりも正確で詳細なあらすじが載っています。気になる方はチェックしてみてください。
 ストーリーを教えてもらうスレ暫定wiki


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ドラッグ オン ドラグーン1

 今回は嫉妬レビューではありません。キモウトを愛でるためのレビューです。

概要
 戦いの業火へ――。
 空ではドラゴンの背に乗って飛びまわり、大地では大剣を振り回して戦うパンツァードラグーンと三国無双の安直なパクリ斬新なシステムが売りのアクションゲーム。重厚というよりも陰鬱な世界観に、どいつもこいつもキ○ガイじみたキャラクター達、そして全く救いのないエンディングの数々で話題を呼んだ、狂気の迷作。スクウェア・エニックスから2003年に発売された、入魂の一作なんです! ……でも素人にはお奨めできません。


え? 嫉妬、ないの?
 
 最初に申し上げておきます。本作には「嫉妬」も「修羅場」もありません。両方とも0なんです。
 では何故、この作品のレビューをするのかと言うと……
  • キモウトゲーである。
  • 良質な嫉妬ゲーである、「ドラッグ オン ドラグーン2」への伏線になっている。
 ――こんな理由があるからです。
 当サイトのお客様はみんな「嫉妬属性」持ちでありますが、同時に「キモ姉・キモウト属性」を兼ね備えている方々が大勢いらっしゃるみたいなんです。そういうお客様方には、需要があるかと思いまして。また、「〜ドラグーン2」は当サイト的に見逃せない作品の一つです。これをより深く楽しむために、1のレビューを先に読んでおくのもまた一興かもしれません。いずれにせよ嫉妬は0ですので、時間の余裕や自分の属性と相談して、このレビューを読むかどうか決めてくださいね。
 また、本作はマルチエンディング方式なのですが、このレビューでは「2」への連結をスムーズに行うために、いくつかのエンディングをリミックスして語っています。ここでご紹介した結末以外にも、さらにえげつないラストがまだ二つも残っていますので、興味のある方はご自分でプレイ(はあまり推奨しません……)するか、どこかで調べてみてください。
 それでは、始めます。



 
 「天使を語ってはならない」
 「天使を描いてはならない」
 「天使を書いてはならない」
 「天使を彫ってはならない」
 「天使を歌ってはならない」
 「天使の名を呼んではならない」


 近頃、帝国の領土内でこんなお経が唱えられている。
 “天使の教会”という教団の教義だ。教会は急速に信者を増やしていき、今では帝国の政治までも左右している。

 主人公の名は、カイム。復讐のために生きる戦士だ。
 妹の名は、“フリアエ”。心を閉ざしてしまった、美しき実の妹。
 親友の名は、“イウヴァルト”。心優しき、報われぬ男。
 それぞれが、それぞれのために、それぞれの狂気を孕み、運命の歯車が軋みをあげる――
 

 ハイ。主人公カイムは、帝国と戦争をしている連合軍の傭兵です。幼い頃に両親を帝国の“ブラックドラゴン”に殺され、それ以来復讐のためだけに生きています。彼の頭の中は、帝国兵を殺すことだけでいっぱいのパンパン状態です。敵を切り殺している最中にニヤニヤ笑っている、結構あぶない兄ちゃんなんです。
“封印の女神”、フリアエ。
兄へのはしたない想いを秘めたキモウト。

 そしてフリアエは、カイムの実の妹です。「血の繋がった実の妹」です。ココ重要ですよ、試験に出ますからね? 彼女はカイムの親友であるイウヴァルトと婚約していましたが、それも数年前にご破算になってしまいました。彼女の身体に“女神のおしるし”が現れたからです。おしるしって、何のことでしょう?
 この世界には“何かとんでもないもの”が封印されているらしいのです。封印の数は五つあり、そのうちの四つは“祭壇”です。そして最後の封印となるのが、“封印の女神”と呼ばれる人間の身体そのものであります。女神のおしるしが出た女性は、封印の女神としての責任を果さなければなりません。それは肉体的に常に負荷を伴うことであり、「女としての人生を諦める」ことでもあります。――ウーム、身体に顕れる“おしるし”と言い、なんかエロチズムを感じますねぇ……。ま、ともかくフリアエはイウヴァルトとの婚約を解消し、居城に籠もって祈りを捧げるだけの毎日に入りました。

 そんな中、帝国がフリアエのお城へ攻め込んできます! カイムとイウヴァルトも急いで援護に向かいます。最近の帝国軍はなんか妙に強くって、フリアエのお城も凄まじい数の軍勢によって取り囲まれていました。もはや陥落するのも時間の問題かもしれません。怒りの雄叫びを上げて、敵中に突撃するカイムです。……が、今回はちょっと無謀だったみたい。孤立して戦っていたカイムは背中からバッサリと切りつけられ、瀕死の重傷を負ってしまいます。
 でも、まだ死ねません! こんなところで死ぬもんか! 俺は、一人でも多くの帝国兵を切り殺すんだ!!
 ダラダラと血を流しながら幽鬼の如く戦場を彷徨っていたカイムは、とある一角で赤き竜――レッドドラゴンを発見します。ドラゴン! 両親の仇、にっくきドラゴン! 怪我さえしていなければ、この剣で一突きに殺してやるところです! ですが……カイムはもう、死にそうでした。よく見ればレッドドラゴンも傷だらけで、地面に縛り付けられています。コイツもまた瀕死の状態なんです。帝国兵にやれらたのでしょうか?

ドラゴン「殺すが良い。だが、我の魂までは穢せんぞ」
カイム「……お前に、生きる意思はまだあると言うのか?」
ドラゴン「何?」」
カイム「ならば他に道はない。……契約だ!」


 “契約”――人間が他の生物と交わす、悪魔の取引のことです。二人の命を一つに合わせて急激なパワーアップを図るという、よくわかんないシステムのことです。命を共有してしまうので、どちらか一方が死ねばもう片方も死んでしまいます。文字通り一蓮托生の一身同体です。それゆえ本来ならば、余程信頼しあった仲でなければそんなことはしません。ですが――

ドラゴン「フン。お前にその資格があるというのか?」
カイム「資格などないッ! ただ、俺は生きたいだけだ!」


 生きたい。もっと、生きたい。
 なぜなら、まだ奴らを殺し足りないから。まだ復讐の業火を燃やし足りないから。
 そのためならば、もっと殺すためならば、大嫌いなドラゴンとの契約だって――

カイム「答えろッ! 契約か! 死かッ!」
ドラゴン「……お主の生きる意志に誓おう……」


 普通ならば人間などと交わることのない、気高き生き物であるドラゴンです。しかしこの時はカイムの執念と気迫に押されてしまいます。二人の命が一つに交わり、どかーんと一発パワーアップです! ……なんかよくわかんない設定ですねぇ……。

 カイムはドラゴンの背に乗って空へと舞い上がりました。あれだけ強かった帝国兵も、ドラゴンの業火にかかればただの枯葉の山に等しいもんです。さっきまでのお返しとばかり、散々に殺戮してやったカイム。なんかもう無敵のようですね。しかし、自分の声が出なくなっていることにも気づきます。――“契約”を締結するためには、何某かの代償を支払わなければならないからです。カイムが力を得る代償として失ったのは、“声”でした。復讐のためだけに生きるカイムには、人に思いを伝える声などは不要だというわけですね。
 それでもドラゴンの力によって、帝国軍を押し返すことができました。勝利を祝っての、束の間の和やかな時間。そして“女神”である妹は、熱く濡れそぼった瞳で兄を見つめているのでした……。

 ところで、帝国軍の狙いはどうやら女神フリアエのようなんです。一体何を企んでいるのでしょうか? イウヴァルトは元婚約者を守るために、彼女をエルフの里へ連れて行こうと提案します。いまいち頼りにならない親友なのですが、まぁ好きにやらせてみようと思ったカイム。みんなでエルフの里へと出発することになります。
 しかしエルフの里は、帝国兵によって既に焼き払われた後でした。あいつらめ……許せん!! 復讐しか楽しみのないカイムですから、“帝国兵”の三文字を聞いただけでドラゴンに乗って飛び出しちゃうのです。妹のことは親友に任せて、敵の追撃戦に移る復讐鬼。そんなカイムの様子を見て、「人間とは度し難い生き物だな。業の深いものよ……」と嘆息するドラゴンでした。
 彼女は人間という下等生物を、心の底から見下していました。契約を交わし、命を共有して、お互いの考えていることを読み取ることができるようになった今は、余計に侮蔑の念が広がるというものです。なんせ、カイムのような狂った男の心を読んでいるわけですからね……。あ、ちなみにレッドドラゴンの人称代名詞は“彼女”です。女の子なんですよ。

 で、たくさん殺して、妹の元へ戻ってくるカイム。
 ところがそこには、イウヴァルトの姿が見えません! どうやらカイムのいない間に、帝国軍に襲われていたようです。

フリアエ「兄さん! よくご無事で……」 (抱きつき)
ドラゴン「イウヴァルトは、捕えられたのか?」
フリアエ「……はい。私をかばって」


 近くにある捕虜収容所へ連れて行かれたのかもしれない。そこへ行ってみようと、ドラゴンは提案します。しかし……。

フリアエ「私なら大丈夫です。……女神ですから。兄さん、早くあの人を助けてあげて」
――フリアエは自分の気持ちを押し隠し、カイムを送り出す――

 イベントセレクト時には、↑のようなテロップが書かれています。それってつまり……『行くな』ということなんでしょうか?
 『イウヴァルトは見殺しにしろ』というのが、フリアエの本音なのでしょうか……。

ドラゴン「妹の純潔を、お主はどう考えておる? 女神とて……女だぞ?」
ドラゴン「お主ら三人、真実に背くことに慣れすぎたか?」
ドラゴン「お主、妹の気持ちに気づいておろう? 女神の血の通った想いを……」

 道すがら、ドラゴンにそんな風に諭されます。賢いドラゴンはもう既に、カイムたち三人の関係の真の姿を見抜いているようでした。でも妹の気持ちなんて、復讐こそが全てのカイムにはどうでもいいことです。……いや、復讐を言い訳にして、“どうでもいいフリ”をしているだけなのでしょうか……?
 ともかく、イウヴァルトを助けに行くのです。ひとたび戦闘が始まれば、いつものように復讐鬼に身をやつすカイムです。

ドラゴン「こう暗くては敵味方の区別がつかんな。……もっとも、お主にはどちらでも構わないのかもしれんが」

 ドラゴンはそんなカイムを揶揄するのでした。どんな時でも敵を皆殺しにせずにはいられないカイムに、彼女はほとほと嫌気がさしていたのです。いがみ合い、嫌悪し合っている人間とドラゴン。そんな二人なのに、それでも圧倒的な戦力で捕虜収容所を制圧します。けれどもそこに捕えられていたのはイウヴァルトではなく、"ヴェルドレ”という神官長でした。要するに、えらい人です。彼から帝国軍の真の目的が明かされます。

ヴェルドレ「封印が全て解かれた時に現れるという“再生の卵”、それが彼らの目的です」
ヴェルドレ「彼らはそれを使って、もっと根本的なところから世の中を変えようとしているようです」


 “再生の卵”とは、いったい何なんでしょうか。またよくわかんない設定を持ち出してきたもんです……。ともかく、なんか凄いことが起こるみたいですね。こういう類のゲームで「封印を守り抜く」ことは無理だと相場が決まっていて、最後には絶対に解かれちゃうものなんですよ。だから面倒くさいのですが、とりあえず守る素振りだけでも見せておきましょう。

 で、あっちこっちを転戦しながら封印を守ろうとするのですが、案の定その都度間に合わなくて壊されるんですね。仕方がないので、ヴェルドレと一緒に妹の元へ戻ってきたカイム。フリアエは“封印の女神”ですから、次は彼女の身が危ないからです。まぁ、どうせこの子も浚われたりするんでしょうけど……と、プレイヤーが思った矢先のことです! 空から巨大な黒い翼が舞い降りてきたんです! ブラックドラゴン――そしてその背に乗っているのは、イウヴァルト。なんだか物の怪に取り付かれたような、赤い目をした親友でした。
 彼は妹を差し出すように要求してきます。どうやら帝国軍に操られているようですね。それに人間がドラゴンの背に乗るなど、本来ならば契約者でもなければ無理な話なんです。だとしたら、彼はブラックドラゴンと契約を……? 
 カイムは剣を抜きます。一方その傍らでは、レッドドラゴンが威嚇の咆哮を上げました。ブラックドラゴンが殺気を放っているからです。人と人、竜と竜とが、激突します。イウヴァルトとは思えない重い一撃に、カイムは弾き飛ばされました。向こうでは、レッドドラゴンがブラックドラゴンに組み敷かれ、その喉笛を噛みつかれています。

 ――その光景。
 その光景に、幼き日にドラゴンに食い殺された両親の姿が重なります。

「――ッ!!」

 カイムは守るべき妹のことも対峙しているイウヴァルトのことも忘れて、レッドドラゴンの元へ駆け寄ろうとしました。

(馬鹿者! 来るな!!)

 そう叫んだような赤き竜。
 向かってくるカイムを見て、黒き竜は空へと舞い上がり息を吸い込みます。ドラゴンの爆炎の息がカイムへと――
 その時、レッドドラゴンがカイムに覆いかぶさりました。紅蓮の炎が赤き竜を包み込みます。
 
 そんな二人を見て、イウヴァルトは勝ち誇った笑みを浮かべるのです。
――ざまあみろカイム、無様な戦いぶりだな。お前はいつだって僕を見下していたんだ。なのにそのザマはなんだ? フリアエを守ることができるのは僕なんだ。フリアエを愛せるのも僕だけなんだ。お前なんかにフリアエを渡すもんか!
 
 カイムに対する異常なコンプレックス、それこそがイウヴァルトの心の闇でした。帝国軍にそこを付け込まれ、操られてしまっているかつての親友は、フリアエを脇に抱えて飛び去って行ってしまいます。あ〜あ、やっぱりこういう展開になった……。

 ま、こうなってしまってはやることは一つしかありません。敵の本拠地へ乗り込んで、フリアエを取り戻すのです。ドカドカバキバキ敵と戦って、突き進むわけです。もうこの辺は適当に端折っちゃいますね。

 で、ここは帝国の本拠地です。なんかもの凄い要塞の前まで来ています。帝国を背後から操っている“天使の教会”の大司教が、ここでフリアエを殺そうとしているらしいのです。急がないと間に合いません、もう時間がありません、嫉妬さがしのページもありません。走れカイム! がんばれ管理人のキーボード!
 ハイ。大司教の部屋まで来ましたよ。そこには生贄のドレスを着せられたフリアエが捕えられていました。どうやら間に合ったようですね。
 
 ……と思いきや、部屋の影から金髪の幼女が飛び出してきます。

幼女「天使は笑わない。天使は起こしてはならない」
幼女「ララララララ、ララララ、らららら♪」


 けらけらと笑いながら、花吹雪を撒き散らしながら、天使の唄を歌いながら、フリアエの周りを踊り狂っている、赤い目をした幼女。――彼女の名は“マナ”。この幼女こそが、天使の教会の大司教にして帝国を動かしている張本人、諸悪の根源なのです。異様な雰囲気を発するこの幼女を前にして、カイムは妹に近づくことができません。

マナ「『――私は女なのに。普通の女なのに』」
フリアエ「……ッ!?」
マナ「『――どうして? こんな……。ちぇっ、ちぇっ、糞がッ!』」
フリアエ「……や、やめてッ!!」


 マナはフリアエを見つめながら、よくわからないことを口走っています。
 そしてそれを受けたフリアエの様子も変です。顔色がみるみるうちに真っ青になっていきます。
 
マナ「『封印が何だってんだよ、私を助けろよ、役にたたない男ども! 助けてください。お願い、助けて! 抱きしめて……お兄ちゃん』」
フリアエ「い、嫌ぁぁああッ!!!」


マナ「私、貴女の心読めるのよ? うふうふふふふふふふうふふ」
フリアエ「ち、違う……! わたし、そんなこと思ってないッ!!」


マナ「『憎い。憎いよ糞野郎! こんな世界なんか滅びればいい!』」 
フリアエ「違う!」
マナ「『汚いの。わたし、汚いの。女神なんかじゃない。あきらめてるだけ』」
フリアエ「違うッ!」
マナ「『お願い、お兄ちゃん、私に――フリアエ「ごめんなさい!!!」


 兄の目の前で、決定的な言葉を言われてしまう前に。
 フリアエは、マナに、屈服します。

マナ「はい、女神失格。うふふふ、どうする?」

 心の奥底に隠していた真実を、言い当てられてしまったフリアエ。チラと、カイムを見遣ります。
 カイムは――思わず目を逸らしてしまいました。妹の気持ちに、もう気づいていたカイムなのです。でも……。

 そして、フリアエは、壊れました。
 ベッドへ駆け寄り、そこに置いてあったナイフを手に取ります。

カイム「――ッ!!!」

 自ら胸を突く、女神。

フリアエ「わたしを……みないで……」

うふふふふうふhああははははっははははははうあっはうあはいははやはうははいあいはおははあh

マナ「天使は笑う?」



 封印の女神は、しにました。
 封印は、とかれました。


 目を剥き、赤い目の幼女へ向かって剣を抜くカイム。コイツは……もう許しておけません。

マナ「人間どもめ、まだ生き延びようとするのか?」
マナ「醜い……みにくいぞ!」


 その声は野太い、幼女とは思えない程に重く響き渡る声でした。
 禍々しい気を放ち始めるマナ――まさか噂通り、彼女は“神の代弁者”なのでしょうか!?

 幼女の身体が震え始めます。崩れ始めます。歪み始めます。
 な、ちょっ、巨大化していきます!?


ラスボスA:超巨大幼女

 帝都の上空で、ニタニタ笑いながら赤いギョロ目で睨みつけてくる超巨大幼女と対戦です!!
 滅茶苦茶です! こんなゲーム見たことありません! 画像でお見せできないのが残念なぐらいです! 上目遣いで睨まれると、怖くておしっこ漏らしそうです!

 待て、落ち着け。こうなったら、ゲーマーとしてやるべきことは一つだ! まずは――

   ドラゴンの高度を下げて。
   上を向きました。
   スカートの中は、作られていませんでした。


 ややや、このサイトのお客様はロリ好きが多いみたいですが、管理人は違いますからね! 管理人は変態でも犯罪者でもありません!
 だって、幼女が大きくなったら、“大人”じゃないですか。なんの問題も無いじゃないですか?
 この理屈で、PTAだって説得する自信がありますぜ。

 と、こんなことばっかり書いているから「頭の悪いサイト」なんて言われちゃうわけですね。これからは自粛しますよ、もう。さ、早くマナをやっつけちゃいましょう。狙うは幼女のおっぱいです。そこへ弾を撃ち込んでください。


 ややや、だから、管理人はロリコンじゃありませんってば! 極めて正常な好青年なんです!
 本当に、この超巨大幼女の弱点は、おっぱいなんです!
 そこ以外はダメージを受け付けないんですよ。文句があるなら製作スタッフに言ってください!


ドラゴン「コイツは敵だ……! ひるむな! 敵なんだ! 人類の!」

 そうです、ドラゴンの言う通り! さぁ、幼女のおっぱいを狙って撃ちますよ! …………って? え?
 今、ドラゴンがまるで人間の味方のような発言をしませんでしたか……?

マナ「オガーザーン! オガーザーン!」

 ドラゴンの炎におっぱいを焼かれ、堕ちていく巨大幼女……。
 


<一方、その頃>
こちらも、たぶんフリアエ。
触手を生やして真・キモウト化する。
欲するのは、兄。


 イウヴァルトは、フリアエの死体と対面していました。……どうしてこんなことになったのでしょう? 彼は、本当にフリアエを愛していました。彼女のためなら、なんだってするつもりでした。彼女を守る力を手に入れるために、ブラックドラゴンと契約までしたのに。なのに、なぜ……。
 彼女を失った悲しみのあまり、イウヴァルトにかけられた洗脳が解けてしまいます。そうして、彼は理解するのです。どうしてフリアエがこうなったのか――それは、自分のせいであると。イウヴァルトは、狂います。
 外を見れば、全ての封印が解かれた世界が、既に崩壊への兆しを見せ始めていました。大陸のあちこちに現れ始めた謎の物体、“再生の卵”。……再生の卵? 再生、“再生”……。「そうだ! その卵をつかって、フリアエを蘇らせよう!」――既に頭のネジが全てぶっ飛んでいるイウヴァルトは、なにがなんだかよくわからん怪しげな物体に希望を託すのでした。
 
 わくわくしながら、変な卵の中にフリアエの死体を押し込みます。卵の中へ溶けていき、胎児のように丸くなるフリアエ。それから三分も経たないうちに、卵は震え始めました。カップラーメンよりも出来上がるのが早いです。にょきっと顔を出す、昔どおりの美しいフリアエ。イウヴァルトは顔を輝かせます。

 にょきっと飛び出てくる、触手。うねっとしなう、触手。
 イウヴァルトの身体を貫き、次の瞬間に彼は絶命します。

キモウト「あぎゃあうぇえええぇええやあああああああああああああやあやあああややや!!」 
 (本当に、こんな感じの奇声をあげる)

 左右のお目々が別々にぐるぐる回ります。背中から羽根が生えてきます。
 キモウトは、大空へ、飛び立ちました。

――フリアエは復活した。
――全ての憎しみと悲しみを、その羽根に抱きながら。
――最期の瞬間、イウヴァルトは彼女の想いを知ることができたのか?


 妹の想い――それは、「あんたなんかどうでもいい。私はお兄ちゃんが好き」です。

 さて、カイムはびっくりです!
 もはや女神とは呼べない、妹とも呼べない、それでも顔と姿だけはフリアエそっくりな異形のバケモノ。
 キモウトです。どこからどう見てもキモウトです!


ラスボスB:空飛ぶキモウト

 うねうねと触手を蠢かせながら、兄を慕って取り付いてくるキモウト。
 怖いです! おまけに強いです! 次はキモ姉が出てくるのでしょうか!?
 ま、待て、落ち着け。こうなったら、ゲーマーとしてやるべきことは一つだ! まずは――

   ドラゴンの高度を下げて。
   上を向きました。
   キモウトのスカートの中からは、触手が伸びているだけでした。

 スクウェア・エニックスは、何にも分かっちゃいねぇよ……。
 ともかく、“再生の卵”とはこんな異形のバケモノを作り出す装置だったみたいです。複雑な想いを押し殺し、慕ってくる触手のオバケを迎撃します。あれはもう、妹じゃありません……キモウトなのですから。ドラゴンがぽそりと呟きます。

ドラゴン「結局、女神はその純潔を捧げる事は出来なかったか……。イウヴァルトにも、お主にも……。」

 そしてなんとか、キモウトを撃ち落とすことに成功するカイムです。冷たくなった彼女の身体を抱き、感傷に浸ります。キモウトでも、大切な妹のなれの果てであることには変わりありません。しかし“声”を失ってしまったカイムは、そんな妹の亡骸に何の言葉をかけてやることもできないのです。
 (妹よ。もしお前の気持ちに応えることができていたのならば、こんなことにはならなかったのか?)
 溜息をついたカイムは、ふと空を見上げます。

 そして、背筋を凍りつかせます。そこには――


空一面をびっしりと覆い尽くす、無数のキモウト。


 キモウトは各地に点在する“再生の卵”を介して増殖していたのです。
 うねうねと触手を蠢かし、人類を殺戮し、そして――兄を追い慕い続けるキモウトたち。
 世界の破滅は、もうすぐそこまで来ているようです。


<物語の結末 〜ドラッグ オン ドラグーン2へ〜>

 混乱する世界。壊れていく世界。
 みんなマナのせいです。この赤い目をした幼女のせいです。
 しかし巨大化した彼女を撃ち落した後は、“憑きモノ”も落ちたのでしょうか。そこにいるのは、ただ壊れているだけの無力な幼女でした。

マナ「うふふふふ、あははははは」
マナ「あなたたち、本当に馬鹿ね。折角の再生の好機を逃したりして。神は全て見ているのよ? 最後の審判なのよ? 私達は変われるの。何も不安はないの。私達は愛されているのだから! 憎いのね、私が? 殺しても良いよ? お兄さん、殺しなさいな。遠慮なんかはいらないわ。グッサリグッサリ殺してよ。ほら、殺してよお兄さん。私、へいきなんだから。だって愛されてるの。神に愛される子供は、お母さんにも愛されるはず。絶対平気なの。愛されてるの、だから――」


 カイムに蹴飛ばされ、転がる幼女。

マナ「うふふふ、殺せよ、ほら。殺さねぇねぇと、あたし、あたし、これからどうすればいいのでしょうか? 憎むくらいなら殺してください! 一気に殺してください! 憎まないで! 憎まないで! お母さん! 私死ぬから、ね!? 貴方でもいいわ、私を殺してください。お願いします! 殺してください! お願い! 殺して 殺して! 殺せぇえええええ!」

 狂っている。この幼女も、狂っている。
 母親に愛されなかった少女マナ。母親に憎まれ続けた少女マナ。母親に谷底から突き落とされた少女――マナ。
 そんな“愛されたい”幼女の望んだ結末が……今の、キモウトが空に溢れた、滅び行く世界なのでしょうか……。

ドラゴン「カイムはお主を一生許さないそうだ」
ドラゴン「易々と死ねると思ったら、大間違いぞ! カイムだけではない。この世界の何千もの魂が、お前を許さない」
ドラゴン「分かるか? お主は一生憎まれ続けるのだ!」

マナ「うふふふふ。いや! イヤぁああああああ!」

ドラゴン「罪の重さに悶え、のたうちまわりながら生きるがいい」
ドラゴン「我が言ってやろう。 お主に 救いは あらぬッ!!」


マナ「いやああああああ! お母さん、許して、許して、許して、許して! ごめんなさい。もうしません、しません、しません……!」


 カイムの心を代弁するドラゴン。
 ひたすらに泣き、笑い、母に許しを請うマナ。どこまでも……救いのない世界です。

 それでも生き延びるために、今のこの世界をなんとかせねばなりません。もう一度、封印をかけなおすのです。

ドラゴン「封印の適合者は、おるか?」
ヴェルドレ「一刻も早く新しい犠牲者を探さねば。私はさしずめ、死刑執行人です」
ドラゴン「……」


 このままでは、人類は滅んでしまいます。いや、こんな下らない悲劇ばかり繰り返す人間など、滅んでしまっても構いません。
 しかし。しかし――。

ドラゴン「……また、前へ進めぬようになった。暖めてくれんか、カイム?」

 『暖める』――それは、ドラゴンの鼻先を撫でてやることです。彼女はそうされることがお気に入りでした。特に強敵と戦う前にカイムにそうされると、不思議と負ける気がしなかったものです。今だって……そうです。

ドラゴン「大丈夫だ」

 このままでは、人間はおろか、カイムも世界の破滅に巻き込まれてしまうでしょう。ならば――

ドラゴン「我を封印に使うがよい! 精神力生命力すべてにおいて、人間の比ではないぞ」
ヴェルドレ「そんなことが!? よろしいのですか!?」
ドラゴン「我の気が変わらぬうちに、済ませた方がよいぞ」


 ――カイムの、ために。



 神官長ヴェルドレの呪文が、鎖となってドラゴンの体に巻きつきます。封印の儀式が始まりました。

ドラゴン「うぐがああああああ、ああ、あ……」

 さしものドラゴンも苦痛に身悶えし、大地へ倒れ伏しました。それはまるで、始めた会ったあの時のように、痛々しい姿でした。
 カイムはそんなドラゴンの身体にしがみつきます。

ドラゴン「お主の涙、初めて、見るな……」

 その瞬間まで、カイムは気づきませんでした。
 泣くことなんて、とうの昔に忘れたはずなのに。泣き方なんて、もう覚えていないはずなのに。
 復讐だけが全てだったはずなのに。ドラゴンが、憎くて憎くて仕方なかったはずなのに……。

ドラゴン「覚えておいて、もらいたいことが、ある」
ドラゴン「“アンヘル”――それが、我の名だ」
ドラゴン「人間に名乗るのは、最初で、最後だ」
ドラゴン「さらばだ。馬鹿、もの……」


 世界を元に戻す“楔”となって、消えて行きます。
 たった一人の人間のために、封印の女神となった赤き竜が、光となって溶けて行きます。

 アンヘル――“angel”という名の、ドラゴンが。


      (この二人の行く末は、「2」へと続きます)


ゲームとして
 これはひどい。もはや娯楽として成り立っていません。ドラゴンの背に乗った瞬間に叩き落され、歩いているとすぐに転びます。その都度五秒近くの起き上がりモーションが入るのです。もの凄くストレスが溜まる仕様なんです。管理人もプ○アクションリプレイでサクッと攻撃力を百倍にして創意工夫をこらして、なんとかクリアできた次第。通知表に「我慢強い子です」と書いてもらったことのある管理人が、ズルをする気になったわけですから、これはえらいことですよ。
 反面、シナリオは面白いです。賛否両論がありますが、私は大アリだと思います。一見破天荒に見えますが、深読みしていくと全体の筋がしっかりと練られていて、意外にも纏まっているのです。ただ、舌足らずで終わっている感があります。イベントがブツ切りで、設定をきちんと説明しきれていないために、唐突で投げやりな印象を与えるわけです。この規模のシナリオをアクションゲームで表現しようと思ったのが間違いなのかもしれませんね。身の丈に合っていないようなんです。というわけで、「駄作」です。


ドラッグ オン ドラグーン1  総合評価
嫉妬度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆0
修羅場度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆0
ヤキモチ量 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆0
変な魅力 ★★★★★★★☆☆☆7


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