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嫉妬さがし中
みんなも何かあったら教えて。

さがし中




イリスのアトリエ 〜エターナルマナ1〜

  今回はガストのPS2用ゲーム、「エターナルマナ1」からです。

概要
  ガストの看板タイトル「マリーのアトリエ」シリーズから一線を画し、システムをRPG風にしたのがこの作品。2007/2現在、「エターナルマナ2」「グランファンタズム」の二作が、続編として発売されているようです。

さぁて、紹介はこのへんにして。嫉妬、嫉妬! やきもちを食わせろ!
  本作のヒロインはリイタ(CV:西村ちなみ)といいます。アッシマー帽を被った、ミニスカートで肉弾戦を繰り広げる、元気いっぱい系少女です(→の画像、見えてます? このパッケのミニスカの娘です)。初対面で主人公のことを「弱っちくて、かっこわるい」とコキおろし、彼のことを馬鹿にしていたにも関わらず、やがては惚れこんでいってしまいます。なかなかかわいい娘さんですが、しかしどういうわけか彼女、一般受けが非常に悪いのです。人気がありません。それは何故か? 
  よく言われているのが、『リイタは嫉妬深すぎてキモいから』――きました、きましたよ!

  そんな情報を耳にしたRIG2は、即座に入手してプレイしたわけです。総評としては「……うん、いいじゃないか」でした。針が振り切れるほどの嫉妬ゲーではありません。リイタについては過剰に貶されている感があり、その嫌われっぷりから余程のものだろうなと期待してプレイしたのですが、普通に“嫉妬深いヒロイン”でした。まだまだ“キモカワイイ”“サイ娘カワイイ”の域には達していません。
  しかし“嫉妬深いヒロイン”としては、なかなかの逸材です。本当に、トコトン、異様に嫉妬深いです。主人公のクレインくんがあっちこっちでモテモテなのに対して、リイタが非常に敏感に反応してくれます。このゲームには莫大な量のサブイベントが用意されているのですが、そのうちのかなりの割合が「リイタの嫉妬イベント」です。
 最終的にはですね……

   街に入るたびに、店に入るごとに、人に話しかけるたびに、嫉妬イベントが発生するんです。

  ……まぁ、これはかなり誇張していますが。しかしプレイ感覚としては、本当にそんな気がしてくるんですよ。洞窟で女の子を助ければリイタがむくれ、女錬金術士と仲良くすればリイタにつねられ、パン屋の娘とイチャつけばリイタが口を利いてくれなくなります。このゲームのスタッフは、きっと相当にやる気だったんですね。

  最大の泥棒猫役は、魔法道具屋の主人である少女・ビオラです。この娘もいい性格しています。「綾波レイタイプ」と呼べばイメージしやすいでしょうか? 寡黙で何を考えているのか分かりにくく、どこか投げやりで、唯一の夢が「死ぬこと」という困った子です。しかしそんなビオラも、主人公の優しさに触れているうちに、彼にだけは心を開いて行くんです。――うん、そういう流れはいいですねぇ、良い依存ヒロインの素質たっぷりな娘さんです。
  ですから、性格が「アスカタイプ」であるリイタとは犬猿の仲。前述した“店に入るたびに嫉妬イベント”は、主にここで発生します。代表的なものを以下に挙げてみましょう。


こんな無愛想な自分を支えてくれている主人公(クレイン)にお礼をしたい、と言い出した時のはなし。

「クレインくんに、作ってプレゼントしたいものがあるの」
「オレに…?」
「…うん。でも材料がなくて作れなくて困っちゃって…。レシピ帳に書いておくから、もしよかったら探してきてくれないかな」
「ああ…。探してみるよ」
「…ありがと」

  (リイタ、ここで割って入る)
「…探してこいって!? あたしは探さないからね!」
「なんだよ、急に怒り出したりして…」
「ばっかじゃない!? そんな勝手な頼み、ホイホイ受けないでよ! ちょっとアンタ!」
「ん…?」
「だいたい、なんでプレゼントする相手に材料探して来いなんて言えるの?」
「リイタには頼んでいないわ」
「あたしだっていつも一緒にいるんだから、頼んでいるのも同然だよ!」
「じゃあ…別れればいいじゃない」

  (――後日――)

「はい…これ、受け取ってください」
「…ゆ…ゆびわ…!?」
「…うん…。でも、タダの指輪じゃないの。私、クレインくんと一緒に旅できないから…だから、この指輪に私の気持ちをイッパイ詰めてあるわ。きっと、クレインくんをいつも守ってくれる」
「…あ、ありが…とう。…名前は?」
「あ、ごめん。名前はね『恋するゆびわ』よ」(価値7200G)

  (ビオラ、ここでストレートに告白。リイタ、ジト目で睨んでいる)
「……」
「…そう、よーくわかったよ」
「り、リイタ!? …ちょっと、何か誤解してないか?」
「どうぞ二人ともお幸せに!」
「あれ? リイタ、何か怒ってるの?」
「……」

「もしかして、リイタもクレインくんのこと…好きなの?」
「違います! なんでこんな優柔不断男なんかっ…」
「あ、わかった。リイタもプレゼントが欲しかったのね。それじゃ、用意しておくから期待してて」

  (――さらに後日――)

「はい…これ、受け取ってください」(白い錠剤が一杯に詰まった小瓶)
「…何これ? なんかヤバそうなくらい白い錠剤だね…」
「うん。一気に100粒くらい飲むと楽になれるわ」
「アンタ、それってもしかして…」
「名前も考えた。『さようなら私の恋』」(価値160G)

「これを飲めば、失恋してもすぐに全部忘れられるわ。それにもう二度と帰って来れないから、二度と失恋しないし…一石二鳥でしょ」
「…それって『毒薬』って言わない?」
「そうともいう」


「……」
「でもリイタにはいずれ必要になると思ったから、気を利かせて…」
「…なんで必要になるわけ?」
「え?…だって、それは…」(目を逸らす)
「あー! もういい! クレインも何か言ってやってよ!」
「え?…いや、急に振られても…」
「もう! 優柔不断! バカぁっ!」



  とまぁ、こんな感じで。この二人、顔をあわせればいつもこんなやり取りを見せてくれます。もちろん、顔をあわせなくても色んなところで修羅場っています。リイタはどこへ行ってもぷりぷりぷりぷりしていますが、そのくせ口では「クレインのことなんか嫌い」とか言っているのがたまりません。そういう青臭いの、大好きです。

ビオラの恩人「最近は、ビオラと仲良くやってくれているようだね」
主人公「え? ああ、まあ」
リイタ「ほんと、すっごいラブラブだもんね! クレインくんとビオラちゃんは!」
主人公「なっ、そういう言い方ないだろ!?」

  泥棒猫役はビオラ一人ではありませんので、ごあんしんください。主人公に女性キャラが絡んだら、いつだって即修羅場です。特にビオラと双璧を為すのが、パン屋の娘さんであるブレアですね。この子もわけありの娘さんなんですが、お店に入り浸っているうちに一緒にウェディングケーキを作ったりする羽目になり、またまたリイタを怒らせてしまいます。

リイタ「パン屋の娘と話す時は、あんなに鼻の下伸ばしちゃってたのにさー!」
ビオラ「!!」


  ビオラも結構やきもちやきですね。上のような展開になった次回から、「私もパンを作る……」と言いだして、魔法材料を使ってパンを調合?しようとします。十種類近くもある壮絶な失敗作を乗り越えて、「できたよ、食べて……」と、本職であるブレアをも越えた見事なパンを焼いてくれますよ。偏執的ないじらしさが愛らしいです。

「できたよ、愛情たっぷりパン。食べて…」
「あ、あぁ」
「食べて…」
 この娘も一歩間違えばサイ娘化確実という、あやうさがたまらないのです。


  ――以上、こんな感じのゲームでした。
  一般ゲーですから当然、泥沼化したり包丁で差されたり、血塗れになったりはしません。リイタとビオラも最終的には、「恋敵だけど、いい友達」という雰囲気になってしまいます。残念なことです。
  しかし、通常のRPGで清純派ヒロインがふと垣間見せる、ちょっとした嫉妬イベントが大好きな人にはお奨めです。そういう類の嫉妬イベントが、山のように用意されています。「たまにはアッサリ味の嫉妬を、たくさん食べたい」という時に、ご賞味あれ。

ゲームとして
  「通常版」にはバグがあり、クソゲー以外の何ものでもないそうです。RIG2がプレイしたのは「ベスト版」でして、こちらは不具合が修正されていて快適でした。普通に良作です。興味を持って中古を買おうとしている方は、ご注意あれ。買うなら「ベスト版」の方ですよ。
  あ、あと余談ですが、OPムービーでリイタのパンチラ(パンモロ?)を拝めます( ´∀`)。確か公式サイトにOPムービーが置いてあったと思うので、興味のある方はどうぞ。冒頭のふわふわ飛んでいるシーンですよー。


イリスのアトリエ エターナルマナ1 総合評価
嫉妬度 ★★★★★☆☆☆☆☆5
修羅場度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆3
ヤキモチ量 ★★★★★★★☆☆☆7
変な魅力 ★★★★★☆☆☆☆☆5

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X−MEN ファイナルディシジョン

  今回は洋画です。危険な情事でもミザリーでもなく、なぜかここでX−MENときたもんだ。

概要
  有名なアメコミ「X−MEN」の映画化第三弾。人類の突然変異種(ミュータント)である主人公たちが、生まれ持った特殊能力を駆使してわるい奴らと戦ったり、差別や偏見と戦ったりするおはなし。原作は、「能力バトル物」の原点であるとも言われているらしいね。さてさて、前作で妙にもてる女(ジーン)が死んじゃって、意気消沈気味のX−MENチーム。主人公であるローガンはどうすんの?……っていう映画。

HEYそこのチェリーボーイ、嫉妬なんかあるのかい? YHAAAAAAA!
  一作目と二作目にも、一応三角関係はあったんです。……男二人と女一人の三角関係がorz。
  主人公であるローガンと、原作で主人公であったはずのスコットが、一人の女を巡って三角関係してたんです。男の嫉妬なんかいらねーっつってんのに。

  しかし三作目になる今回、意外な方向からヤキモチがやって来てくれました。分量や質は貧弱ですが、なんとなく琴線に触れる状況だったのでピックアップします。三角関係を構成するのは、一作目から出ている氷使いの能力者ボブ(ショーン・アシュモア)・同じく一作目から登場している、触れた者の生命エネルギーを吸い取っちゃう能力者ローグ(アンナ・パキン)・そして最後に、一作目からちょい役として出てきていた、壁抜け少女のキティ・プライド(エレン・ペイジ)。
  はっけよーーい、………のこった!

ステップ1
  X−MENチームの訓練中です。ロケット弾が飛んでくるんです。ボブは氷結化能力でロケット弾を防ぐんですが、二発目に間に合いません。……あわや直撃!?
「ボビーっ!!」
  そのとき、ペアで戦っていたキティが、ボブをぎゅっと抱きしめるんです。彼女は自分に触れている者を“透過させる”ことができますから、ロケット弾は二人をすり抜けてあさっての方向へと。
「……ありがとう、キティ」(にこっ)

 そんなシーンをですねぇ、ボブの恋人であるローグが見ているんです……。実はローグは、ボブに触れることすらできない娘なのです。彼女の能力は、無差別に他人の命を吸い取ってしまうものなので、下手に触れ合うことができないのです。前作ではボブとキスをして、彼を殺しかけたことがありました。手さえも繋げないので、いつも手袋をはめているくらい。切ないですねー。そんなローグとボブは、訓練ルームを出た後に喧嘩をしてしまいます。どうして彼女が怒っているのか、ボブには分からないのです。

ステップ2
  “ミュータント能力を消す薬”というものが開発されます。それを巡る戦いの中で、X−MENみんなの保護者である“X教授”が、死んじゃいました。悲しみにくれる中、ミュータントのみんなの心はバラバラになります。おうちに帰ろうとする者もいれば、薬で能力を消してしまおうという者も出てきます。
  お葬式の日です。キティ→ボブ→ローグという並び方で参列しているのですが、「ローグが」手を伸ばして(手袋ごしに)ボブの手を握っています。なのに次のシーンでは、「ボブが」泣いているキティの方に手を伸ばして、彼女の手を握るんです。ローグは真正面を向いたまま。(このシーンはほんの一瞬です。しかし見逃すようでは、筋金入りの嫉妬好きは名乗れません)
  そしてその夜。キティのことを心配したボブが、彼女の部屋を訪れました。キティも動揺していて、おうちに帰りたくなっていたのです。そんな彼女を元気付けようと、ボブは洒落たことを思いつきました。彼女はアイススケートが好きなんですが、そこはそれ、ボブは“氷結化能力”の持ち主ですから、お庭の噴水を凍らせて即席のスケートリンクを作ってしまうんです。
  夜の噴水で二人仲良く手を繋ぎながら、スケートをするボブとキティ。きゃっきゃっとはしゃぎながら、ティーンエイジャーらしい爽やかさを醸し出しています。転びそうになって抱きあっちゃったり、顔が近づきすぎちゃったりするのもお約束というものです。
  そしてそんなシーンを、二階の窓からそっと……ローグが見ているんです。
  翌朝、ローグは寮を出て行ってしまいます。負け犬です。

ステップ3
  ローグがいないので、ボブとキティはやりたい放題です。最終決戦に赴く飛行機に乗っていても、ボブが気にするのは(初めて戦闘に参加することになる)キティのことばかり。そんでもって、戦闘中に平気で抱き合ったりもしてます。キティの能力が能力なので、ボブをぎゅっと抱きしめるのが一番効率がいいんですね。敵味方入り乱れて殺し合いしている最中に、男女で抱き合いながら登場するなんて、もうカップル以外のなにものにも見えません。

ステップ4
 いろいろあって、最終決戦に勝ったー! めでたしめでたし……というところで、ローグが帰ってきます。薬を打って、自分の能力を消してしまったローグが、帰ってきます。これで手も握れます。
「僕は何も、そんなこと……」
「……いいえ、わたしが望んだことなの」

       ドンッ <X−MEN4に続く>


  ……はい。どうするんでしょうね? どうなるんでしょうね? 
  楽しみですが――ハリウッド映画のことですから、次回作では「なかったこと」になってたり、アッサリ流されたりするんでしょうね……。ざんねんです。
 
  総評としては、一連のストーリーの中に少しだけ「三角関係っぽいもの」が描かれているだけです。しかしこのページの標語は、『小さな嫉妬も大きな幸せ』ですから、ピックアップしました。なにかの機会で本作を観ることになったら、ちょこっとだけここの管理人のことを思い出して、嫉妬シーンに反応してくれれば嬉しいかぎりです。


映画として
  やはり、キティの能力が面白かったですね。中の人であるエレン・ペイジも可愛いです。決して美人ではありませんが、えもいえぬ愛らしさがあります。ああいう子は……嫉妬させると、いい表情をするんですよー( ´∀`)


X−MEN ファイナルディシジョン 総合評価
嫉妬度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆2
修羅場度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆1
ヤキモチ量 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆1
変な魅力 ★★★☆☆☆☆☆☆☆3

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幻想水滸伝X

  PS2用のRPG、「幻想水滸伝X」いきますよー。

概要

  仲間を108人集めて、本拠地に立て篭もってブイブイいわせるのが特徴の人気RPG最新作。今回の主人公は、「ファレナ女王国」という名前からしてなんか女性上位な国の“王子様”です。両親が馬鹿だったせいで国を乗っ取られ、次期女王であるはずの妹までも奪われてしまった王子様。全てを奪還するために、義勇軍を集めて立ち上がれ! 水滸塞に集えや108星!
 
御託はいいから、さっそく嫉妬を食べさせてもらおうか。

  この作品の嫉妬で熱いのは、主人公ではなくてサブキャラの方です。ヒーローの名前は「ベルクート」。

<ベルクート、その修羅場への旅路――第一部>
  彼はその昔、この国の剣闘奴でした(あんまり強くなかったらしい)。貴族の慰みものとして、毎日悲惨な環境化で戦っていました。ところが監禁されていた牢屋から脱走して、ある高名な剣士の元で修行を積んできたらしいのです。最強レベルの剣士となって、彼は女王国へ帰ってきました。108人の仲間を集める作中でも、五本の指に入る強キャラです。それほどの腕前の持ち主ながら、苦労人しているだけあって謙虚な性格のベルクート。しかもルックスまでなかなかグッドときたもんだから、相当にイイ男なんです。
 
  さてさて。この「ファレナ女王国」というのはなんとも変な国でして、闘技大会の優勝者が次期女王のお婿さんになるという、ゆかいなしきたりがあるんです。そして今まさに、主人公の妹(次期女王候補)のお婿さん選定のための闘技大会が、開催されるところなのです。ベルクートさんは、これに参加するために帰ってきたのでした。彼の夢はただひとつ――優勝して女王のお婿さんになって、今も苦しめられている仲間の剣闘奴たちを解放すること――です。なんとも、立派な人物ではありませんか。
  旅先ですから、大会の間ベルクートさんは宿屋に滞在することにしました。そして宿屋の娘さんと仲良しになります。「マリノ」というその娘さんは、明るくて気立てがよくて働き者の少女です(→のパッケ画像には掲載されていません……)。もー典型的な“宿屋の娘さん”って感じです。……少々、ベルクートさんの世話を焼きすぎな感もありますが。朝ごはんにしても、ベルクートさんのお皿だけが異様に大盛りです。贔屓ですね。……でも、それも当然なんです。前に述べたようにベルクートさんはとてもイイ男なので、マリノさんが好きにならないわけがないのです。文字通り、彼にベタ惚れになっている宿屋の娘さんでした。

  そうこうしているうちに、ベルクートさんはどんどんトーナメントで勝ち進んでいきます。もう優勝候補として有名人です。その結果、悪いやつら(要するに、ラスボスの一味)に目をつけられてしまいます。彼のようなどこの馬の骨とも分らぬ男に、優勝されては困るのです。彼らに色々とちょっかいを出されるベルクートさん。街の人に因縁をふっかけられたり、襲われたりとたいへんです。
  一番たいへんだったのは、マリノさんが誘拐された時です。彼女の身の安全と引き換えに、「闘技大会で負けろ」と脅しをかけられてしまいました。……もっともこの時は、主人公らの助力によって、見事彼女を助け出すことができましたが。

  あぁ、ベルクートさん、イイ男です。マリノさんからしたら、もうたまりませんよ? かっこよく自分を助けに来てくれたのですから、もう想いを止められません。誰にも渡したくはありません。
  でもちょっと待ってください。ベルクートさんが優勝したら、どうなりますか? ――お姫様とけっこん、ですね。そりゃそうですよ、そのためにベルクートさんはこの国に帰ってきたのですから。

  そんなのイヤです!ベルクートさんは私のものです! ……明日は、もう決勝戦。気持ちが波打つマリノさんの手の中には、誘拐された時に犯人に手渡された小袋があります。中に入っているのは、白い粉……。そして、翌朝。


  この女、一服盛りやがりました。


  いつもどおりマリノさんの大盛り朝ごはんを食べて、気合を入れて決勝戦に挑んだベルクートさんは、試合の最中に身体が動かなくなってしまいます。あわや対戦相手に殺されるッ!?――というところで、主人公が止めに入ってなんとか一命はとりとめました。
  医務室に運ばれるベルクートさん。そんな彼の枕元で、わんわんと泣き崩れるマリノさん。――こんなはずじゃなかった、こんなつもりじゃなかった、両親が酷い目に遭うと脅されたからやった、今は反省していると、一部始終を告白します。

  うそがまるみえです。どうかんがえても、ほんきでベルクートを優勝させたくなかったんです。

  ともかく、それでも敗北は敗北。妹の結婚相手は、優勝者の雇い主である貴族(要はワル)に決定してしまいました。歴史が、一人の女性の嫉妬によって大きく歪もうとしています。なのにベルクートさんは、マリノさんのことを鷹揚に許すのでした。マリノさんの周囲に危害が及ぶといけないので、しばらくの間彼女の側に付いていてあげるとまで言っています。懐が広のはいいことですが、彼はもうちょっと女性に対する危機感も持った方がいいですね。どうなっても知らないよ?
  ……とまぁ、そんなこんなで、主人公はベルクートさんたちと別れるのでした。


<ファレナ愛憎物語、第二部>
  それから色々ありました。
  国を奪われて今は義勇軍として戦っている王子様は、とある用事で訪れた温泉町でぼーっとしている剣士様と再会します。懐かしいベルクートさんです!……っていうかアンタ、こんな所で何してんのさ?
  話を聞けば、マリノさんに付きまとわれて、こんなところまでフラフラとやってきたそうです――そうら言わんこっちゃない。当のマリノさんはこの温泉街で就職活動中でしたが、なかなか働き口がみつからないということです。それならばと、王子様が義勇軍として二人を雇うことになりました。ベルクートさんは切り込み隊長として招聘、マリノさんには本拠地で宿屋をやってもらうことにしました。

  さてさて。そんな王子様が港町に行った時のことです。
  一人の女剣士が話しかけてきました。名前はハヅキ、和風装束の美少女です。
「ベルクートと名乗る剣士をご存知ないだろうか?」
  ハヅキさんは、故郷で剣術指南役をやっている名家の娘さんです。そこそこ強いので天狗になっていたところ、武者修行中のベルクートさんにコテンパンにされてしまいました。それ以来、雪辱を果すために彼を追い掛け回していたのです。ベルクートさんに勝てないと故郷に戻れないそうでして、『彼が逃げないように監視する』という名目で、王子様の本拠地におしかけてきます。

マリノ「ちょっと! 勝手なこと言わないでよ!! あんたなんかにつきまとわれたら、ベルクートさんだって迷惑だわ!!」
ハヅキ「…なんだ? おまえは」
ベルクート「大丈夫ですよ、マリノさん。ハヅキさんは戦う意思のない者に剣を向けるような人ではありません」
マリノ「そ、そういうことじゃなくって…。も、もう知らないっ!!」
ベルクート「マリノさん?」


  さぁ、たいへんたいへんです。ハヅキさんは、いつもいつもベルクートについてまわっています。宿屋前の広場でイチャイチャしているので、マリノさんのこめかみがすごいことになってます。三角関係です! 
  以下は、オボロという探偵に、そんなマリノさんの素行調査をさせた時の報告書です。

  なかなか情が深い女性のようですねえ。
  ハヅキさんがベルクートさんにくっついてると、こう、眉がキリキリとつり上がってですね…
  いやあ、若いってのはいいですねえ。

 
  パーティーに組み入れる時の台詞も、なかなか楽しめますよ。

>普通にマリノさんをパーティーに入れた場合
マリノ「よろしくお願いします!」

>既にベルクートさんがパーティーに居た場合
マリノ「ベルクートさんと一緒なんですね!? 行きます行きます!」

>ハヅキがパーティーに居た場合
マリノ「ハヅキさんも一緒…なんですか? …いいですけど…」


  とまぁ、色々と台詞が楽しめますが、エンディング後の三人のその後は……

>天暗星ベルクート
闘技場改め新兵訓練場の剣術教官に就任。
的確な指導には定評がある。
休日には宿屋の仕事を手伝っている。

>地飛星 マリノ
ストームフィストの宿屋に戻る。
店主が店を譲ろうかと思うほどの働きぶり。
ベルクートへの態度も積極的に。

>地急星ハヅキ
ベルクートと勝負する機会を逃さないために
彼と同じ剣術教官の職にムリヤリ就く。
マリノは大激怒。



  これから泥沼化か?というところでエンディングを迎えてしまいました。所詮は脇役の悲しさか……。せっかく「一服盛る」という、一般ゲーではありえないヤンデレっぷりを発揮してくれたのに、少々もったいない結果でありました。


ゲームとして
  凡作、っぽいです。まず、システム上の地雷は擁護のしようがありません。ロード時間の長さ以上に、その回数の多さにうんざりさせられました。ストーリーの方にも疑問が残ります。「ここで感動させよう」という大筋の骨格は見えるのですが、それを表現しようという段階において、冷静にシナリオを書けていないように見受けられました。


幻想水滸伝X 総合評価
嫉妬度 ★★★★☆☆☆☆☆☆4
修羅場度 ★★★★★☆☆☆☆☆5
ヤキモチ量 ★★★☆☆☆☆☆☆☆3
変な魅力 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆2

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ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット

  今日はアイレムのPS2用ゲーム、「ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット」を紹介しましょう。

概要
  自動車の代わりに、“トロットビークル”という格好悪いロボットを乗り回す世界(「天空の城ラピュタ」みたいな感じ)。そんな産業革命の真っ只中で、時代は大きく変わっていこうとしていました。記憶を失って海岸で倒れていた貴方は、捨てられていたポンコツのビークルを乗り回して、自由に生活していくことになります。変革に揉まれる時代――変わる想い、変わらない想い、そして変われない想いを描いた、箱庭型のアクションアドベンチャーゲーム。


さて。嫉妬は?
  本作のメインヒロインは“コニー”というポニーテールの少女です(→の画像の少女がコニーです)。「トロット楽団」というバンドチームで、ボーカルを担当しています。やや(すごく)棒読み気味なのが、またチャーミングなキャラ。ゲームの冒頭で海岸に倒れていた主人公を発見したのが彼女でして、その時から彼に一目惚れしていたようです。ムードが良い時に「コニーは何が好き?」と尋ねると、「……君のことが好きだよ……」とゲロったりします。
  サブヒロインには、「トロット楽団」でピアノとコーラスを担当している“セイボリー”、主人公の上司である“シブレット船長”なんかがいます。この三人は自室に呼びつけてご飯を作ってもらった上で、ベッドで耳そうじをしてもらっているその隙に、押し倒してピーしちゃうことができます。そういうゲームです。

  嫉妬イベントというと……意識的にコニーを遠ざけて、他の女性キャラを贔屓にしていると、すごく切なそうな態度をとってくることですかねぇ。
  例えば、道案内が必要だという時です。コニーは真っ先に立候補してきますが、そこは敢えて無視して、他の女の子を指名します。
  するとコニーは、泣きそうになります。

  目的地についた後、「遅かったね……?」と尋ねられたら、「イチャイチャしていたから」と答えてください。
  するとコニーは、唇を噛み締めてこれまた泣きそうになります。なおも話しかけると、ツンツンした態度をとってきます。
  
  そういう類のイベントが、いくつか用意されていたことぐらいでしょうか。
  ……ハイ、嫉妬的には大したものではありません。しかしそれでも本作は、やはり当サイト向きのゲームであります。その理由は、コニーがどう考えても「狂っている」――「狂うほどに、主人公を愛している」からです。どんなにあくどい事をしても、絶対に、主人公のことを嫌いになりません。嫌いになってくれないんです。
  本作は非常に自由度の高い、箱庭型のゲームです。なんでもできます。当然、ヒロインをいたぶったりすることもできます。彼女が自分に惚れているのを承知で、敢えてとことん冷たい態度をとることができるのです。主人公のことが好きで好きで堪らないヒロインに対して、思いっきり「お前なんか嫌いだ!」と言えるゲームなんです。そんなゲームって、今までありそうでなかったんですよ。

  ……どうです? なんとなく、修羅場スキーの血が騒ぎませんか……?

  本ゲームには、「悪ルート」という分岐ルートがあります。悪の秘密組織に寝返って、警察のビークルをボコボコにぶっ飛ばすとか、悪行の限りを尽くすこともできるのです。そんな主人公を、コニーは縋りつくようにして引きとめようとします――「お願い! 私の元に帰ってきて!」(ちょっと台詞はうろ覚え)
ヤンデレヒロイン・コニー  もちろん聞く耳なんかもちませんよ、足蹴です足蹴。それでもコニーは、会うたびに「戻ってきて戻ってきて」と懇願してくるのです。ほんとうにうっとうしい娘です。そうこうしていううちに、主人公は悪の組織の幹部へと出世していきます。そして「コニーを誘拐してこい」という命令を受けるのです。
  一片の躊躇もなく、任務を遂行しようとする鬼畜主人公。またまたコニーは「お願いだから、わたしと一緒に……」みたいなことをほざきますが、気絶させてお持ち帰りです。そういえば、お持ち帰りの仕方も突っ込みどころ満載でした。普通に誘拐するのではなくて、「トロットビークルの頭に柱を一本立てて、そこにハリツケ」です。もう楽しくてしかたありません。
  アジトに持ち込んだら、コニーを牢屋にブチこみます。やがて目を覚ましたコニーは、それでもまだ主人公の説得を諦めません。

「ねぇ、今からでも遅くないよ。マンティス(悪の結社)なんてやめて!」
「コニー」
「…なに?」
「コニー、キミに…ずっと言いたかったことがあるんだ」


  以下が、そのあとに続けられる選択肢です。
  • 「キミのことが気になって仕方がないんだ」
  • 「ボクはキミのことを友達だと思っている」
  • 「ボクはキミのことを家族だと思っている」
  • 「ボクはキミのことが好きでも嫌いでもないんだ」
  • 「キミはどちらかというと苦手なタイプなんだ」
  • 「キミと一緒にいることが耐えられないんだ」
  • 「ボクはキミが存在していることが許せないんだ」
  ヒロインに対して、ここまでこと細かに自分の気持ちを表現できるゲームが、かつて存在したでしょうか? こうなったらもう、選ぶべき選択肢は一つしかありません。「修羅場好きにはMが多い」と言われることがありますが、隠されたSの本性も目覚めてしまいそうです。

「そんなに私が嫌いだったなんて…知らなかった…」

  牢の中で、涙目でうな垂れるコニーです。
  しかし、それでも、コニーの想いは揺らぎません。

  組織のボスの前に、コニーを引っ立てます。
  こめかみに銃を突きつけ、彼女を嘲笑いながら引き金を引けます。
  しかし、それでも、コニーの想いは揺らぎません。

  ここまでやっても、ちっとも、諦めません!
  
  ……そうして一年後、主人公は思い出の海岸で、コニーと再会することになります。
  その時には……(ここから先は、ご自分でプレイしてください)


  本作は、嫉妬・修羅場的には大したものではありません。
  しかしこのコニーというヒロインの依存っぷり、主人公一筋っぷりは、並大抵のものではありません。

  当然ですが、優しく接してラブラブな雰囲気を作ることもできます。が、鬼畜な選択肢が用意されている以上、ついつい苛めてしまうのがゲーマーの性。それなのに彼女は、どこまでも主人公についていきます。「ひどいよ……(それでも、好きだから)」と、主人公の助手席から絶対に降りようとはしません。そうやって調子にのっているうちに、段々とプレイヤー側も怖くなってくるのですね。「ひょっとしたら、いつか刺されるんじゃないか……?」と。本当に、その手のイベントが用意されていない方が、おかしいような雰囲気でした。
  
  彼女は、間違いなく、狂っています。ヤンデレです。
  『ヤンデレ=血のついた斧・鉈・鋸を装備している少女』とする風潮が強い中、当サイトはあくまでも『ヤンデレ=傍からは狂っているように見えるほど、人を深く深く愛してしまった少女』と定義づけています。そのスタンスからは、ハッキリと断言することができるのです。
 
「ポンコツ浪漫大活劇バンピートロットのヒロインのコニーは、ヤンデレである」と。
“サヨナラ”する時にコニーが被る帽子

ゲームとして
  名作です。非常に余韻の残る作品です。2005年度の最優秀作品として挙げる人が多いのも、充分に頷けます。
  ちなみにアイレムというメーカーは、エイプリルフールに全てを賭けている会社の一つです。毎年異常に凝った仕掛けを施してくるので、4/1は公式HP要チェック。

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ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット 総合評価
嫉妬度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆2
修羅場度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆2
ヤキモチ量 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆1
変な魅力 ★★★★★★☆☆☆☆6

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ワイルドアームズ5

  クリアに丸三ヶ月かかっちゃったワイルドアームズ5、行ってみましょう。
  ……はい、どーせゲームばっかりですよ。だってゲーマーなんだからしようがないじゃない。

概要
  おっぱいとふともも。おっぱいとふとももであります!
  荒廃した『ファルガイア』という惑星を舞台にした、おっぱいとふともものRPGシリーズ第5弾。シリーズ10周年記念作品ということで、おっぱいとふとももです。ベルーニ族と人間……両種族の間に横たわる人種差別問題に立ち向かう、おっぱいとふとももたち。荒野を切り開いていく西部劇風おっぱいとふとももゲーム。


……? 嫉妬は?
  おっぱいとふとももでありますっ! おっぱいは揺れ、ぴっちりホットパンツはお股に食い込み、お尻はぷりんぷりんで、ふとももが燦然と輝きます。おっぱいとふともも、おっぱいとふとももでありますっ! 巨乳エロメイドもいるヨッ!!

  えーと、ここは何のサイトでしたっけか? 
  ――嫉妬サイトでしたっけ? ごめんなさい、正気を失いかけるところでした。ともかく、おっぱいとふとももであります。

  “レベッカ”というヒロインがいます(→の画像は見えていますか? このホットパンツの女の子です!)。この娘のポリゴンのモデリングが、とても神懸かっているのです。「撃ち抜いちゃうゾッ!」みたいなポーズをした時には、本当にハートがキュンキュンしちゃいました。そしておっぱいも揺れます! とゆーかレベッカ以外にも、この作品に出てくる女性キャラはみんな揺れまくりのぷるんぷるんばかりです……貧乳キャラであるアブリル以外は。
  それにしても、レベッカです。この子のカラダはエロすぎる16歳です。なんか管理人も錯乱中であります。興味のある方は公式サイトへ飛んで、さらに詳細にチェックするのもよろしいかと。嗚呼もちろん、着せ替えもできますよ? ブレザー制服に着替えた姿なんかもうたまりませんよ!



  ……ちょっと落ち着いてきました。それでは嫉妬レビューを始めます。
  レベッカは主人公ディーンと同じ村出身の幼馴染で、“曲撃ち”を特技とする跳ねっ返り娘です。勝気な性格でいつも主人公を尻に敷いている、典型的な世話焼きタイプの幼馴染。しかし「ポエムを綴ること」が趣味だという、夢見がちな乙女という一面も持っています。
  よくある幼馴染ヒロインと同様に、レベッカもずっと昔からディーンのことが大好きでした。しかし今の関係を壊すのが怖くて、いつまで経っても「好き」と告白できないでいます。実に王道的な、健気&一途幼馴染ですね。そんな彼女の性格を分かりやすく説明するために、戦闘終了後の彼女の“勝ち台詞”をいくつか抜粋してみましょう。

「大切な人のために……負けられないの!」
  いつまで経っても『好き』と言えない彼女ですが、『大切な人』という表現で戦闘終了のたびに告白しまくっています。

「ディーンは凄い……。でも、負けられないッ!」
  レベッカが勝気な態度を装っているのも実は、ディーンに置いていかれないように強がっていただけなんですね。

「ディーンにはまだ早いのッ!!」
  『スケベ本』という名前の隠しボスと戦って、レベッカでトドメを刺した時の勝ち台詞です。


  レベッカはこんな娘さんなんです。
  辺境の村にて主人公と二人でのほほんと暮らしていた、そんなある日のこと。主人公の元に、ゴーレムの腕が空から降って来ます。
  ゴーレムの手の平の中には、気を失った一人の少女がいました。主人公の顔を見て、彼女は思わず涙をこぼします。

  ……彼女の名は、“アブリル”。ロングの銀髪に物憂げな眼差し、漂わせるのは儚げな雰囲気、なにやら敵に狙われているという重要キャラのポジション、記憶喪失というお約束なファクター、ついでに戦闘タイプは魔力系――なんかもう絵に描いたような『正ヒロイン』です。
  まずい。これはまずい展開ですよ! 正ヒロインの座は、レベッカのモノではなかったのです!

  ディーンは、彼女の記憶を取り戻すために旅立つことを決意します。あまり村を離れるつもりがなかったレベッカも、突然「危なっかしいからアタシもついていく」と言い出しました。こうして三人で荒野へ旅立つことになります。
  そしてこの日をきっかけに、レベッカは“旅の日記”を書き綴っていくことにしました。


  このノートこそが後世、「レベッカの嫉妬日記」と呼ばれることになる文献です。


  その内容ときたら“旅の日記”と称しながら、「ディーンが……」「ディーンは……」「ディーンはその時……」「アタシとディーンは……」――こんな感じで、主人公のことばっかりです。それだけ、主人公のことで頭がいっぱいなんでしょうね。ゲーム中では何かイベントがあるごとに、この日記帳に綴られた記述という形で、レベッカのモノローグが挿入されます。……とても、頻繁に。
  以下、この現象を『レベッカのポエムモード』と表現することにしましょうか。そのほんの一部を、例として挙げてみます。
  (※一部にメモが無く記憶に頼っているため、あまり正確ではありません。ごめんなさい)

  自分のしていることは余計なお節介なのだろうか――主人公が悩むシーン(だった気がする)にて、アブリルはこんな風に言ってのけます。
「いいえ。わたくしは、ディーンのことがすきですよ」
  すると即座に画面が反転します。ポエムモードの発動です!

「衝撃だった」
「それはきっと、アタシが考えているような、『好き』ではないのだろう」
「それでもアタシは、『先を越された』と思った……」


  こんな風にイベントが一時中断して、レベッカの独白が入るんです(CV:水樹奈々)。
  さらにもう一つぐらい例を挙げておきましょうか。


  アブリルは辛い宿命を背負った、悲劇のヒロインです。彼女が記憶を取り戻していくうちに、主人公も少しずつそれを悟っていくことになります。初めて出会った時に、自分の顔を見て零した彼女の涙……あんな涙を二度と流させたくない。主人公は「君を護り抜く」とアブリルに誓います――
  ――というシーンなのに、カメラがアップで寄せていくのはレベッカ。主人公でもアブリルでもなく、そんな二人の会話を傍らから眺めているレベッカの顔をアップで捉えます。そして、またまた画面がモノトーンになります。
  ポエムモードの発動です。ザ・ワールド!

「ディーンとアブリルの間には、アタシの知らない何かがあるようだった」
「もしかしたら、ディーンが旅立った理由は、そこにあるのかもしれない」
「……ディーンのことは、なんでも分かっているつもりだった」
「でも、アタシの知らないディーンが、そこにいた」
「いつでまでも幼馴染のままではいられないのだと、ようやく気がついた……」


  ポエムモードが解除されます。
  じっと眺めているだけだったレベッカが、二人の間に割って入ります。主人公とアブリルの間に漂うイイ雰囲気を振り払おうとして、さりげなく話題を変えようとするんです。プレイしていて、思わず「レベッカ必死だな」と呟いてしまいそうになりました。

  こんな風に、素直に告白できない幼馴染としての苦しさを胸に秘めながら、仲良くなっていくディーンとアブリルの姿にやきもきするレベッカ。その状況が延々と、ポエムモードで演出されていくんです。一部のプレイヤー(一般人)をウンザリさせ、一部のプレイヤー(管理人)を歓喜させるほどに、延々と。



  「ダンジョンの謎解き」の中にも、このレベッカの嫉妬深さを考慮に入れていないと解けないパズルがあります。床にあるスイッチを踏んでいないと、扉が開かないという仕掛けがあるんです。誰かが重りとしてスイッチの上に乗っていないと、先へ進めません。扉を開けた次の部屋にも、同じ様なスイッチがあります。……つまり、パーティーメンバーを一人また一人と置き去りにしながら、先へ進んでいくわけですね。そうして一番奥の部屋の扉を開ければ、見事トラップ解除です。こういう仕掛けって、RPGにはよくありますよね?
  しかし最後の扉を開けられるのは、特別な力をもったアブリルだけです。暗い部屋に一人で置きざりにされるのはイヤだというキャラもいます。そういうキャラには、明るい部屋を選んでスイッチを踏ませなければなりません。人数(=重りの数)に余裕はありませんから、以上の制限をよく考えて配置を決定しなければいけないパズルなのです。
  ……それでは、レベッカにはこの部屋のスイッチを踏んでいてもらいましょうか。

「だ、ダメーッ! アタシも一緒に行くわよッ!」

  あれ? レベッカがスイッチを踏んでくれませんねぇ。

「だ、ダメーッ! アタシも一緒に行くわよッ!」

  ここは暗い部屋でもないのに、パーティーから外れることを断固拒否しようとするレベッカ。

「だ、ダメーッ! アタシも一緒に行くわよッ!」

  ……ハイ。みなさんには、もうお分かりですよね?
  レベッカはこのパズルにおいて、『アブリルとディーンが二人きりになるのを阻止しようとする』んです。アブリルがパーティー内にいる限り、絶対にレベッカも離れようとはしないんです。

  しかし困りました。最奥の扉を開けられるのはアブリルだけですから、彼女は最後まで温存しておかなければなりません。アブリルを温存するならば、どこかの部屋にレベッカを配置しなければなりません。でもレベッカは、自分の目の届かない場所でアブリルと主人公が二人きりになることを阻止しようとします。いったいどうしましょう……?
  人によってはここでゲームに詰まって、攻略本に手を伸ばしたりするのかもしれません。しかし当サイトに集うような強者達ならば、こんな謎を解くのに0コンマ1秒も必要もありませんよね? ヤキモチを妬いた女の子に対する「男として正しい態度」を、我々は熟知していますからッ!

  一番最初の部屋に、アブリルを置いていけばいいんですよ。そうすればアブリルと別れたことによって、レベッカは安心します。ホッとします。もしかしたら、頬を赤らめるかもしれません。「やっぱりアブリルよりもアタシと一緒に居たいんだよね」とか、ポエムモードで脳内勝利宣言したりしているのかもしれません。そんなレベッカを引き連れて奥へ奥へ進み、どこか適当な部屋のスイッチをレベッカに踏ませます。泥棒猫がいないので、今度は文句言わずに命令に従ってくれるはずです。そしたら


  戻るんです。


  大急ぎでアブリルの元へ駆け戻るんです。彼女は大切なヒロインですから、放っておいてはいけません。戻って、アブリルを回収します。彼女が踏んでいたスイッチには、別の男キャラを代わりに乗せてください。
  彼女の手をとって、一気に走り抜けましょう。青い顔をしているレベッカの側を横切って、二人きりで奥の部屋へ駆け込むのです。
  ……これこそが、男としてとるべき「正しい態度」。

  素晴らしいです。
  単純に会話文やイベントだけではなく、パズルの一要素としても「レベッカの嫉妬深さ」をアピールしようとしたスタッフの熱意に、万雷の拍手を送りたいと思います。こんなどうしようもない点を褒めるサイトは、いかにウェブ世界広しといえどもウチだけでしょう。なればこそ、ここの管理人だけはスタッフを賞賛せねばなりません。
  アンタたちの心意気、この俺がしかと受け取ったッ!


  ええと、それで最終的にこの三角関係の行方はどうなったかというと……気になる方はご自分でプレイして、判断してみてください。本作のオチは非常に使い古された感のある○○○ネタなのですが、主人公が誰を選んだのかについては曖昧にぼかされていますので。
  ただ、状況的にはレベッカの敗北なんじゃないかと。管理人的には、そんな印象が残りましたです。はい。


ゲームとして
  おっぱいとふともも! おっぱいとふとももはプライスレスであります! ……が、真面目に評価してもそれなりの「良作」です。
  敢えて苦言を呈するならば、EDがあまりにもアッサリしすぎていることが×です。うちの近所で「不味い」と評判のラーメン屋よりもアッサリ風味です。ダシもコクも全然効いていない、まるで連載打ち切りのような幕切れでした。「人種問題」という、近世以降の創作者達にとって最も難解なテーマの一つに手をつけている本作なればこそ、ご都合主義によってムリヤリ大団円に落ち着かせているEDには、余計に幼稚さを感じてしまいました。


ワイルドアームズ5 総合評価
嫉妬度 ★★★★★★☆☆☆☆6
修羅場度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆0
ヤキモチ量 ★★★★★★☆☆☆☆6
おっぱいとふともも ★★★★★★★☆☆☆7

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うたわれるもの 〜散りゆく者への子守唄

  PS2用ゲーム「うたわれるもの」で、いってみましょう。
  ※ここで紹介しているのは2002年に発売された18禁版PCゲームではなく、2006年に発売された全年齢版のPS2用ゲームの方です。当サイトでは18禁アダルトゲームを取り扱わないので、予めご了承お願いします。

概要
  瀕死でぶっ倒れているところを犬耳少女“エルルゥ”に助けられた青年、“ハクオロさん”。記憶喪失になるわ、顔にはめられた不気味な仮面は外せないわで、色々と大変なハクオロさんです。助けてくれた村の人たちも、犬耳だったり尻尾が生えていたりしてなんか変な感じ。でもみんな親切にしてくれるので、傷が癒えたハクオロさんも、村の一員として静かに暮らしていこうとします。……しかしそんな安穏な生活の背後に、剣戟と戦乱の嵐が忍び寄っているのでした……。
  独特な世界観が人気の、架空戦記アドベンチャー+シミュレーションRPG!


それはそうと、嫉妬はあるの?
  PCゲームの昔からの固定ファン層もあり、色んな意味で有名な作品ですね。ですが「嫉妬」という切り口から徹底的にレビューしている処は、やっぱり少ないようです。「女の子の嫉妬専門サイト」として、本作を分析しておくのは天から与えられた責務というものでしょう。
  元がエロゲーなので、登場するヒロインの人数も多いです。ここでは各ヒロイン別に、嫉妬のありかたを紹介していきます。

・エルルゥ(CV:柚木涼香)
  メインヒロインである犬耳娘です(→のパッケ画像で、仮面の青年と背中合わせになっている娘)。薬剤師であり、戦闘では貴重な回復役として重宝します。取扱説明書のキャラ紹介欄にしっかりと『ちょっとやきもちやきな面がある』と書かれているのが、嫉妬スキーの期待を煽ってしょうがありません。
  結論としては、その説明書どおりに妬きまくりの娘さんでした。見た目はバリバリに清純派の王道をいくヒロインなんです。しかしお話が進むにつれて、地雷臭がそこはかとなく漂っていきます。ハクオロさんと二人きりになるために周囲に根回しをしたりと、微妙な黒さも発揮してくれます。この微かな地雷女臭――嫉妬の匂いフェチにはたまりません。
  そんなエルルゥの嫉妬が発揮されるのは、主に日常が絡むイベントシーンにおいてです。ハクオロさんは中盤から国王になるので、まわりには沢山の人が集まってきます。当然、見目麗しい女性も次から次へとやってくるのです。その度に不機嫌になったり、つっけんどんになったりするエルルゥをじっくりと堪能しましょう。「主人公にそんな気なんかないのに、勝手に勘違いしてプリプリしている女の子」――どんな世界観においても、やっぱ良いモノは良いですねぇ……。
  さらにハクオロさんとエルルゥに関しましては、声の熱演っぷりにも触れておかなければいけません。このPS2版はフルボイス仕様なのですが、某らじおで中の人たち(小山力也さんと柚木涼香さん)のことをよく知っていると、嫉妬イベントが三倍(当社比)楽しめます。特に“嫉妬される主人公”――ハクオロさんのオロオロ演技には、目を見張るものがあります。改めて、「修羅場」というものは主人公自身も非常に重要な要素であると、実感しました。小山力也さんは間違いなく名優でしょう。……まぁ、らじおのことはいずれ別項で紹介することとして、ここでは割愛します。
  ただし、エルルゥの嫉妬は「やきもち」と表現した方がしっくりするような感じです。感情的には陽性のジェラシーでして、「ハクオロさんのばかぁぁぁあ〜!」と喚いて、胸元をぽかぽか叩くようなノリです。陰湿に他のヒロインを攻撃したり、排斥したりする類のものではありません。よって、「修羅場性」は作品全体を通して希薄です。主人公を奪い合ったりはしないので、この辺はご注意を。

  それでは、エルルゥの嫉妬イベントをいくつかピックアップしてみましょう。

  エルルゥの嫉妬は、例え妹相手であっても容赦なく発揮されます。彼女の妹の“アルルゥ”が、主人公のことを“おと〜さん”と慕って、しがみついてくる場面でのことです。
エ「アルルゥ。ハクオロさんが困っているから、そのくらいにしなさい」(やんわりと)
ア「おと〜さん」
エ「アルルゥ、ハクオロさんに迷惑だから」(お姉さんとして)
ア(スリスリ)
エ「……むぅー。アルルゥ!」(怒)
ア(スリスリ)
エ「むー……アルルゥ!いい加減にするの!」(怒怒)
ハ「ま、まぁまぁ、エルルゥ……」
エ「うー! もういいですっ!」(怒怒怒)



  次は、アルルゥがおなかをぽっこり膨らませて、帰って来た時のこと(服の下に白虎の子供を隠している)。
エ「アルルゥ……何それ?」
ア「う〜……」
エ「アルルゥ?」
ア「……赤ちゃん」
エ「赤ちゃん?」
ア「アルルゥの赤ちゃん」
ア「動いた」
エ「なあんだ、そうな……ええ!?」
エ「あ、赤ちゃんって…」
ア「アルルゥと、おと〜さんの赤ちゃん!」

ハ「いーー!?」
エ「ハ、は、ハクオロさん!?」
ハ「ちょ、ちょっと」
エ「ハクオロさんッ!!!」

  ちなみに、アルルゥはどう見ても小学校低学年の年齢です。

↓このエルルゥがかわいい。


  さらに今度は、ハクオロさんが病弱姫の寝所へ看病しに行った時のことです。別れ際に『また会えるように』と、再会のおまじないをかけてもらったハクオロさん。お互いの小指に、相手の髪の毛を結ぶのです。そうしてハクオロさんは家に帰ってきました。

ハ「ああ、喉が渇いた」
エ「どうぞ、お茶で――」
エ「え? ……あの……その小指……?」
ハ「小指? 小指が何か?」
エ「その……髪の毛……」
ハ「髪の毛……。ああ、小指のこれか。なんでも、再会できるおまじないだそうだ。エルルゥも知っているのかい?」
エ「え……ぁ……。もしかして……会いに行った人って……女の子?」
ハ「……どうして分かったんだ? エルルゥと同じくらい可愛い……そう、可憐な女の子でね。また会えますようにってな」
エ「……」
ハ「エルルゥ、お茶は……」
エ「……」
ハ「エルルゥ?」
エ「そ、それで……その……。もしかしてハクオロさんも、その子の小指に髪の毛を?」
ハ「あ? ああ、何でも二人に結ばないと、効果がないとかどうとか」
ハ「それよりお茶を――」
エ「……」
ハ「……は? エ、エルルゥ、それは自分の――」(エルルゥ、持ってきたお茶を一気飲み)
エ「おやすみなさい!」
ハ「お、お茶は……」


  ちなみに、この病弱姫の名を“ユズハ”といいます。エンディングでハクオロさんの赤ちゃんを産んでしまうヒロインです。そんな結末を予感しているのかしていないのか、エルルゥにはこのユズハを特に警戒しているような節が見られます。
  ユズハが仲間になった後、「彼女の友達になって欲しい」と頼むと、むっちゃ嫌そうに「は、はい…」と答えます。ユズハの頭を撫でたあとに、「――と、そうだった。紹介しよう。この娘達が……」と振り向くと、エルルゥが凶悪なツラ構えでむっすりしています。
ハ「……エルルゥ?」
エ「はえ!? あ、いえ、その……」

  

  そしてそのうち、ユズハはハクオロさんを“男性”として意識し始めます。ハクオロさんの顔を見ると頬が上気して、顔が真っ赤になるのです。しかしハクオロさんからしたら、しょっちゅう生死の境を彷徨っている病弱姫のことなので、また具合でも悪くなったのではないかと勘違いして心配になります。そうしてユズハを介護しようとすると、今度はそれを嗅ぎ付けたエルルゥが割り込んできます。

  ハクオロ、ユズハの熱を計る。おでこにごっつんこ。
ユ「――!」
ハ「……熱いな。やっぱり熱があるぞ」
エ「……ッ」
ハ「どうしたエルルゥ。変な顔して?」
エ「ど、どうせ私は変な顔です!!」


  エルルゥに診察の邪魔だと言われて、ユズハの部屋から追い出されます。しばらく部屋の外で待っていると、溜息をついてエルルゥが出てきます。ユズハの病状はどうかと尋ねても、何も答えてくれません。むくれているエルルゥ。そんなエルルゥのほっぺを突いていると――腕をがぶりと噛みつかれます。

ハ「あ゛ーーーーーーー!!!」
エ「ハクオロさんのせいです! ぜんぶぜんぶぜ〜んぶ、ハクオロさんが悪いんですっ!」



・ドリィ&グラァ(CV:渡辺明乃)
  次はドリィとグラァという、双子の嫉妬を紹介します(パッケ画像には掲載されていません。残念)。この二人、声も外見もソックリの瓜二つ。二人で主人公の舎弟・オボロ(♂)のお小姓さんをやっています。……ハイ、お小姓さんです。この二人の外見は管理人好みの美少女ですが、れっきとした『♂』だそうです。

  でも。
  でも――イイんです。この二人の嫉妬、イイんです……。
  このサイトのどこかで「男の嫉妬など認めんッ!」と啖呵を切っていたような気がする管理人ですが、あっさりと手の平を返しそうです。こんなに可愛い男の子なら……嫉妬を認めちゃっても……いいカモ……。この二人は、お仕えする若様(オボロ)を心底敬愛しちゃっているのですよ。まるで恋する女の子みたいです。例として挙げるならば、酔いつぶれた若様を介抱するシーン。

第三者「おい、(オボロに)この酔い覚ましを飲ませろ」
ドリ&グラ「「いいんですか!?」」(顔を輝かせて)
第三者「あん? いいも何も、飲ませねぇと朝まで潰れたままだろ」(当惑)
ドリィ「それもそうですよね!?」(異様に嬉しそうに)
グラァ「遠慮なんていりませんよね!?」(言質をとるように)
第三者「あ、ああ……。まぁ、キッツイやつだから、味の方は――」

ドリィ「んっ――」(自分で酔い覚ましを口に含み)
オボロ「む……グム――!?」(くちうつし)
ドリィ「ふは……」
第三者「って、お前ら……」
グラァ「んくっ」(自分で酔い覚ましを口に含み)
オボロ「ご……ムゴっ――」(くちうつし)
第三者「……」


  ちなみにアニメ版の「うたわれるもの」ではこの二人、酔いつぶれたオボロに全裸で添い寝をしているセクシーシーンがあります(当然、めっちゃ嬉しそうな顔をして)。そんな二人ですから、若様をとられそうになると健気に嫉妬してくるんです。以下はそんな場面の抜粋(※PS2版オリジナルシナリオ『カムチャタール編』の一シーンなので、PC版には未収録のものです)。

  色街に視察に来たオボロとドリィ&グラァ。オボロは遊女の強引な客引きに遭遇してしまいます。
遊女「お兄さんにいーっぱいご奉仕させてくださーい」
ドリ&グラ「いえ」「間に合ってますから」(冷たい声で)
遊女「あれ、お兄さん、どこかで見たこと……。も、もしかして……侍大将のオボロ様ですか!?」
オボロ「え? あ、まぁ……」(照)
ドリ&グラ「「違います」」(冷凍光線)
遊女「え? でも」
ドリ&グラ「「人違いです」」(冷凍光線)


  まぁ結局は、お店の中へ連れ込まれてしまうわけですが。色っぽい遊女三人がかりで、接待を受けることになったオボロ。このお店は実はワルの巣窟なのですが、そこはそれ、酒にも料理にも箸をつけないお小姓が、オボロ様の両脇を異様に厳しく固めています。

遊女「お待たせいたしました。どうぞ、まずは一献」
ドリ&グラ「「それでは若様、お注ぎします」」(さも当然に)
遊女「え?」
オボロ「あ、ああ……スマンな」
遊女「……」
ドリィ「あ、僕達のことでしたら、どうぞお構いなく」
グラァ「若様は、僕達がお世話させていただくことになっていますので」
遊女「……いえ、お客様にそのようなことをさせるなど、できません」
遊女「「さあ、オボロ様」」
オボロ「お、ととととお、と――」
ドリ&グラ「「……」」(火花)
遊女×3「「……」」(火花)

ドリ&グラ「「若様、どーぞ」」
オボロ「お。おう」(呑む)
オボロ「……ふぅ」
遊女「心をこめてお注ぎしますわ、さあ一献」(注ぐ)
ドリ&グラ「「若様、どうぞ!」」(こっちから注ぐ)
オボロ「……ち、ちょ……」
ドリ&グラ「「どうぞ!!」」

遊女「……コイツら、やってくれる……」




・ムツミ(CV:釘宮理恵)
  トリは、“ムツミ”という少女に飾ってもらうとしましょう(パッケ画像には掲載されていませんが、右上の銀髪少女に憑依しています)。この娘の身の上を説明しようとすると、どうしてもストーリーの核心に触れなければなりません。簡単にではありますが、以下で壮絶にネタバレしていますので、くれぐれもご注意ください。


  何万年も昔のことです。地上は核戦争だかなんだかで荒れ果てて、人類は地下の無菌施設でひっそりと暮らしていました。そしていつの日か地上に戻るために、主人公(不老不死の神のような生物)を監禁して、その身体を研究していたのです。研究者たちは主人公の細胞を使って、次々と新種の生物を生み出していきます。過酷な地上の環境でも生きていける“新人類”を造り出すためです。その中には、犬耳タイプの獣人の少女もいました。彼女の名は“ミコト”――エルルゥのご先祖様です。モルモット状態の主人公の身の回りの世話をしているうちに、二人は仲良しになっていきます。
  なお、創造された新人類の中には、失敗作として廃棄処分になった者たちもいます。例えば実験体NO.63――彼女も廃棄処分になったサンプルの一つです。しかしNO.63は、思念体となって生存していました。寂しくて仕方がないNO.63は、テレパシーのようなもので主人公に接触してきます。何がなんだかよく分からない主人公は、脳内だけで彼女の相手をしてあげるのでした。そのうちNO.63は、ミコトのように自分にも名前をつけろとせがんできます。主人公は63という数字にちなんで、その声の主に“ムツミ”と名づけてやりました。

  そうこうしているうちに、事態は急変します。主人公に好意的な研究者の一人が、主人公とミコトを地上へ逃がしてくれると言うのです。主人公は“ムツミ”も一緒に連れて行きたいと申し出ますが、そこで初めて、NO.63は最初から存在しないナンバーであること、既に廃棄処分にされたサンプルであることを聞かされるのです。仕方なく、ミコトだけを連れて地上へ逃げ出す主人公――


「行カナイデ……」
「むつみヲ、……置いてイカナイデ……」


  地上での生活で、主人公とミコトは夫婦になり、赤ちゃんを授かりました。新天地のアダムとイブ――しかしそんな幸せも長くは続きません。
  変なモビルスーツに乗り込んだ地下の人類が、主人公たちを連れ戻しに来たのです。抵抗むなしく捕まってしまう主人公。以前と同じように研究施設に監禁された主人公は、愛するミコトが母体サンプルとして解体されてしまったことを知ります。
  怒りで、ブチ切れです。主人公は遂に“神”としての力に目覚めて、地下の人類を殲滅してしまうのでした。さらに壮絶な憤怒の中で、主人公の人格は二つに分裂してしまいます。その片割れが――ハクオロさんというわけです。

  そして何万年か経った、現在。
  カミュという少女に憑依(?)して、ムツミが目を覚ましました。
  記憶喪失のハクオロさんの前に、その姿を現します。
  彼女との会話シーン及び戦闘シーンを挙げて、「うたわれるもの」嫉妬さがしの〆にしましょう。


「だから……殺しあう」
「そしてお父様たちは……また、わたしのことを忘れてしまう」
「わたしがどんなに胸焦がれても……」

「あの子のことは……忘れないのに……」

「そんなのイヤ」
「だから……もう行くななんて言わない」
「もう一人のお父様にも……ここでお休みしてもらうから」


 (戦闘開始)

「お父様……こっちだよ……」
「お願い……私だけを見て……」
「どうして……わたしを選んでくれなかったの……?」



ゲームとして
  ギャルゲー系の作品としては、かなり丁寧に作られていて好感のもてる良作です。しかしS・RPGの側面だけを見ればそんなに目新しい要素はなく、わりと単調なゲーム性でした。ストーリー、特に序盤〜中盤にかけての戦記モノの流れは秀逸なので、歴史や大河ドラマが好きな人にはお奨めでしょう。なお、周回プレイをするにあたって致命的なバグがある模様です。気になる方は事前にチェックを。


うたわれるもの 〜散りゆく者への子守唄 総合評価
嫉妬度 ★★★★☆☆☆☆☆☆4
修羅場度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆2
ヤキモチ量 ★★★★★☆☆☆☆☆5
変な魅力 ★★★☆☆☆☆☆☆☆3

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