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嫉妬さがし
アニメ『スクールデイズ』のための特別な嫉妬さがし。恐怖の週一更新。
リアルタイム嫉妬さがし



<第三話:「すれちがう想い」>

今回の【嫉妬センサー】
 感度:50%
   「こんらん」中です。


???「ねぇ、お姉ちゃ〜ん! わたしもお話しした〜い!」
言葉「いいから向こうに行ってなさいっ」
???「待ち受け画面の人でしょ? 伊藤くん、だよねっ?」




<五分前>

 明日のデートプランを伝えるために、言葉の携帯に電話をかけた誠くん。
 ――とぅるるるるる……

???『もしもしぃ〜』
誠「あ、桂。明日なんだけど、やっぱり俺がそっちまで行くから、一緒に――」

??「桂って、お姉ちゃんですかぁ〜?」

誠「……へ?」
??『ひょっとして、お姉ちゃんの彼氏ですかぁ〜? 明日、デートですかぁ!?』
誠「……へ? えぇ?」
??『お姉ちゃんなら今、明日に備えてお風呂に入ってマース!』


 上気した肌(&はちきれんばかりおっぱい)をバスタオルに包んだ「ホンモノの言葉」の声が、割り込みます。

言葉『こ、心ッ!!』
心ちゃん『あっ、お姉ちゃん!』


 お姉ちゃんに成りすまして電話に出ていたのは、我らがアイドル“桂心”ちゃんだったのでした!
 こころちゃんは言葉の妹にして、元気溌剌な愛くるしい女の子なんですよ。(年齢的には小学生高学年くらい)


 はい、今回はここでオープニングが流れます!
 チャッ チャッ チャチャッ♪ ハイ!
 
【嫉妬CHECK!】

 おっぱい! おっぱい!

 ――じゃありません。いかに管理人がお馬鹿であろうと、そう毎回毎回OPのおっぱいで引っかかりませんよ。
 ここでチェックするポイントは、OPが終わった後のCMなんです。
 PCゲーム版『Schooldays』のボーカルアルバムのCMなんです。

 これには二種類あるのですが、注目すべきは後半のバラードパート。
 いとうかなこさんの『悲しみの向こうへ』を流しながらバックに映りこんでいる、原作版のアニメーションがポイントです。

 ・(伝説となった)「言葉様、誠邸のベランダで“のこぎり”を見つけて高笑い」之絵
 ・(伝説となった)「言葉様、世界の首筋を“のこぎり”で一閃」之絵
 ・(伝説となった)「言葉様、マンションから飛び降りて“にやり”笑い」之絵

 
 まさかまさか地上波で、これらレジェンドな言葉様の御姿を拝見できるとは思ってもいませんでしたっ!
 嗚呼、ありがたやありがたや……。なまんだぶ、なまんだぶ……。
 管理人はテレビの前で、思わず手を合わせて拝んでしまいましたよ。皆様もこのCMを見かけたら、ちゃんと合掌してくださいね。


 原作をプレイせずにアニメ版だけを観ている人にとっては、かなり衝撃的な絵だったのではないでしょうか? 今のところは「切ない恋愛劇」の範疇に収まっているアニメ版ですから、ここで初めて言葉様のアヒャリ顔なんかを観たら、そのギャップに唖然とするかもしれません。おしっこを漏らすかもしれません。
 ……しかしながら、アレが本作の「真の姿」なのですよ。管理人を含む多くの修羅場スキー達がこの『Schooldays』に拘っている理由の一つが、まさにこれらの「ヤバい」シーンにあるのです。アニメとしてどう再現されるのか、興味を持たざるを得ません。
 もしくは再現されずにスルーという事態も考えられますが――その場合は元永監督の責任問題へと発展するでしょう。ですが、現在のスタッフのノリを鑑みるに、そんなことはありえないと思われます。もっと元永監督のことを信じましょう。彼は……やってくれるはずなんですっ!


(※局によって差異はあるでしょうが、管理人の場合は第三話で初めてこのCMを観ました)

「言葉様のアヒャリ顔・三態」
(OP後のCM)




………
……

<冒頭にもどる>

心ちゃん「ねぇ、お姉ちゃ〜ん! わたしもお話しした〜い!」
言葉「いいから向こうに行ってなさいっ」


 桂姉妹のおしくらまんじゅうです。
 心ちゃんから携帯電話を取り上げて、お部屋から追い出してしまう言葉でした。慌てて誠に電話をかけて、謝罪します。

誠「あぁ〜、妹さんなんだ?」
言葉「はい、心っていうんですけど……」
誠「へぇ〜、姉妹で変わった名前なんだね〜」
言葉「そうですね。よく言われます」
誠「それなら妹さんは、“心ちゃん”て呼ぼうかな」



【嫉妬CHECK!】

言葉「…………。はい……」


 はいチェック。ここに注目です。

 ……ち、ちがいますよ、七誌さん。おっぱいではありません。
 バスタオルを押し上げるたわわなメロンに着目しろと言っているわけではありません。
 瑞々しい太ももの付け根をかろうじて覆い隠している、バスタオルの切れ込みに着目するわけでもありません。

 この時の言葉の表情に目を付けて欲しいのです。おっぱいにばっかり気を取られていると、ついつい見逃してしまいがちです。

 
 言葉は柳眉をハの字に歪めて、表情を曇らせます。
 この悲しげな顔は、紛れも無く「嫉妬顔」なんです!


 それでは、何に嫉妬しているのか? 何故こんな表情をしたのか? 
 ――そのヒントは前後の会話の流れの中にあるのですが、この時点では非常に読み解きにくくなっています。まぁ、後半パートで明らかになりますけどね。フタを開けてみれば、本当に些細な嫉妬だったのですよ。

 しかし! 
 些細な嫉妬だからといって、馬鹿にしてはいけないのです! 実はこの時の彼女の嫉妬は、「言葉」というキャラの本質に根ざしたものなのですから!
 ただぼーっと観ているだけでは「ふ〜ん、それで?」と流してしまいがちですが、表面上のインパクト以上に大きな意義があるのです。また、『すれ違う想い』という本話のサブタイトルの意味にも関わってきます。不必要なまでの深読みを是とするコアなファンならば、絶対に見過ごしてはいけませんよ。

 とりあえず今は、このシーンの言葉の表情をしっかりと胸に刻み付けておきましょう。

「ハの字まゆ毛とおっぱい」
※別におっぱいは関係ありません。
(第三話、00:05:05経過ころ)



………
……


<数日後、昼休み>

 いつものように誠と世界と言葉の三人で、屋上でお昼ごはんを食べています。

【嫉妬CHECK!】

 ちょっと面白い絵なので、ここもチェックしておきましょう。
 お昼ごはんを食べている三人の位置です。

 世界は、誠&言葉とは別のベンチに、一人だけぽつんと座っています。
 さらに誠と言葉は同じベンチに座っていますが、両者の間には人一人分のスペースが空いています。


 この座り位置は、そのまま現在の三人の関係を象徴しているようですね。恋人同士ではあるけれども、イマイチぎくしゃくしがちな誠と言葉。一人蚊帳の外ではあるけれども、確実に二人に影響を与えている世界――


 さて。折角ですから、ここでまた過剰な深読みをやらかしましょうか。管理人の知る限りの恋愛心理学(というほど大したものではないですが)を使って、このシーンの秘密を読み解いてみましょう。

 みなさんは、椅子に腰掛けた「女性の膝」に注意を払ったことがありますか? 「膝」には、その人の心理状態が如実に現れるのです。
 例えば、「膝の向き」です。
 “強い興味を感じる”ことをよく“膝を進める”なんて表現しますが、膝の向きには「その人が意識しているモノ」が現れてしまうものです。特に女性に限って言えば非常に信憑性の高い分析ポイントでありまして、“膝”は女の子の興味の向く先を生々しく暴露してしまいます。「性的な開放感の方向性を指し示している」とも言えましょう。
 例えばコンパや飲み会の席で、貴方の隣に座っていた女性がそろそろ正座を崩して、“女の子座り”をしたとします。膝の向きは貴方の方を向いていますか? それとも反対側に座っている別の男性の方を向いていますか? 前者ならば、その女性は貴方に気があります。後者ならば、残念ながら貴方は見向きもされていません。
 また、無意識的な心理ではなく、彼女ら自身が意識してそうしている場合もあります。我々男子が考えている以上に、女性というものは自分の足に気を配っているものです。気合の入った合コンで、大胆なミニスカートを履いてくる女性っていますよね? お目当ての男性の視線が自分の太ももに落ちた――と分かると、胸の内でガッツポーズをしていたりするものなのです。“飲み会でのチラリズム”というあの妙なテンションは、彼女らがわざと演出している場合があります。まぁともかく、そうやって自分の太ももを見せびらかすためには、気に入った男性の方へ膝を向ける必要がありますよね? そうでなければ、“肝心のトコロ”を“見えそうで見えない”ようにできませんから。

 ここで本作の絵に話を戻します。言葉は明らかに誠の方に膝を向けており、彼に対してハッキリと興味を示しています。
 対する世界は――彼女は身体ごと正反対を向いてお弁当を食べているため、分かりにくいです。しかしその後のシーンをよくよく眺めていると、膝だけはちゃんと誠の方を向いていることが判明しますっ! 「誠に興味がない振りをして、実は性的な関心を抱いている」という深層心理が、この絵から読み取れてしまうのですっ!

 また、「膝の閉じ方」も心理分析をするポイントになります。
 膝をぴっちり閉じている女性は「緊張気味」であり、適度に開いている場合には「リラックスしている」状態にあります。今回の絵では、言葉は膝を綺麗に揃え、世界は無造作に足を投げ出しています。ゆえに言葉はまだまだ緊張状態にあり、世界の方は落ち着いてメシを食っている、という風に分析されるのです。

 やー、まぁ、今回ばっかりは流石の管理人も「深読みのしすぎ」だとは思いますが。

「三人の関係、その座り方からの考察」
(第三話、00:05:45経過ころ)




 ごはんを食べながらの話のネタで、先日の“心ちゃん”との一件が持ち上がります。

言葉「実は、あの子が伊藤君に会いたいって……」
誠「それって、桂の家に行ってもいいってこと!?」


 彼女の家へお邪魔する――それを聞いて大喜びする誠ですが、すぐさま世界によって釘を刺されます。

世界「誠、飛躍しすぎ!」
言葉「えっと、私は別に、構わないですけど……」
世界「桂さん! あんまり甘やかしちゃダメだよ! 気が進まないときはキッパリ断る!」


 暴走しがちな誠を、ぴしゃりと押さえつける世界。余計なこと言うなよーと、世界に食ってかかる誠。
 ニブチンが偉そうな口を利くなと、誠にネックブリンガーをかける世界。首を絞められてもがき苦しむ誠。

 ……なんだかんだいってこの二人の間には、遠慮や気兼ねをすることもない、どこか通じ合っている雰囲気があります。


【嫉妬CHECK!】

言葉「…………」


 そんな二人のやり取りを眺めながら、再び言葉の眉が憂いを帯びます。

 心ちゃんの携帯ジャックの時と同じ「嫉妬顔」です。嫉妬している理由も、たぶん同じかと思われます。
 ですので、ここでは言葉の表情だけを目に焼き付けておきましょう。

「ハの字まゆ毛とふともも」
※別にふとももは関係ありません。
(第三話、00:06:41経過ころ)



 …
 ……
 ………

 お昼休みも終わりました。
 憂鬱な面持ちのまま、自分の教室(四組)に戻ってきた言葉。しかしそんな彼女は、同じクラスの女子の一団に取り囲まれてしまいます。

 “加藤乙女”――バスケ部所属のポニーテール娘。伊藤誠の中学の頃からの知り合いで、彼のことをずっと好きなまま言い出せないでいる純情っ子です。……しかしそんな一途な性格の裏には、自分よりも弱い人間をいたぶる「いじめっ子」としての顔も持っています。彼女は四組女子のボスのような位置に君臨しており、取り巻きの三馬鹿を引き連れて、気に食わない言葉に今日も因縁をふっかけるのでした。

加藤「桂! 昼休みどこへ行ってたの!?」
言葉「え……」
加藤「アンタがいなかったおかげで、私がこれ押し付けられたんだけど!」
言葉「あ……」
加藤「アンタが学祭実行委員なんだから、こういうの迷惑なんだけど!」


 たかがプリントを預けられたくらいで、愚痴愚痴と嫌味を言う乙女。乙女+三馬鹿の四人がかりで冷たく罵られ、言葉はまたまた沈み込んでしまいます。言葉はいつも、一人ぼっちなのです。

 ………
 ……
 …

 学校からの帰り道です。いつものように、言葉と同じ電車に乗る誠。
 でも、そんな彼女はお昼からずっと暗い顔をしたまんま。いくらニブチンの誠だって、流石に気に掛かる頃合です。

誠「何か、あった? 元気ないみたいだよ?」
言葉「……大丈夫です……」
誠「何かあったら、遠慮なく言ってよ。恋人なんだからさ」
言葉「あの……私達、恋人なんですよね?」


 “恋人”という単語に、反応を示した言葉。縋るような目で、誠を見上げます。

誠「そうだよ」

 言葉は誠に身を近づけると、そっと襟元に手を伸ばしました――

 ――さて。この時、言葉は何をしたかったのでしょうか? この点、気になった方は他におられませんか?
 実のところ、ちょっと不明なんですよ……。

 しかしながら「嫉妬を徹底的に研究する」ことは本コーナーの趣旨の一つでありますので、スルーするわけにもいきません。そこで一応、管理人は自分なりの結論を見つけました。あまり自信ありませんが、ここに記しておくことにします。

 言葉は、「昼間の世界と誠のじゃれあいを思い出していた」のではないでしょうか? 世界は誠にネックブリンガーをかまして、じゃれ付いていましたよね? 言葉にはとてもそんな(野蛮な)ことはできません。しかし世界と誠の「気兼ねの無さ」はそこらへんに由来するのではないかと、言葉は思ったのではないでしょうか?
 言葉は、世界の「ある点」をとても羨ましがっています。自分にも世界と同じようにして欲しいと、誠に対して思っていることがあります。どうしたら、西園寺さんと同じようにしてくれるのだろうか――そう悩んだ末に、思わず襟元に手を伸ばしていたのではないかと。管理人はこう考えるのです。
 もし管理人の見解が正しければ、ここは【嫉妬CHECK】ポイントなのですが……今回はあまり自信がないので、チェックは入れません。みなさんはどのようにお考えでしょうか? 他の視聴者の意見も気になるところですね。


 ともかくです。我々の見解がどうあれ、「あの伊藤誠」が女性の意思を汲み取れるはずがありません。
 煩悩に誠実な男、伊藤誠はこう考えます。

 ――「あ、言葉って、俺のこと求めてる?」

 ここが電車の中であることなんかお構いなしに、そんな言葉をぎゅっと抱きしめてしまいます。ハグしてしまいます。

誠「……」
言葉「……!!」


 違うのです! そうじゃないのです!
 言葉が何を求めていたのか不明であるにしろ、この誠の一言は明らかに「×」なのですッ!
 案の定、言葉は傷ついたように身を振りほどき、誠を置いて電車から降りてしまうのでした。

 そしてそんな光景を、世界の友達である“黒田光”が目撃していました――

 ………
 ……
 …

 その夜。世界の元に一通のメールが届きます。

From:黒田光
===================
アンタの彼氏、四組のおとなしい感じの子と、
なんかワケあり、って感じ。

 友人たちには、「誠と付き合っている」と思われている世界でした。
 急いで「彼氏じゃない」と返信してから、ぷりぷり顔で誠をコールします。

世界「まーこーと! あんたまた桂さんを困らせてたでしょ!」
誠『は? 何が?』
世界「何がじゃないでしょ! 人がいるところで手を出すなんて、サイテー!」


 ハグしただけなんだし、しかも恋人同士なんだし……などと言い訳をする誠を、叱り付けます。

世界「いーい? そういうことは相手の気持ちを考えてさりげなくするの!}
誠『……面倒くさいなぁ……』
世界「面倒でもそうするの! みんなそうしてるの!」


 小学生にでも説教しているようなノリです。誠もそろそろ原作版の「伊藤誠」らしい、外道の片鱗を見せ始めています。
 ともかく、明日必ず言葉に謝るようにと、誠に約束させる世界でした。

 ………
 ……
 …

 翌日の昼休み。今日は友人とお昼を食べるからと言って、世界は誠を突き放します。
 屋上で一人で言葉を待ち続ける誠。階段を駆け上ってきた言葉は、昨日と同じような憂い顔でした。

誠「桂、まだ怒ってる……?」
言葉「……え……?」
誠「俺が、昨日、電車で……」
言葉「いいえ、気にしてません……」
誠「……」
言葉「……」


 空気が重いです。じゃあ何をそんなに落ち込んでるんだよ……と、誠も少しウンザリ顔。女の子の気持ちがさっぱり分からないのです。
 間を持たせるために仕方なく、話題を変えることにします。先日の“心ちゃん”との一件のことを持ち出しました。

誠「そうだ! 前に言ってた“心ちゃん”のことだけど!」

【嫉妬CHECK!】

言葉「……あ……はい」

 またまた、言葉が傷ついたような表情をします。
 ……ここまでくれば、「言葉が何にやきもちを妬いているのか」は明らかですよね。
 でも、もうちょっとだけひっぱりましょうか。


「ハの字まゆ毛と絶対領域」
※別に絶対領域は関係ありません。
(第三話、00:18:46経過ころ)



 以前話していた、「心ちゃんに会うために言葉の家に行く」という計画です。
 今週の日曜日ならお邪魔してもOKということになり、誠は先刻までのウンザリ顔もどこ吹く風、再びデレデレ顔になってしまうのです。ちゃっかりしてます。


<そして日曜日>

 やや緊張した面持ちで、桂家のインターホンを鳴らす誠。
 玄関の扉が開いて、出迎えたのは言葉――ではなくて、飛び出してきた心ちゃんでした!

心ちゃん「わーーー! ホンモノだーーー!」

 心ちゃんに、ひしっとしがみ付かれます! 男冥利につきるというものです!

心ちゃん「よろしくね。お兄ちゃん!」
誠「お兄ちゃん!?」


 心ちゃんに“お兄ちゃん”呼ばわりされてしまいます! 管理人は姉属性持ちですが、心ちゃんが妹なら喜んで“お兄ちゃん”になりますとも!
 ……まったく、誠は果報者ですよ……。

 心ちゃんは、今日もやっぱり元気いっぱいです。誠も言葉も一日振り回されっぱなしでした。トランプで遊んだり、言葉とポッキーゲームをさせられたり、馬乗りにされたり――言葉は勿論のこと、流石の誠もヘトヘトになってしまいます。だから、お茶でも飲んで一休みです。
 品のよいティーカップに、高価そうな茶葉の雫が注がれていきます。そんな、束の間の安らぎのひと時のことでした。

心ちゃん「ねぇねぇ、お兄ちゃん」

 オレンジケーキをもぐもぐ頬張っていた心ちゃんが、なんとなく“ソレ”を口にします。

心ちゃん「どうしてお兄ちゃんは、お姉ちゃんのことを“桂”って呼んでるの?」

言葉「――ッ!!」
誠「あ……?」


 呆然とする誠。
 顔を背けて、黙りこくってしまった言葉。

 子供の無邪気な一言によって、ニブチンの誠もようやく悟ったのでした――言葉をずっと傷つけてきた原因を。

心ちゃん「もぐもぐもぐ ……???」

 ………
 ……
 …

 桂邸を出て、駅までの道すがら。
 夕暮れが閑静な住宅街を照らします。

誠「ごめん。俺、桂がそんなこと考えていたなんて、思ってもみなかった」
言葉「……」
誠「……」
言葉「……」

誠「そんなに大事なのかな、呼び方って?」


【嫉妬CHECK!】

言葉「――大事ですよッ!!」

 言葉は急に声を荒げて、誠に詰め寄ります。

 西園寺さんにだって、名前を呼ぶのに――
 心にさえも、名前で呼ぶのに――
 
 どうして、私だけ……?
 ……私たち、恋人、なのに……


 
 言葉が誠の前で、こんなに感情を露にしたことはありません。よっぽど腹に据えかねていたのでしょう。
 真剣な面持ちで誠に迫り――自分のはしたなさに気付いて、慌てて身を引きます。

 一応、これが今回の目玉嫉妬シーンとなります。第三話はわりと地味なエピソードですね。
 しかし先にも述べましたが、この嫉妬は言葉の本質に関わるものであり、誠と言葉のすれ違いを理解する上で重要な意味をもつものです。この点は、また後で研究することにしましょう。

「かけて欲しかった“言葉”」
(第三話、00:23:48経過ころ)




誠「じゃあ……“言葉”」
言葉「……ッ!」
誠「なんだか照れくさいな」
言葉「……嬉しいです!」
誠「そ、そう? あははは」

言葉「あの……」
誠「ん?」
言葉「“誠……くん”」



 二人で名前を呼び合い、二人で笑いあった、そんな夕暮れ。
 ようやく恋人らしくなってきた二人。
 ここ数日のわだかまりも解け、また新しい一歩を踏み出した誠と言葉。

 すべては、これで丸く収まっていくはずでした――

 ………
 ……
 …

 駅のホーム。
 誠の乗る電車が来ます。駅員のアナウンスが、ホームに響き渡ります。

誠「それじゃ!」
言葉「あ……誠くん」
誠「何?」
言葉「ちょっとだけ、目を閉じててもらえますか?」


 緊張気味な言葉の様子を見て、誠は頬を緩めます。言われるままに目を瞑り、唇を突き出しました。
 (……ちゅう〜……)

 電車が入ってきます。ホームに風が流れ込んで、空気が揺れます。
 ……言葉の長い黒髪が、揺らいで靡きます。

 電車が通ります。

誠「……ぇ……?」

 呆然と、目を見開く誠。
 柔らかな感触は、期待通りに唇を覆うことはなく。

 ただ左の頬に、小鳥のついばむような軽い感覚。

言葉「……お、おやすみなさい!」

 頬にキスをしただけで顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに逃げていく“誠の恋人”。
 誠は呆けたように、ホームに佇んだまま――


 …
 ……
 ………

>コール
 →学校友達→西園寺世界

世界『じゃあ、うまくいったんだねー』
誠「まあね。そんなに大それたことじゃなかったよ」

世界『何言ってんの。泣きそうな顔してたくせにー』
誠「へっへっへ」

世界『でも、これでやっと“始まり”って感じかぁ。……がんばってね』
誠「“はじまり”、かー」
世界『そう。“始まり”だ』

誠「……なぁ、世界」
世界『うん?』


誠「なんか、言葉の相手するのって――」





 誠「――疲れる」(うんざり)










今回の伊藤誠メーター

メーター・第三話



<第三話まとめ>
 な、な、なんだってーーッ!?
 管理人はこれでも、原作を何十回もプレイした男です。この主人公の外道さも、この物語の脈絡の無さも、熟知していおるつもりです。そろそろやらかしてくれるだろうと、薄々覚悟はしておりました。しかし!
  ここまで唐突に、「……疲れた」一言で〆られるとは思ってもいませんでした! なんですか、終盤まではイイ感じのラブストーリーだったのに、最後の「一言の呟き」だけで引っくり返そうとするこの強引さは!? 確かに原作の第三話は唐突でした。唐突でしたが、アニメ版でその唐突な部分だけを強調してどうすんの!? も、元永監督は狙ってやってるのでしょうか……? それともここは、「そこまで原作をリスペクトしているとはえらい奴だ」と、逆に評価するべきポイントなのでしょうか……?
 誠の「疲れた」の一言から、素っ気無くEDテロップに切り替わり、無造作にいとうかなこさんの『ワルツ』が流れ出す――今回のEDを観るたびに、放心すると共に乾いた笑いがこみ上げてきます。ある意味、大爆笑です。これは笑えますよーあーはっはっはっはっは……

 以上。第三話のまとめでした。

 ――が、ここで少し、この第三話の補足研究をしておきたいと思います。
 ・「いったい、なぜこうなったのか?」
 ・「“すれ違った想い”とは何だったのか?」
 ぼんやり観ているだけでは理解しにくいポイントを、きっちりと明らかにしてから、第四話に取り掛かるとしましょう。


 別所において、「このゲームに登場するキャラクターの名前の由来」について耳にしたことがあります。
 “言葉”は、言葉や約束を重んじるから「言葉」と名づけられたそうなんです。
 同じように“世界”は、明るくてみんなの中心にいるような人気者だから「世界」なんだそうです。
 “誠”は――よく分からないのですが、まぁ、「気持ちに誠実だから」とでもいう理由でしょうか。

 言葉が今回「お互いの呼び方」について拘ったわけは、彼女が言葉や約束――そこから伝えられる心――を重んじる人間だからです。言葉にとっては、“言葉”として紡がれる気持ちは何よりも大切なものなのでしょう。ただの「呼び方」であっても、彼女にとってみれば「その人に対する気持ちそのもの」の表れであるわけです。
 対して誠は、「気持ちに誠実」です。ぶっちゃけて言えば、本能に誠実です。名よりも体を求めます。形よりも実を求めます。「愛している」の一言よりも、「愛し合う」行為を重んじるわけです。そんな誠でありますから、言葉の考え方が最後まで理解できません。

誠「そんなに大事なのかな、呼び方って?」
言葉「大事ですよッ!!」


誠「……え?」(唇を突き出したのに、頬にキスされる)
言葉「お、おやすみなさいっ」


 “すれ違う想い”というのは、二人の価値観の相違に基づくものなのですね。

 ……さて。これだけで考察を終わりにしてしまうのでは、ありきたりなレビューサイトに留まってしまいます。当サイトは「嫉妬を研究する」サイトですから、さらにもう一歩だけ踏み込んでみますよ。
 先に述べた「言葉と誠の価値観」は、ズバリ、二人の身勝手な思い込みにすぎません。なぜなら二人とも、その価値観を貫けていないからです。というよりも、物事の本質を見誤っています。西園寺世界も含め、本作の主要キャラは三人とも“中途半端”なんです。そのご大層な名前に及ばない、未熟さを備えています。……「Schooldays」――人の発展途上期を意味する単語ですから、未熟であって当然なのですけれどね。

 言葉は言葉や約束を重んじますが、それが本来「人に気持ちを伝えるべきもの」であることを忘れています。誠に「名前で呼んで欲しい」と思っていても、引っ込み思案しているばかりで、それを彼に告げることができませんでした。彼女は分かってもらえるまで、何も言わずに待ってしまう子なんですよね。妹である「心」の何気ない一言がなければ、今回の「呼び名」のことについても気付かれないままであったことでしょう。言葉は人に伝えるべきものである――その一番大切なことが欠けているがゆえに、一緒にいる誠が「疲れる……」とかほざいてしまうわけですね。彼女の気持ちが分からないからです。
 一方の誠は「気持ちに誠実」ですが、あくまでも自分の気持ちに誠実なだけです。他人の気持ちを推し量り、他人に対して誠実になることができないのです。だからこそ、原作からずーーーーっと「史上最悪のド外道主人公」と叩かれ続けているわけですね。未熟ですねぇ……。未熟ですが、中・高生の頃はこういう感じの子はわりと多いと思います。人の気持ちを思いやるということは――何歳になっても難しいもんですよ……。

 この二人の本質は、そういう点にあります。
 ですから、言葉と誠は「すれちがって」しまうわけですね。どうしたって。

 ――ハイ。『リアルタイム嫉妬さがし』、今回は地味なエピソードだったので、ちょっと語ってみましたよ。


次回、『スクールデイズ』第四話!
「無垢」

 ここまでは原作の「言葉ルート」そのままで進行してきましたが、実は次回の「無垢」は違うのです。原作のフローチャートに従えば、「無垢」は本来は世界ルートに挿入されるべきエピソードなんです。ということは……いよいよ希代の泥棒猫“西園寺世界”が、本格的に動き出すのか!?
 ドキドキハラハラ、ノンストップドラマティック嫉妬さがし――『リアルタイム嫉妬さがし』第四回目もまだなんとか頑張ります!


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